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海外ギャップイヤー事情 米国編:「ギャップイヤーで海外ボランティアする学生に贈る"7つのチェックリスト"」の巻

 
 ギャップイヤーの要素としては、親元や教員から自立し、「社会体験(ボランティア、課外の国内外留学)と就業体験(インターン)等」をすることで、中身が交差することも多い。米国の新興保険会社の社長が、ギャップイヤーのチェック・リストを提示している。

 「ギャップイヤーは、米国にとって、間違いなく刺激的なトレンドだ」---- 既に何千人もの学生が保険をかけて海外に出ているが、アリゾナ州のグッド・ネイバー(善良な隣人)保険のジェフ・ガルソン社長(注1)はこう語る。

 聡明で、裕福、しかししばしば大学で孤立しているアメリカの学生たちが、インドの田舎に太陽電池を届けに行ったり、南スーダンで栄養摂取に関する統計調査に行っている。実際に大学によっては、合格した学生に対して、現在ギャップイヤーがとても人気になりつつあるため、入学延期するよう促している。

 では、ギャップイヤー生が家族に知らせたり、荷造りをする前に知っておくべきことは何だろうか?

1.あなたがなぜ海外でボランティアをしたいのかをよく考えてみる
 専門知識やスキルを実践の場で使うため、勉強から一時離れるため、または自分の専攻に残るかどうかを知るため?履歴書(経歴書)にハクを付けるため?学費を抑えるため?
海外でのボランティアはあまり学費抑制には有効ではなく、1年間自宅で働くほうが、次年度分の学費を払うこともできたことに気付くだろう。

2.ネット上やあなたの大学で、信頼できる支援やアドバイスを探す。(ヨーロッパ人向けに多くのギャップイヤー関連のサイトがある。もしあなたが米国の学生であれば、いくつかは利用できる/もしくは応募できないかもしれない。)

3.ギャップイヤーに費やす支出予算についてよく考える。現実的になって、クレジット・カードを使うのは避けるように。

4.良い旅行/健康保険に加入すべき。アメリカを拠点とするほとんどの保険契約は海外をカバーしていない。医療救助やフライトのキャンセル、そして言うまでもなく、バンジージャンプや像に踏まれた時などもカバーされない。ほんの少しの出費なのに、保険なしで海外に出かけるなんて、合理的でない。

5.健康に留意する。新聞やその他ネット情報、国際的に認知された「医師のいない所で」という本も含め、病気にかからないようにするためのアドバイスや近くによい病院がない時に、症状を和らげる方法も今や入手できる。

6.できる限り学ぶこと、できる限り聞くこと、できる限り感性豊かであること。20歳の若者が、知ったかぶりで、地元の人にネクタイの結び方を語るようなことはしてはならない。それなら、国内で、コミュニティーを作ったり、苦労して貧困状態から抜け出すために働いたほうがよい。

7.ギャップイヤーから帰還したら、リラックスをし、不在期間の情報を聞き出そう。しかし、ただちに学校に戻ったりしないように。まず、信頼できる賢明な友達と話をゆっくりしよう。自分がどの点で悩み、成長したのか、また何が一番楽しかったのかをよく考えよう。

 ギャップイヤー生は学生達(特にアメリカの学生で、大抵、途上国の複雑さや葛藤とは無縁の人達)にとって、無私無欲で貢献し、他の経験から得た知識がほとんどマッチしない中、より知識を広げることになり、素晴らしい経験となるだろう。それらは全員に当てはまらないかもしれないが、ギャップイヤーは世界、あるいはベリーズ国民(中米の国)のうちのたった1人の子供の生活を良くすると同時に、あなた自身のリーダーシップやコミュニケーション能力を高めるだろう。

(注1)ジェフ・ガリソン氏はインドネシアでの30年間に及ぶNGO勤務を終えたのち、世界的な健康保険、生命保険のサービスを提供するために1997年に米国にグッド・ネイバー保険を立ち上げた。


※「海外ギャップイヤー事情」記事リスト(右ナビに約40本あり): http://japangap.jp/info/cat44/
文・加藤 直子