ギャップイヤー・ジャパンからのニュース・お知らせ

IMG_20220506_182919.jpg5/13(金)21〜22時 Clubhouse「誹謗中傷を根絶しよう」共和国#10 事前資料

 世間の話題や最新ニュースからヒントを得て皆さんと共に誹謗中傷について考えたいと思います。

誹謗中傷の根絶には、「制度(法律や行政、NPO等)、啓発、ケア(心の持ち方)」の三位一体が大事だと、これまでの9回のルームで明らかになってきたように思います。

さて、社会問題化しているネット上の誹謗中傷についてですが、裁判例や体験などを共有するサイト「TOMARIGI(トマリギ)」を、群馬県出身のウェブサービスクリエーター、関口舞さんらが立ち上げられました。公開から約3カ月、徐々にユーザーに浸透しはじめ、被害に悩む人たちへの支援に繋がってきました。本日は、そんな話題も共有して参ります。

制度については、今年3月、ネット上の誹謗中傷への対応策として、「侮辱罪」厳罰化についての改正案が閣議決定しました。ネットで中傷を受けたプロレスラー木村花さんが、2020年5月に自死した問題を契機に進んだ動きで、現在、衆院で審議されており、メディアやSNS等でも賛否さまざまな意見が寄せられている。

尚、反対派からは、「言論統制」「表現の自由が奪われる」といった声も聞かれる。

1.侮辱罪厳罰化、懲役刑も ネット中傷に歯止め―法制審諮問へ

政府は3月8日の閣議で、社会問題となっているインターネット上の誹謗中傷を抑止するための「侮辱罪」厳罰化や、懲役刑と禁錮刑を一本化した「拘禁刑」の創設を盛り込んだ刑法など関連法の改正案を決定した。民事裁判の手続きを全面IT化する民事訴訟法改正案も併せて決定した。いずれも今国会中の成立を目指す。

 侮辱罪の現行法定刑は「拘留または科料」。改正案はこれを「1年以下の懲役もしくは禁錮、30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料」とする。これにより、公訴時効は1年から3年に延びる。施行は公布から20日後を予定している。

 拘留は1日以上30日未満、刑事施設に拘置する刑で、科料は1000円以上1万円未満を強制徴収するもの。「3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金」としている名誉毀損(きそん)罪に準じた扱いとする。ネットで中傷を受けたプロレスラー木村花さん(当時22歳)が自ら命を絶った問題を契機に厳罰化の動きが進んだ。現在は衆院法務委員会で審議されており、4月26日には響子さんも参考人として意見陳述を行っている。

(参考)
①日本の科料はたった9千円の現状
「二度とテレビに出るな」、「早く消えてくれ」、「いつ死ぬの?」。フジテレビの人気リアリティー番組『テラスハウス』に出演していた木村花さんは、2020年5月に自死したが、翌2021年、母・響子さんの訴えによりこれらのリプライを書き込んだ大阪の20代男性、福井県の30代男性に略式命令が下ったが、その科料がわずか9千円だった。被害者は普通の生活ができないほど心を壊されるのに、加害者が支払う代償はあまりに軽い。

②ドイツでは、SNS事業者に68億円の科料
ドイツで、SNSにおける法執行を改善するための法律が制定、運用開始されたのは2018年。違法と思われる投稿の削除、苦情受付サイトの設置などを義務づける「SNS対策法」というものだ。登録者200万人以上の営利的SNS事業者に課せられたこの法では、苦情が寄せられたコンテンツを審査し、明らかに違法なものは削除。また、コンテンツ自体にアクセス制限がかけられる。年間100件以上の苦情報告を受けたSNS事業者は、これをどう処理したかを半年ごとに報告書を作成し公表。これら義務を十分に行ってないと認められた場合は、最高5000万ユーロ(約68億円)が科せられることになる。

 刑罰が軽い、SNS事業者が対策を講じない...その結果、ツイッター社への民間の情報開示請求が2年連続最多という、日本のSNSの暗部がわかるデータも報告されている。


2.総務省「インターネット上の 誹謗ひぼう 中傷に関するアンケート調査結果」公表

 調査によると、過去1年間でSNSを利用した人の8・9%が誹謗中傷の被害経験があると回答。

 調査は3月、ネットを通じて国内の15歳~99歳の男女2000人を対象に実施。
 被害経験があると回答した人は、20歳代が16・4%で最多、15~19歳が10・9%、30歳代が10・7%で続いた。50歳代は8・7%、60歳代以上は4・0%にとどまり、ネットに慣れ親しむ若い世代で割合が高かった。

