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【特集】国際教養大学(秋田市)が「ギャップイヤー入試日程」を大幅前倒し


 日本で初めて"英国型"の大学入学前ギャップイヤーを取り入れた公立 国際教養大学が今回「ギャップイヤー入試」で日程を大幅に変更した。 これまで過去4回「ギャップイヤー選抜入試枠(10)人」では、3月下旬に入試し、4月から8月の期間をギャップイヤーとして研修扱いにし9月入学していたが、2012年度は入試を大幅に前倒しして今年11月に行なった。
そこで、この3月から前年の11月実施に移行した理由や狙いなどを、ギャップイヤー担当教員の源島福己教授兼キャリア開発センター長と入試室の中津将樹入試室長に聞いた。(以下敬称略)

Q:なぜ、時期を3月でなく、11月に前倒しにしたのか?
A:(中津)これまで本学は11月に特別選抜で、翌年の1、2、3月は一般選抜をしてきて、ギャップイヤー入試は3月の最後に行なってきた。そうすると「ギャップイヤー」をやりたい受験生以外も、とにかく受験回数が増えるのでという理由で出願していたケースもあったため、早い入試時期にした。

Q:受験生は覚悟をもって受験をすることを余儀なくされるが、追い込まれて応募者が減ったのでは?
A:(中津)前回は77人、今年は大幅に減って20人くらいの応募数と見込んでいたが、「ギャップイヤー制度」の認知が進んだせいか、予想を上回る46人が出願して関係者は驚いている。

Q:受験を4ヶ月近く前倒しをしたことで、他に何かメリットは?
A:(源島)これまでは、3月の土壇場で合格が決まり、インターンシップやボランティア、国内外の留学等の計画書策定と実施にかける期間が短かったが、来年9月入学組は2月までに正式な計画書を提出し高校卒業後すぐに計画を実施できるので、より充実したギャップイヤーになることが期待できる。また、来年2月初旬に合格者を招集し計画案の発表会を開催し、担当教員から計画書実施前の段階でアドバイスや意見交換もする予定である。他の学生の計画等も参考になり、入学見込み者にとってもメリットは高いと考えている。

Q:ギャップイヤー制度に関して、受験生や保護者に対してひとことを
A:(源島)日本では"現役入学、ストレートで4年で卒業して社会(大会社・官庁)へ"というのが、"能力の証明"のように見なされてきたが、グローバル社会ではそうした固定的な能力感は通用しない。日本の社会だけを考えて若い時からこじんまり固まることより、広く国際社会に目を向けて自分の将来のキャリアを展望して欲しい。諸外国の大学生はどう過ごしているか、そのような比較の視点も必要だ。教育のグローバル化の中、ギャップイヤーも含め、大学入学前に世界を体験することで入学後のモチベーションを高めることができる。日本にはそのような多様性を容認する社会の合意形成や風土作りが必要ではないだろうか。

(中津)本学には、当然ながら多様な可能性ある人材に入学してもらいたい。「ギャップイヤー入試」もその一環で、世界や地域の課題に立ち向かうには、タフな人材が待望されている。そういう問題意識をもって、インターンシップやボランティアなど多様な経験を積んだ後に、その問題克服のために入学して勉強するようなタイプに受験してほしい。ギャップイヤーによって、本学での学習意欲、人生のゴールや自分の将来に向けてのキャリアデザインが鮮明になると考える。
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