ギャップイヤー・ジャパンからのニュース・お知らせ

Armand L.jpg井本かおりの最新"英国ギャップイヤー"情報:「英国の理系大学生はギャップイヤーを45%も取得してる?!」の巻


 
 イギリスにおいて、数学、物理学、工学、医学系専攻の"理系"学生達は比較的ギャップイヤーを取らないと言われているが、実際どうなんだろう。今回はイギリス名門インペリアル大学の生物学教授のレロイ博士にお話を伺ってみた。

Dr. Armand Leroi
レロイ・アルマンド博士
インペリアル工科大学生物学教授
略歴:1964年ニュージーランド生まれ。1993年に米国カリフォルニア大学で博士号取得。
http://en.wikipedia.org/wiki/Armand_M arie_Leroi



Q: Did your students at Imperial take a gap year between school and university?
貴方の大学の学生はギヤップイヤーを取る人が多いですか?

A:45% took a gap year
45%がギャップイヤーを取っていました。
※注:自分のクラスの学生に授業中、直に聞いたそうです。小さいクラス(14-15人)で2クラス。

Q: If not, what do you think is the main reason?
NOと答えた学生はどうしてギャップイヤーを取らなかったのでしょうか?

A:Several were mentioned: ambition (wanted to get ahead on their degrees); loss of focus on education; not mature enough.
いくつかの理由があるようですが、願望するものが他にある(学位を取り進めるため)、教育に対する集中力の欠如への懸念、まだ機が熟していないことなどを挙げています。

Those who DID, said they did so because it was beneficial, gave new skills, was good for the CV, gave them a taste of independence.
ギャップイヤーを取った学生達はとても有利であったと・・・、新しいスキルを修得出来たり、履歴書(CV)にも有利で自立の実感をも味わえたと言っています。


Q:What difference do you find in the students who have had a gap year compared to those who have not?ギャップイヤーを取った学生と取らなかった学生の違いはありますか?

This is very hard to assess; I just don't know them well enough and don't have any statistics on their grades (in any case, I don't expect a difference).
この評価は大変難しいですね。学生達をよく知らないのと成績の統計(いずれにせよ、成績には変わりないはずです)を持ち合わせていなしので、何とも言えません。


Q:If you were a student who has just finished a A level, would you consider taking a gap year?
教授自身、学生でAレベル(大学入学試験)を終えたとして、ギャップイヤーを取りますか?

A:Yes. But I would not do so unless I had a project -- some internship -- that promoted my future career as a biologist. Indeed, I did take a year or so working in a lab though not, exactly, a gap year.
はい、ただし何かやりたいプロジェクトがある場合のみです。インターンとか・・・それが将来生物学者としてのキャリアの手助けになるようであればの話です。実際に私は1年少し研究室で働いていました。ギャップイヤーとは言わないかもしれませんが・・・。

Q:Reasons?
理由は?

A:See above
上記参照


Q:Any message to the students in Japan?
日本の学生に何か一言を

A gap year can be beneficial if it is used to further your future goals.
ギャップイヤーは君達の将来のゴールにより一層近づくために使われるのであれば、とても有利な事だと思います。

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【取材後記】
 今回レロイ教授のインタビューは、まず本人に会って私のレポートの趣旨を説明し、その後アンケート形式で答えて頂いた。
インペリアル工科大学においてレロイ教授の講義を取っている約半数がギャップイヤーを取っているという事実にも驚いたが、
生徒の30%が東洋人だともおっしゃっていた。これは世界ランキングでも上位を行く大学の世界的な評価が反映されているからだと思う。
 私の姪にあたる21歳の医学生は、6年という大学生活が長いためギャップイヤーを取らなかった。ハーバードの数学科に進学した友達の息子は単に方程式を忘れたくないと言う理由でギャップイヤーを取らなかった。しかし彼に関しては学生の間にインターンを経験している。彼曰く、将来の進路が見えてきたところでのインターンは大変有意義であったと。
 結局、ギャップイヤーやインターンシップは『取れば良い!』というものではなく、時期、チャンス、期間などを考慮し、自分の将来の目的に向かって最大限に生かすことが必要だと思うのである。


井本さんご本人写真.JPGのサムネール画像

井本かおり
JGAPギャップイヤー総研客員研究員(ロンドン駐在)

香港、パリを経て、英国在住23年目。
Rugby校在学中の次男が2013年にギャップイヤー予定。