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半年ギャップイヤーが今後議論! 10/4 第1回「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議」が文科省で開催ギャップターム写真.jpg

 この検討会議は、東大が孤軍奮闘となって"全学秋入学"は当面見送りとなったが、それを今度は文科省や政府が預かり、秋に入学する前の半年のギャップイヤー(ギャップタームと呼称)の環境整備して、後押しする趣旨で議論が始まった。
 
 4日午後2時30分から下村博文文科大臣の挨拶があった。「秋入学などの学事歴の多様化や柔軟化、入学前のギャップタームは、大学の国際競争力と深く関わっている。秋入学を推進する大学や、ギャップターム期間の留学の支援や奨学金も考えている。次代を担う若者がギャップタームのさまざまな経験を通じて大きく飛躍できるように、精力的なご審議をお願いしたい」と述べた。その後、この会議は公開で、今後も一般傍聴を受け入れる方針が確認された。各委員の挨拶の後、高等教育局より、「入学時期等に関するこれまでの経緯」、「諸外国の学事歴の状況」「イギリスにおけるギャップイヤー」、「国内大学のギャップイヤーの類型(国際教養大学、東大FLYプログラム、1年特別休学制度)、名古屋商科大学」、「グローバル人材育成コミュニティの形成に向けて」などの情報共有がされた。

 次に、東大濱田純一総長が、「よりグローバルに、よりタフに」と題して、これまでの経過と「総合的な教育改革」である秋入学構想の実現に向けた重要なステップとして、4ターム(学期)制の概要を解説した。ギャップタームについては、H24年度で、全47プログラムで176名参加、本年度に全114プログラムで730名の募集をしていることも明らかにした。中身は、国内活動(農業、漁業、復興まちづくり等)、海外活動(米国でのオーガニック牧場での農業体験、インドでのマーケティング・リサーチ等)、学内活動(ラボで宇宙プラズマを体験、微生物バイオテクノロジー等)の3種類がある。

 砂田薫JGAP代表は、「東大の使うギャップタームは、平成19年の教育再生会議第二次報告以降使用されている大学入学前の多様な経験を意味する"日本版ギャップイヤー"とどこが違うのか?」と質問した。

 濱田総長は「ギャップタームという"和製英語"は使用すべきでないという砂田さんの主張・発言は承知している。ギャップイヤーという言葉に対し、(本格的ではないため)少し遠慮したほうがよいとの気持ちもあり、今後この委員会での議論も踏まえて考えてはどうか」と応えた。

 以後、東大濱田総長を除く15人の各委員が、検討課題である「学事歴の多様化とギャップターム推進の意義・理念」「ギャップイヤー期間中の活動」「その制度設計と支援内容」について、意見表明して会は終了した。次回は11月中旬を予定している。


委員名簿(五十音順・敬称略)
◎座長、○座長代理

浅原 利正  広島大学長

○市村 泰男  一般社団法人日本貿易会常務理事

川村 隆 株式会社日立製作所取締役会長、一般社団法人日本経済団体連合会副会長・教育問題委員長

齊藤 斗志二 公益社団法人全国スポーツ推進委員連合会長、元臨時教育審議会委員

島村 元紹 株式会社島村楽器代表取締役会長、日本商工会議所教育委員会共同委員長


◎鈴木 典比古 国際教養大学理事長・学長

砂田 薫 一般社団法人日本ギャップイヤー推進機構協会代表理事、お茶の水女子大学特任講師

清家 篤   慶應義塾長

萩原 なつ子 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授

秦  由美子 広島大学高等教育研究開発センター教授

濱田 純一  東京大学総長

藤沢 久美 シンクタンク・ソフィアバンク代表

船橋 力 株式会社ウィル・シード代表取締役会長、学校法人河合塾顧問

宮城 治男 NPO法人ETIC.代表理事

山内 進   一橋大学長

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