 インターネットで誹謗中傷に関する投稿を目撃したことがあると回答した利用者は、全体で50・1%。目撃したことがあるサービス(複数回答)では、ツイッターが52・6%で最も高く、匿名掲示板「2ちゃんねる」などの掲示板サービスが39・7%、「ヤフー コメント」が32・0%などとなっている。

 不適切な投稿を見つけた場合、利用者が事業者に対して申告・報告を行える仕組みがあることについては、計7割近くが「知らなかった」「方法がわからなかった」と答え、利用者の認知度が低い実態が浮き彫りとなった。

3.5チャンネル内で、障害者に対する心無い言葉で、訴訟に
群馬県前橋市を相手に24時間の重度訪問介護などを求める行政訴訟を起こした身体障害者の男性(47)=同市=が10日、提訴後にインターネット上で「ゴミ」「死んでいい」などの誹謗(ひぼう)中傷を受けたとして、掲示板サイトの運営会社に発信者情報開示を命じる仮処分を東京地裁に申し立てたと発表した。投稿者を特定し、損害賠償請求を目指す。

 男性は、骨が変形する病によって左手がわずかに動かせるだけで、障害者総合支援法の区分は最重度の6。自立した生活が常に難しく、ヘルパーの介護を必要としている。


4.「国籍によるヘイトがなくなってほしい」ウクライナ侵攻の影響で"誹謗中傷"...ロシア人YouTuber ナスチャさんの訴え

「今、普段の動画を投稿すると、ロシア人という理由で『仕事や趣味を楽しむな』『心がない』『呑気だ』等の指摘を頂きます。ウクライナへの問題が起きてから、国籍によるヘイトが増えてきて私だけではなく、一般のロシア人の方々にも、そういったいわれのない誹謗中傷のコメントが来ている方もいます」

ウクライナ出身の父を持つナスチャさんは2017年に来日。現在はYouTubeへの動画投稿に加え、日本に住む外国人向けのライブ配信サービス「おむすびチャンネル」のアンバサダーとしても活動している。

 そんな彼女のもとにも、軍事侵攻が始まって以降、悪意ある声が届くようになる。

「自粛しろ。ロシア人は心がない」
「こんなことしてるならロシアに帰ったら」
「国の声それは市民の声」
「ロシア人だからロシア人も悪い」

国籍によるヘイトが寄せられる。

 「国家」と「国民」を一括りにされ、「ロシア人だから」といわれのない誹謗中傷。軍事侵攻が続く中、自身の仕事であるYouTubeでの活動を控えるべきなのか。

「誹謗中傷や国籍によるヘイトがなくなってほしい。国家と市民のすみわけをしてほしい。世界の情勢に関しては、早く平和が訪れてほしい」

5.誹謗中傷の悩みを考えるサイト「TOMARIGI(トマリギ)」誕生!
社会問題化しているインターネット上の誹謗(ひぼう)中傷について裁判例や体験などを共有するサイト「TOMARIGI(トマリギ)」を、群馬県出身のウェブサービスクリエーター、関口舞さんらが立ち上げた。公開から約3カ月、徐々にユーザーに浸透しはじめ、被害に悩む人たちへの支援に繋がってきた。
トマリギのサイト

【アーカイブ】
1.ネットと人権〜最近の調査研究から(鳥取県人権文化センター)

鳥取県人権センターのサイト
インターネットの特徴
①容易性 嘘や間違った情報も不用意に
②匿名性 無責任な発言、誹謗中傷に繋がりがち
③拡散性 別サイトやコピー、転載しやすい
④持続性 デジタルタトゥー

2020年 BIGROBE調査「コロナ時代のストレス調査」
①対象が嫌でがまんならない  33.3%
②日常のストレスのはけ口  23.3%
③対象に嫉妬 23.3%
④されたから、仕返し 20.0%
⑤かまってほしかった 20.0%
次にヒマ、面白いからに続く。 

2.「誹謗中傷の先にあるもの」(グリー対談)
グリーのサイト

小木曽:私は「ロジカルな慰め」が必要だと思っていて、ネットで寄せられる批判、攻撃は全体意見じゃない、何とも思っていない人、あなたの意見に同意している人は、わざわざそれをネットに書かない。世間の大多数はそんなことを思っていない、見えないだけ。そこは伝えたいんです。でも...

山口:そうですね。その理屈で理解したところで、当然ですが辛い気持ちが残る。私の研究でも、ネット炎上1件につき誹謗中傷しているのは、平均してネットユーザー全体の0.0015%に過ぎないという結果が出ており、全体意見じゃないのは事実です。でもだからと言って気にしなくていいよね、とは言えません。自分がやられたらどう感じる?という当たり前の想像力がもっと必要です。

小木曽:それって「道徳」そのものですよね。強制もできない、個人差もある...

