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海外ギャップイヤー事情 英国編:「ギャップイヤーの旅があなたのキャリアを高める5つの方法!」の巻
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 英国に、grads.co.ukという大卒者向けの就職情報・インターン等キャリア情報サイトがある。そのサイトに、「ギャップイヤーがキャリアを高める5つの方法」という記事が掲出されている。

 最近の英国の若者の多くは、景気低迷の中、キャリアの階段を上るには、大学卒業後出来るだけ早く仕事を始めないといけないと焦っているが、はたしてそうだろうかと問いかける。ギャップイヤーは、必要な資金を貯めれば誰もが実行可能だし、豊かな経験は、企業に興味を持ってもらえるような履歴書作りにつながる。そこで、ギャップイヤーが将来のキャリアを高める方法を以下5つのキーワードを使用し、解説している。


1) 自己発見
 新たな目的意識と、自分のやってきた大きな旅行の、誰にも彼にも話したくなるようなネタ話を携えて帰ってきた人を多く見てきている。それを聞くのはうんざりもするが、彼らが語るのには理由がある。世界を旅して異なる文化や慣習を経験することは物の見方に大きく影響を与え、将来のキャリアとそれに対する感じ方も変わるのだ。例えば、アフリカを旅し、ストリートチルドレンをなんとかしなければと思うことで、帰国後の就職活動での志望分野が社会貢献事業になるなど。自分とはまったく違う生き方をしている人たちと共に過ごすことは、将来成し遂げたい目標を考え直し、帰国しキャリアを築き始める際の自分の関心を絞ることにつながる。


2) 新たな情熱を持つ
 ギャップイヤーをしていなかったらやってみようと思わなかったことでも、旅行によって機会が生まれることがある。就職してしばらくは、自分に良い印象を持ってもらおうとすると、毎日疲れるし、時間を取られて自分のやりたい事をできる時間も減ってしまう。ギャップイヤーで旅行の間は、自分の時間を自分の好きなことのために費やせる。写真についてもっと勉強してみたいと思っていたら、旅行中は、生き生きした被写体を見つけて写真に打ち込むことができる。大学でレポートを書くのが楽しかったら、旅行の記録を残すためにブログを始めてみるなど。旅行中に世界の色々な料理に目覚めたら、将来は調理師だ。れらの新しい技術は履歴書を飾るだけではない。その情熱が自分の天職へと導くことだってある。


3)計画と準備
 企業の採用側の人間が探しているのは計画・準備する能力に秀でた人材で、旅行経験ほどこれらの能力をよく示すものは他にないではないか。目的地にたどり着くために必要な能力は準備をするスキルだけではない。どこに行くか、日程、お金、そしてそこに到着した後に何をするか段取りをつける能力も必要だ。旅行は自由なものだとは言っても、一か所に滞在できる時間は限られているから、うまく計画を立てないとそこでの時間を最大限充実させることはできない。これらの能力はどんな仕事にも活かせるし旅行は自分の計画能力がうまく働いたかそうでないかを、採用担当者に向かって効果的な実例として示してくれる。(考えてみると、日本では、旅の効用や旅で生まれるスキル向上を認めなさすぎ?)


4)話のタネを持つ
 面接に行くのはドキドキするものだが、面接は、面接先の会社に合っているか見定められる場であるのと同時に、会社が自分に合っているかを見定めるための場である。履歴書にギャップイヤーについて書いてあったら面接で話のタネにしやすいし、ギャップイヤーで得た考え方は、人柄や面接先にマッチしているかを判断するための大きな情報となる。企業は履歴書を見て、時間を創って冒険に出かけ、豊かな人生経験を重ねた事を高く評価するだろう。面接官が同じ場所を訪れたことがある可能性も高く、共通の話題にもなるだろう。


5)人生は短い
 旅行をしてわかる大きなことは、自分のやりたくもないことに時間を奪われるには、人生は短すぎるということだ。自分の文化とまったく異なった文化を経験することで独自の人生観を持つようになり、自分の人生を豊かにする新しい方法を見つけた人々のキャリアも必然的に違ったものになっていく。もし将来何をやりたいのかはっきり分からず、新しい経験を求めているなら、ギャップイヤーという選択肢が一番よいはずだ。


(文・吉武くらら @ドイツ、JGAP総研客員研究員)

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