海外ギャップイヤー事情 米国編:「USニュースに"医科大学院入学前にギャップイヤーを成功させよう"という記事!」の巻![]()
USニュースに「医科大学院入学前にギャップイヤーを成功させよう」という興味深い記事が掲載されていた。書いたのは、現在大学病院で助教をしている女医だ。まず米国の医学部について仕組みを知る必要がある。米国では、Medical School (メディカルスクール)と呼称されている。
日本の学部としての"医学部"とは違い、大学院から始まる専門職大学院。つまり、大学を卒業した学士が入学する。だから、医学部というより医科大学院が正しいだろう。医科大学院は4年間で、1~2年次が基礎医学・応用医学。3~4年次に病院実習(Clerkship, Rotation)となる。卒業と同時にMDを取得、研修医(Residency)へと移行する。
医学生や研修医にとって、ワークライフバランスを保つことは、米国でもほとんど不可能とのことだ。しかし、ギャップイヤーを取った場合、これは普通は大学学部卒業と医科大学院入学の間に行うのだが、医師になるための終わりの見えない勉強を始める前の恰好の"充電"期間になる。
メディカルスクールへの新入生にとって、ギャップイヤーは、自分が踏み出そうとしている医学に対する意思を固めるための時間になる。一旦入学してしまったら、時間は自分のものではなくなり、医師になるために犠牲を強いられる。
誕生パーティ、結婚式、卒業式さえ行けなくなるくらい、休みもない。医学の教育と卒業後の研修はどれも集中を要する。心臓の病理生理学の講義ノートを何度も復習したり、患者を二重、三重にチェックするため遅くまで病院に残ったり、医師としての成功の土台となる忍耐力を培うのだ。
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だから、ギャップイヤーの間は楽しんでほしいと女医は失敗例を語る。医科大学院に出願し、休息を取る以外、ギャップイヤーの計画を立てなかった。結果として、小売業で働いたり科学の勉強をしたりした。そこでの仕事は得るものがあまりなく、だから医科大学院に行こうという意を強くしたという。
「あの時に戻れるとしたら、自分の今後の勉強にもっと役立つよう、前もって自分の場所を見つけるような一年にするだろう」と反芻(はんすう)する。
「自分の視野を広げ社会に貢献できるような、わくわくする挑戦のためにギャップイヤーを使い、時間があったら何がしたいか、自分の得意なことは何か、考えよう」と呼びかける。
自分が好きなことと得意なことの共通点を見つけたら、メンターや応援してくれる人達のリストを書きだそう。彼らとお茶を飲みに行き、その人の最初の仕事やどのようにキャリアを始めたのかについて尋ねましょう。今後の可能性や目標作りを手伝ってくれるような手立てがないか、話してみよう。
そして学部在学中に大学の相談員に話を聞くこともできる。フルブライトやローズ、ピース・コープの奨学金も探してみましょうと問いかける。
もし、医科大学院合格しているなら、ギャップイヤーでは、いつもやってみたいと思ってきたことをやってみよう。トライアスロンのトレーニングや調理師見習い、映画スタジオでのアシスタントなどでもよい。
入学許可がまだないい場合(日本なら浪人?)、時間は賢く使わなくてはいけない。製薬業界、基礎科学や臨床研究、ボランティアなど・・・病院、オフィス、診療所でのボランティアは、保健医療について実際に理解するのに有効だ 。
医療秘書になるのも、医学用語に親しみ、救急医師について習うことができ、重要度の高い活動が出来る。
ギャップイヤーをやろうと思っているなら、その冒険から得るものは沢山ある。卒業後すぐに医科大学院に入りたくてたまらないなら、ギャップイヤーをする必要はない。
ギャップイヤーをする・しないは自分自身で決めることで、自分にとっての最善を選べる人は自分しかいない。だから、本当の自分に適した決断をしましょうと締めくくる。
(文・吉武くらら @ドイツ、JGAP総研客員研究員)
※「海外ギャップイヤー事情」90超記事の一覧リスト(右ナビ)→http://japangap.jp/info/cat44/