山口:私たちの社会は 1対数千、1対数万 というコミュニケーションを想定しないままネット時代に突入してしまった。今や人類総メディア時代です。誹謗中傷については、行政や企業、NPOなどの各種相談窓口もあって、相談するだけでも少しは楽になりますが、受け皿のキャパシティにも限界があります。だれもが想像力を働かせる、ということが重要になるんです。

◎グリーの学校向け「情報モラル教材」
グリーは、実際に起こったネット炎上事件の事例からインターネット上での発言やふるまいについて学べる青少年の情報モラル・インターネットリテラシーの向上と、情報教育の支援を目的とした情報モラル教材を作成。2013年度に配布を開始した教材は、「第9回消費者教育教材資料表彰」の優秀賞を受賞、その中から特別賞に選ば出。青少年の将来に禍根を残す炎上事件を防ぎ、インターネットをより正しく活用できるよう、情報モラル学習の一助となればと作成。

3.警視庁のサイト
「誹謗中傷、個人情報の流布」


4.総務省は、#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃ、SNSじゃない!)をスローガンに、SNS上の誹謗中傷対策に取組み中
総務省サイト

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5.弁護士による誹謗中傷の論点
誹謗中傷とは?弁護士が解説する誹謗中傷の具体例5つ
宮本健太弁護士


◎誹謗中傷の具体例

1.真実でない犯罪歴
2.容姿や性格の罵倒
3.「○す!」等の脅し
4.プライバシー権の侵害 私事の公開も
5.販売商品・商材を悪口

◎刑事責任
1.名誉毀損
2.侮辱罪
3.信用毀損罪、業務妨害罪
4.脅迫罪
5.強要罪

◎民事責任
1.損害賠償
2.名誉回復措置 eg.謝罪広告

弁護士サイト


※以下参考データ〈再掲〉


「インターネット上の誹謗中傷の実態」(山口真一、総務省 2021年4月)

①2020年5月の木村花さんが亡くなる事件が発生、ネット上の誹謗中傷・非難に耐え切れなかったと推察される。
②新型コロナで自粛が進む中、4月のネット炎上件数は、前年同月比で72件から245件と3.4倍
③増加の理由は、「SNSの利用時間の増加から不快に感じる情報機会が増え、書き込む頻度が高まった」と「社会全体がストレス・不安を抱え、不安を解消して心を満たそうとするから。叩くことで、快楽物質のドーパミンが出る」
④ネットは極端な意見が表出しやすい。例:憲法改正は社会に14%いかいないが、ネットでは46%。
⑤炎上参加者は多くない。過去1年に炎上参加した人は、約0.5%。1件あたりを推計すると0.0015%(7万人に1人)。上杉隆氏のブログ炎上で、700以上のコメントがついたが、IPを調べたらわずか4人だった。
⑥炎上参加者の属性は「特別な人」ではない。世帯収入が高く。主任・係長以上の役職が31%、一般社員30%、無職・主婦・バイト・学生が30%、個人事業主9%。
⑦書き込む動機は「正義感」(どの炎上でも60~70%)。社会的正義でなく、各人が持っている価値観での正義感で裁いている(私刑)。多くの人は「誹謗中傷を書いている」と気付いていない。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000745067.pdf

「誹謗中傷でどんな罪になる?!」(あまた法律事務所)
https://amata-lawoffice.com/deletion-request/slandering-on-the-net/

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2022/1/8 #6簡単メモ&まとめ(参加者80名)

1.うわさのメカニズムについて
引き算の原理 A (理解に必要な情報の総量)-B(得られた情報)=C(理解に不足する情報)  D(これまでに持っていた知識、経験、感情、欲求)
C+D=E(うわさ)

2.言い返す技術 五百田達成著
うわさ話ばかりするやつには「バカなフリ」でずっとボケる

3.情報とは何か?情報とはすべてゆがんでいるもので事実は多面的に見ること立場、角度、目で見た事を確認する

4.聞こえないふりをするが、子どもに対しては対応する

5.経験談
カモフラージュするために別の噂を流すは良い事ですか?
自分の悪い噂を消すために別の噂を流された事がある

7.直感力が強くて、言わなくとも現象を理解して味方になってくれる人がいる

8.アメリカのバスの中
トランプ大統領が選ばれた頃にヘイトスピーチが蔓延しており、バスの中の張り紙にヘイトスピーチの対処法が書いてあった。
ヘイトスピーチの対象になっている人の守り方は、ヘイトスピーチを言っている人の目を見ない、無視をして、加害者と被害者の間に入り被害者の方とまるで友達であるかのように話し続ける。彼女と仲良くしているとそのうち加害者の人は諦めて立ち去る。