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「コロンビア大学の研究によると、ギャップイヤーや留学は脳にプラスに働き、外向的になり、新しい考えに開放的になる」

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 18日、英国ガーディアン紙に、興味深い記事が出た。
 見出しが、研究成果だが、「ギャップイヤーや留学は、脳にプラスに働き、外向的になり、新しい考えに開放的になる」(taking a gap year or studying abroad can positively influence your brain to make you more outgoing and open to new ideas.)と刺激的だ。

海外在住者は、旅人よりさらにクリエイティブ!

  現在英国では、ギャップイヤーなどで、1年に2万人以上の学生が海外で働いたり(就労体験)、夏に数ヶ月間ボランティアをしたり、毎年 3 ヵ月以上の期間を海外で過ごしている。 多くの学生が英国を離れて過ごすこと自体は驚くことではなく、旅の利点は十分可視化できるだろう。それは、新しい友達を作れるし、視野も広げられるし、人に伝えるべき物語もできる。

 それだけではない、脳の力を向上させ、より外向的になることが挙げられる。米国・ コロンビア大学ビジネス スクールのアダム・ゲリンスキー教授の調査によれば、海外在住者は、よりクリエイティブで、より多くの国に住むと、仕事がクリエイティブになる傾向にあるという。しかし、同教授は、旅行者としてでは、そんなに恩恵はないとのこと。また海外在住者でもローカルの文化に関与しなければ、ローカルの環境に積極的に入っていく旅人と比べると、効果は薄いとのことだ。


自信と自立心の獲得
  旅行や海外生活も人との関わりの方法に影響を与える。ジュリア ・ ツィンマーマン博士とフランツ・ネイヤー博士の研究では、ドイツの大学生で、1学期以上の留学経験者と国内滞留組との対比をして、人格発達を比較した。

 結果は、海外留学経験者は、国内滞留組に比べ、一般的に外向性が高く、一人でいることよりも周りに人がいることを楽しみ、帰国後は、新しい環境によりオープンになり、同調性や感情的な安定性が増す傾向にあった。
 
 シェフィールド大学の博士課程の学生は、 1年半、シンガポールで研究していたが、海外での生活で、より寛容になり、思いやりある人間になったと自己分析する。「海外で、世界を見ることは、これまで見えてなかった自分の文化習慣を理解し、共感と他者を理解する能力、そして感覚を磨く」。
 そこから、若者はやがて自信と自立を培うのだろう。


マインド向上は、難しくない!

 米国旅行協会の調査研究によると、旅行中に出会った新しくなじみのない状況では、ローカルの地下鉄で移動する方法を把握しようが、不慣れな言語で食事を注文しようが、精神を研ぎ澄まさせことができるという。 新しい経験にチャレンジすることは、認知の健康状態を高めることができ、脳は新しい趣味や外国語を学ぶと、活性化する。

 「 もし、幸運にも旅の有無を選べる幸運な立場にいるなら、冒険をし、世界を探検すればよい。それは脳も喜ぶはず」とガーディアン紙は結んでいる。

 なんといっても、環境やステレオタイプな発想を一番手っ取り早く変える方法は、海外に飛びだすことだろう。そこで精神は解き放たれ、非現実的な発想( Blue-sky thinking )が生まれる土壌ができ、それがクリエイティブな発想や思考を醸成するのではと考えた。

「2016年は"ギャップイヤー2.0"の時代!」(砂田 薫)

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明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。

"ギャップイヤー2.0"の時代は、ギャップイヤーの人材育成機能がより公的に認められ、予算化される!
 さて、昨年の日本におけるギャップイヤーの話題は、なんといっても大学の学外学修(体験)の一環として"ギャップイヤー・プログラム"が文科省の予算付けされて誕生したことだろう。初年度の平成26年度は、神戸大学など10大学・1短大・1高専への予算配分が決まった。(参考記事:2015年8月1日付「今秋から新たに10大学で"ギャップイヤー制度"が誕生する!」-JGAP代表ブログ http://japangap.jp/blog/2015/08/10.html )

 これまで「ギャップイヤー・プログラム」はあくまで大学の学内の自主予算で、東大や国際教養大などが導入してきたものだ。今後ギャップイヤーが、その人材育成機能により公に認知され、文科省予算がついてくるわけで、私はこれを「ギャップイヤー2.0」と呼称している。また、その特徴として、何も必ず休学して1年間、社会体験(ボランティア・課外留学等、旅)や就業体験(インターンシップ・ワーホリ等)を行うというものでもない。夏休みや春休みを活用したものが開発されてくる。期間については、英国やJGAPの定義では「概ね、3ヶ月から2年」であり、2012年に誕生した米国のAGA(米国ギャップイヤー協会)の定義は、「2ヶ月以上」とさらに短期化している(ちなみに、英国には3ヶ月未満はmini gap という呼称もある)。

