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海外ギャップイヤー事情 米国編:「ギャップイヤーでやる3つのやること、6つのメリット」の巻

 
 米国・アトランタの非営利組織「グローイング・リーダーズ」は若きリーダーを養成することを目的として活動している。活動内容には、日本でも翻訳本「うちの子って、最高!~子供の隠れた才能を引き出す」を著した創設者ティム・エルモア氏の講演会やポッド・キャスト配信もある。そのウェブサイトの2月21日付記事では、ギャップイヤー取得に対するメリットについて、「モチベーション3.0」や「ハイ・コンセプト」の著者で知られるダニエル・ピンクを招き、対談を行っている。

 この対談をまとめると、
ギャップイヤーとは、欧州だけでなく、米国でも"現象""になってきて、主に、「高校卒業後と大学入学前の1年間の期間に、探究や体験活動、そして就業体験を得ること」としている。以下、ギャップイヤーでやる3つのやることと6つのメリットが述べられている。


ギャップイヤーでやる3つのこと
1.旅行
•旅に出ることそのものが教養を与えてくれる。

2.自分で自分を評価すること
•いくつかは文字通りの評価だった。
•彼らは自分を見つめ、そこで得たものをすぐ反映させることができた。

3.良い意味でどこにでもある古臭い仕事の経験を得ること
•彼らは働くことがそう簡単ではないことを学んだ。


ギャップイヤーの6つのメリット
1.自分自身は何者かという考える時間を与えてくれる。
•高校生は常に緊迫した環境から違った環境 (高校から大学)へと移動しなくてはならず、考えることや思考したり、振り返る時間もない。
•高校生はいつも「専攻は何にしよう?」とか「単位はどれくらい必要だろう?」ということに時間を費やし、自我と固めることを忘れてしまう。
•自分のアイデンティティを探し、さまようあまり40%の大学生が専攻を複数回変えてしまう。
•ギャップイヤーはそんな学生たちに自分自身になるための時間を与えてくれる。

2.ギャップイヤーで、IQでなく、感情知性(EQ)を発達させる。
•大学で成功するには、25%のEQと75%のIQが必要。
•社会で成功するには、75%のEQと25%のIQが必要。
•EQ(心の知能指数)が高校の教室内で伸ばしてくれることは稀である。
•ギャップイヤーで自己や他者の感情を知り、自分の感情をコントロールするすべを大学に入る前に身につけることができる。

3.ギャップイヤーで、ほんとうに自分に合う大学を選ぶことができる。
•誰かの助言に沿って選ぶより、一人ひとりの学生が自分で自分に合った大学を選ぶほうがいい。
•大学を賢明に選ぶための評価軸(良し悪しリスト等)を得る時間が持てる。
•ギャップイヤーを取ることで次のステップで何をするかをはっきりさせることができる。就労か、大学かの選択等。
4.自分が強い分野をみつけ、準備させることができる。
•もしギャップイヤーで働いた場合、文字通りの評価だけではなく、仕事を通しての自分自身の評価を受け取ることになる(現場のプロジェクトでの働き具合や電話の掛け方・取り方、同僚とのやりとり等)。
•この日々積み重なる評価によって自分の強みが何かわかるようになる。

5.メンターを探すチャンス。
•大多数がギャップイヤー期間中に、それぞれメンターを見つける。
•メンターと会ったり話したりすることで、自分のキャリアや望む人生ついての眼識を深めることができる。

6.おとなとして成長する土台を与えてくれる。
•多くの情報に惑わされ、本当のリアルな経験を得ることが少ない現代の子供は、昔に比べておとなになるのが遅い。
•多くの大学の学長が、「今の26歳は、昔の18歳だ」と言っている。
•ギャップイヤーを通して、おとなになるためのバーチャルでないリアルな人生経験を得られる。


 最後に、米国でさらに、ギャップイヤーを広めるために現実的な方策は以下の通り。
•もしあなたが、ギャップイヤー生を雇える規模の会社なり団体を経営していたら、是非、1名でも試してみて下さい。
•もしあなたが親御さんなら、ご子息がギャップイヤーを見つけられるように、ご支援願います。
•もしあなたが学生なら、インターンシップや実習生に応募してみましょう。

 東大が今年4月からギャップイヤー制度を導入し、30人を限度に、"特別休学"という形で、1年間旅立つ。日本でも、米国のように、ギャップイヤーを積極的に評価する、あるいは支援する呼びかけまでが出てくる環境に近々なるのであろうか。

※「海外ギャップイヤー事情」記事リスト(右ナビに約40本あり): http://japangap.jp/info/cat44/
文・梅本もゆる