海外ギャップイヤー事情 米国編(その3):「大学入試課勤務の幹部職員が、息子にギャップイヤーで国内外のインターン体験をさせている!」の巻
大学入試課勤務の幹部職員が、息子のギャップイヤーを全面サポートの事実!
ニック・アサートン君の両親はギャップイヤーという概念に賛同していた。バーモント州ミドルバリー大学で入試課のアシスタントディレクターとして働いている父親のスコットさんは、仕事柄ギャップイヤーにも精通している。「私はギャップイヤーをしなかったことを後悔している学生を多く知っています」と彼は言い、「ギャップイヤーを考えている学生は、海外渡航やインターンシップの機会をつくるために、家族や友人たちとの関係を掘り下げるべきです」と続ける。実際それは、海外に行って写真技術を学びたいと思っていたニック君にはうまくいった。スコットさんは、インドで宗教写真を撮っている友人のところでニック君が働けるようアレンジした。3ヶ月間、その写真家のアシスタントとして、機材運搬や三脚をセットしたり、邪魔な猿を追っ払ったりしていた。その渡航経費は、カメラ代を含め、約4,000ドル(32万円)と安価だった。
ニック君の次なる目的地はフランスになる予定だった。スコットさんはフランスにいる友人のオーペア(無給の住込み使用人)として働けるよう頼んでみたものの、今度は交渉はまとまらなかった。不況の真只中にバーモントに戻ったニック君には、仕事のあてがない。そこで、スコットさんは、地元の新聞社に無給で、カメラマンのインターンとして働かせてもらうよう依頼した。突然、日刊のジャーナリズムの世界にひたることになったニック君は、高校のバスケットボールや地元のお祭りといった、自分がかつて参加したイベントを取材することになった。
4ヶ月後、ニック君はマサチューセッツで行なわれる政治運動の取材へ行く。その刺激的で目まぐるしく展開する体験は、彼に「大学へ行きたい」という気持ちを呼び起こした。現在、バーモント のベニングトン・カレッジの2年生になったニック君は、「大学入学前のギャップイヤーが、学業に対する思いをより強くさせた」「ギャップイヤーが、自分が大学で本当にやりたいことは何かを教えてくれた」と言う。
ここで、日本が学ぶべきことは、キャリアを考える上でインターンシップは極めて重要であり、ギャップイヤーの要素である"親元・教員から離れた非日常下でのインターン"が容易にできる環境を産官学民の4セクターで協力しながら構築する努力が必要ということだろう。また、米国では大学職員、しかも入試課の幹部職員が、「ギャップイヤーを高卒後やってなくて、後悔している学生を多く知っている」と言い放ち、実の息子のキャリア観醸成のため、ギャップイヤーを賢明にサポートしている事実が微笑ましく、かつ興味深い。
(文 / JGAPギャップイヤー総研「翻訳チーム」 関塚芽衣子)