 「ギャップイヤー1.0」は下表にあるように、日本においては2011年だったと思う。5年前当時は、「ギャップイヤー」は"市井の人々"には関心がなく、ほんとうに一部の識者か教育関係者、あるいは英国圏に留学した人か、住んでいた人くらいの話題であったと言っても過言ではないだろう。だからこそ、JGAPはその啓発と理解促進のため、ギャップイヤー経験者の若者のエッセイである「フロンティア・フォーラム」をこれまで200編以上掲載してきたり、海外のギャップイヤー情報を150編以上発信してきた。
JPEG版 過去5年のギャップイヤーの動向~産.jpg

企業の人事部門はギャップイヤーの重要性を理解している!
 しかし、今日では少なくとも、東大や国際教養大の卒業生を採用するような企業の人事関係者は、間違いなく理解しているし、経団連の昨年の「グローバル人材調査」を観ても、企業のギャップイヤーへのポジティブな評価は明らかであり、その人材育成機能に期待している。

(参考記事:2015年10月29日付JGAP「経団連『グローバル人材の育成・活用アンケート』にみるギャップイヤーの好評価!」http://japangap.jp/info/2015/10/post-198.html )

 先週「海外留学のEF Education Firstの調査によると、日本でのギャップイヤーの認知率は現在わずか20%。ギャップイヤーについて説明できる割合は、さらに下回って14%というのが現状」という記事を見かけた。読んでみると、12月11・15日に「ギャップイヤー」に関する意識調査を実施した結果で、調査は海外留学の EF 公式 twitter アカウントをフォローしているユーザーを対象に、twitter のアンケート機能を利用して行ったとのこと(サンプル数:760)。

 調査手法・対象と回答者にどれだけの意味があるかの議論もあるが、まず、5年前当時の"市井の人々"の認知率に比べたら大きな伸長であろうし、まして日本の窮屈な「ストレートでシームレスな高大接続」の一本かぶりの多様性なきキャリアの価値観に風穴を開けるギャップイヤーが、一般の人々を対象とした調査で、"5人にひとり"も知られるようになったというのは福音であり、希望だとも私は思う。加えて、前述のように、企業の人事部門は、経団連の463社調査でも「大学に期待する取り組み」として、ギャップイヤーはベスト4に上るほど、関心は高い。
経団連ギャップイヤー.jpg
 全文は以下の経団連サイトから読める。
https://www.keidanren.or.jp/policy/2015/028.html


青年海外協力隊も地域おこし協力隊、ティーチ・フォー・ジャパン(TFJ)、「トビタテ留学!」の一部の活動もギャップイヤー!
 今年は、先述のように文科省予算がついており、新たに12高等教育機関にギャップイヤー制度が導入されるし、戦略的に導入する大学も増えるだろう。また、導入されていない大学の大学生も高校生の一部も、これを契機に自主的にギャップイヤーを取得する層も増えることだろう。そういう底辺拡大を認めていく、あるいは柔軟にサポートする社会が必要だ。現に、JICAの青年海外協力隊も地域おこし協力隊もティーチ・フォー・ジャパン(TFJ)の活動も"就職"ではなく、文科省の「トビタテ留学!」の一部(多様性理解やスポーツ留学等のカテゴリー)も、直接標榜していなくても定義上1~2年の有期"ギャップイヤー・プログラム"であり、それぞれ価値を既に社会に提供しているのではないだろうか。

 ギャップイヤーは、comfort zone(ぬるま湯、日常性)から抜け出して、親元や教員から離れていわば"修行"することに意義があり、それは国内外の社会的課題を解決する人材、グローバル人材、そしてリーダーシップを持った人材を生み出すことが知られてきた。

 「ギャップイヤー2.0」時代は、ギャップイヤーが実体験(real experience)の欠乏している日本の高度人材育成に貢献し、従来のキャリアの価値観を根底から変える力を秘めていると私は考えている。

※「海外ギャップイヤー事情」100超記事の一覧リスト(右ナビ)→http://japangap.jp/info/cat44/新4階層 ギャップイヤー.jpg
  

新着:「ノルウェーのギャップイヤー・プログラムには、斧投げ・航海術等を習熟するバイキング養成コースがある!?」(砂田 薫)


ギャップイヤー・プログラムのテーマはなんとバイキング!
 9月3日に英国の高級紙「ザ・ガーディアン紙」に掲載されたノルウェーのギャップイヤー・プログラムが話題を呼んでいて、フェイスブックにより5000件以上のシェアがされている。それはなんとテーマがバイキング。

 バイキングは、ウィキペディアによると、西暦800年 - 1050年の約250年間に、西欧州沿海部を侵略したスカンディナヴィア、バルト海沿岸地域の武装船団(海賊)を指す言葉。しかし、のちの研究の進展により「その時代にスカンディナヴィア半島、バルト海沿岸に住んでいた人々全体」を指す言葉に変容した。いずれにせよ、中世欧州の歴史に大きな影響を残している。

 また、海賊や植民を繰り返す略奪経済を生業としていたのではなく、ノルウェーの考古学者・ヘイエルダールによれば、バイキングの多くは農民であり漁民であり、特に手工業に秀でており、職人としての技量は同時代においては世界最高のレベルという。バイキングたちの収益の98%が交易によるもので、航海の主たる目的は交易であり、略奪の方がむしろ例外的なものだったとされる。


