海外ギャップイヤー事情 米国編:「難関大学30傑常連 ハーバー・フォード大学(ペンシルバニア州)のキャリアセンターでは、在学生のため、"卒業後ギャップイヤー経験者"によるパネルディスカションまでやる」の巻
有島武雄もかつて通った、このリベラルアーツ・カレッジ(学生数:1200名、1833年創立)のキャリア・デベロップメント・オフィス(日本でいうキャリアセンター)では、在学生の職業観醸成のため、大学卒業後にギャップイヤー(注1)をした経験者から内容や成果を聞くセミナーを11月7日に企画した。 (注1)親元・教員から離れた非日常性の中での社会体験(ボランティア・課外国内外留学)や就業体験。期間はおおよそ3か月から2年。自分で設定する「ギャップイヤー・プラン」と、第三者が運営する「ギャップイヤー・プログラム」がある。
パネリストは、国際ボランティアのピース・コー(平和部隊:日本の青年海外協力隊のモデル)によって、中央アフリカ・ガボンで活躍した現在若者人材育成の社会起業Sparkの理事(1988年卒、都市問題専攻)や、地方自治体へのインターン・プログラムであるシティ・イヤーを経験した大学院生(2005年、歴史専攻)、ナンビアへピース・コーとして参加した現在海洋保護団体職員(2007年卒、スペイン語専攻)、ペンシルバニア大整形外科センターの研究助手としてインターンを経験した現在ジェファーソン大医学部生(2009年卒、物理・化学専攻)、フィリー・フェロー(フィラデルフィアで1年間、NPOでインターンとして働くプログラム)を経験した、現在NPO全米脳脊髄炎支援協会職員(2011年卒、心理学専攻)という多士済々な顔ぶれだった。ギャップイヤー経験者はソーシャル・イノベーションに関わる人たちが多いとも言えるだろう。
このように、大企業に入ることを第一義的に考える日本の大学やキャリアセンターの在り方とは明らかに違うことがよくわかる。また、ギャップイヤーが、キャリアを考える上で選択肢となっていることが注目される。日本でも、「休学」の有無に関わらず、国内外にギャップイヤーを意識して飛び出している学生が増えている(注2)。大学のキャリア科目やキャリア論の授業で、「ギャップイヤー」をテーマに授業が始まっているが(注3)、各大学でその進展が待たれる。
(注2)エッセイ:「フロンティア・フォーラム」欄記事リスト
(注3)琉球大学で初の「ギャップイヤー」講義!:
キャリア教育科目「若者の雇用環境」
ギャップイヤーは大学入学前の高大の接続点(多くは「大学入学延期制度」を利用)でのポイントだけでなく、大学卒業後に仕事観醸成やスキル向上のために選択することが多い。また、転職する間にスキル向上やボランティアを行うギャップイヤーもある(キャリア・ブレイクともいう)。日本の「休学」のような形は主流ではないが、ギャップイヤーの概念が浸透していけば、これ自体も変わる可能性があるだろう。
(文・JGAPシンクタンク「ギャップイヤー総研」)
参考サイト「ハーバー・フォード大学キャリア・デベロップメント・オフィス」:http://cdoapps.haverford.edu/resources/events/index.php?calID=799