専門学校の科目は、斧投げ、航海術、機織り!
 さて、ノルウェーの首都オスロから西へ約140キロ、セヨール湖のほとりにある全寮制の高等教育機関「セヨール・フォルケホイスコーレ専門学校(Seljord Folkehøgskule)」が、今秋1年間の"バイキング養成コース"を立ち上げた。風光明媚な山々や湖に恵まれたこの専門学校は、バイキングの生きる知恵を学ぶには絶好のロケーションで、バイキング養成の環境としてはもってこいだ。美しいセヨール湖にはネス湖のネッシーのような「謎の生物」が棲むという伝説があることも好条件ともいえる。

 8月末に、高校を卒業したばかりの元気な9人の男子、5人の女子が選抜され、入学した。高校後で大学入学前の無所属(入学していないので大学生ではない)のこのギャップイヤー生(gap year student)たちは、バイキングの生活には欠かせない造船、航海術、斧投げ、剣作り、アクセサリー・革製品加工の伝統工芸・技術などを1年かけて学んでいく。


苦肉の策としてのバイキング学コース誕生だった!
 なぜ、このようなコースを設けたのかと疑問が生れる。もともとこの専門学校はハンドクラフト作りで知られていたが、人気がなくなってきて、教職員でブレストを行い、この人気企画のアイデアが生れてきたという。ブレストおそるべしである。

 北欧は既報通り、半数が高卒後、いったん1年程度のギャップイヤーを取得する国々だ。そして、その選択肢として、このような寄宿舎付の folkehøgskule( folk high school、専門学校に近い)に入学する若者も多い。そこでは、学修や試験に囚われるのではなく、自立心やチームワークと言ったらライフスキルを習得することに主目的がある。

 国の助成のお陰で、私立ながら授業費は無料、ただし、寮費・食費や研修旅行や教材は有料だ。 「セヨール・フォルケホイスコーレ専門学校」の場合、1年でおおよそ10万クローネ(約150万円)の費用がかかる。これを高いか安いかは、親や本人、あるいは社会の基準や価値観、規範によって変わるだろう。


公募でバイキング教員を採用!
 ところで、誰が一連のバイキング学を14人のギャップイヤー生に教えるのかという素朴な疑問がまた起こる。それについては、2万6千回もフェイスブックでシェアされたフェイスブックの広告で公募したのだという。そして首尾よく、22名の応募者の中から、生涯をバイキングに賭けているデンマーク人で熱血漢のジェッペ・ノードマン・ガリア(36歳)さんという"現代のバイキングである"匠(たくみ)が見つかり、現在教鞭を執っているという。

 彼はもともと、趣味で10世紀当時の衣装に身を包み、兜や剣を収集していた。また、鍛冶や彫金もでき、教職経験もあるという、俄かに信じ難いほどの幸運な人選であった。10世紀頃バイキングが勇敢に活躍していたときと違い、今は男女共同参画の時代だ。授業も好評で、女子ギャップイヤー生もアーチェリーや造船、機織と同様に、力仕事である木彫りや金属鋳造、パン焼きなどにもチャレンジしている。


伝統工芸学習は思考の拡張を生む(mind-expanding!)
 最後に、1年のバイキング学を修めたギャップイヤー生は、どんなキャリアパスを選んでいくのだろうか。このコースを導入した学長は、「北欧でバイキング市場で産物を売ることはできるでしょうが(笑)、労働市場において、どれくらい習得したスキルが役に立つか正直わからない。しかし、ギャップイヤー生が何に関与しようが、価値はある。

 例えば、伝統的なバイキングの武器を作ることを今学んでいるが、それこそ思考の拡張を生む (mind-expanding)。そこに学びはあるだろう。」と応えている。日本でも、各地方でそれぞれの伝統工芸を若者が1年で学べるギャップイヤー・プログラムが編成できるのではないだろうか。

 ちなみに、同専門学校には「エベレスト登山のベースキャンプ準備」や「パラグラインディング・スキル」といったコースもあることがわかる。どうやら"文化系"のハンドクラフトから方向を変え、"体育会体質"になったようである。


(関連記事)
2015年8月1日付ス
「今秋から新たに10大学で"ギャップイヤー制度"が誕生する!」(砂田 薫)-代表ブログ http://japangap.jp/blog/2015/08/10.html

2015年5月15日付
文科省が平成27年度「ギャップイヤー・プログラム」の公募状況を公表~応募は38大学。選出は12件程度を予定 http://japangap.jp/info/2015/05/273812.html


2015年1月29日付
「ついに大学に、文科省の"ギャップイヤー予算"が付く!」(砂田 薫)-JGAP代表ブログ
http://japangap.jp/blog/2015/01/-27-httpwwwkanteigojpjpsingisouseikihonseisakudai2s6pdf.html


2015年7月25日付
海外ギャップイヤー事情 フィンランド編:「学術調査でギャップイヤーは学習成果を軽減するものでないと公表!」の巻 : http://japangap.jp/info/2015/07/-cio-1.html

※「海外ギャップイヤー事情」100超記事の一覧リスト(右ナビ)→http://japangap.jp/info/cat44/新4階層 ギャップイヤー.jpg
 

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