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「病気の子どもと家族のための"滞在型アミューズメント施設"Give Kids The World Villageでの活動報告 ~ Where Happiness Inspires Hope ~」(大分大学医学部医学科・2012年度 BADO! 世界を旅するチェンジメーカー奨学生   堀米 顕久) 堀米さんアイスクリームハウス.JPG


JGAPをご覧の皆さま、こんにちは。

 8月に「フロンティア・フォーラム」欄にエッセイを寄稿させていただきました、世界を旅するチェンジメーカー奨学生の堀米顕久と申します。

 病気や障がいを抱える子どもたちの居場所づくりを模索し、国内に引続き現在は海外の医療施設や福祉施設等の視察・ボランティアの旅を続けていますが、この度、この旅の主目的地のひとつでもあった、フロリダにある病気の子どもとその家族のための施設「ギブ・キッズ・ザ・ワールド・ビレッジ」(Give Kids The World Village)にボランティアに入ってきました。
 あまりにも感銘を受け、またぜひ日本の皆さまにも知っていただきたいと思いましたので、こちらにご報告させていただきます。

病気の子どもと家族のための想像を超える規模・内容の"滞在型アミューズメント施設"
 ギブ・キッズ・ザ・ワールド・ビレッジ(Give Kids The World Village)は、Life Threatening Disease(生命を脅かす病気)を抱えた子どもとその家族が、つらい日常を忘れて、子どもが子どもらしく、家族が家族らしく幸せな時間を過ごすためにつくられた施設で、アメリカ合衆国フロリダ州オーランドの南に位置するキシミー(Kissimmee)に、1989年にオープンしました。
病気の子どもとその家族は、園内の別荘に1週間滞在しながら、園内の施設で遊んだり、園内のイベントに参加したり、あるいは周辺のテーマパーク(ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート、ユニバーサル・オーランド・リゾート)に遊びに行くことができます。

 これまで私は、日本国内の「病気の子どもを対象とした子ども野外キャンプ」ではボランティア経験があったのですが、ここはキャンプではなく、言うなれば「滞在型アミューズメント施設」です。今回私は数日間、このギブ・キッズ・ザ・ワールド・ビレッジのボランティアとして、各種イベントの準備・運営や、園内施設利用の補助に当たらせていただきましたが、施設内容もその規模も、すべてが私の想像を超えたものでした。


圧倒的な規模とホスピタリティ
 園内には、メリーゴーランドや劇場、プールにアスレチック広場など、子どもたちが楽しめる、でもこれまで病気のために中々遊ぶことができなかったかもしれない施設がたくさんあります。
同時に、毎日園内で様々な子ども・家族参加型のイベントが開催されていて、常に訪問家族を退屈させない配慮がなされています。
(もちろん家族がゆっくり過ごしたければ、滞在している別荘や施設内の芝生広場などでのんびりと過ごすこともできます)

 また、訪問家族の交通費、あるいは1週間滞在している間の別荘での宿泊・園内での食事・アクティビティ等々はすべて寄付でまかなわれるので、来園した家族は全てを無料で楽しむことができます。周辺のテーマパークについても、来園初日に無料フリーパスを受け取り、いつでも行きたい時に行くことができます。

 一度に園内に滞在できる家族は200家族以上。施設は年中365日毎日オープンしており、家族が来やすい夏休み等のピーク時には合計で1000人を超える方々が滞在されるそうです。
一方で、施設を運営しているのは100人強のスタッフに加えて、毎日250人以上が集まるボランティアです。年中オープンしていて、毎日それだけの数のボランティアが集まるという非営利組織・施設を、私はこれまで日本で聞いたことがありません。


ボランティアの役割について
 ボランティアの人数を聞くと、少し過剰なようにも思われるかもしれませんが、レストランでの食事、遊具やプール等の施設利用、イベントの実施、送迎...滞在中の家族のために行われるありとあらゆることが、ボランティアたちのマンパワーによって回っています。
 それぞれのボランティアの役割は細かく区分されており、各ボランティアは、ボランティア・サービス課(ボランティアの受け入れ・シフトを決めている部署)から指示されたその日の自分のシフトに従って、活動を行うことになります。

  例えば、私が携わらせていただいた役割としては、夜のイベントでのフェイスペインティングや、あるいはレストランでの配膳サービスなどを担当させていただきました。
フェイスペインティングでは、子どもたちは顔や腕に思い思いの動物やキャラクターを描いてほしいとせがんできます。彼らはひょっとしたら生まれて初めてかもしれないフェイスペインティングをすることによって、また周りも皆が顔に様々な絵を描いてもらっているという状況によって、「ここはあの辛い日常とは違う場所なんだ」「ここでは普段とは違うことができるんだ」という安心感や満足感を得るとともに、ここでの非日常の世界に夢中になることができるのかもしれません。

 イベント実施中に限らず、園内ではどこでも、常に笑顔でやさしいオーラをまとったスタッフ・ボランティアが家族の快適な滞在のために気を配っています(でも決して家族の大切な時間を奪ってしまわないよう、でしゃばり過ぎずに待機しています)。

 そんな風に、ここのすべては病気を抱える子どもとその家族のためだけにありました。


「彼らのためだけの施設」であるという意味
 園内に入れるのは、滞在を許された家族とスタッフ・ボランティアだけで、それ以外の人は入ることができません。つまり滞在中は、周りには自分たちを当たり前に受け入れてくれる人たちと、自分たちと同じような境遇の家族しかいません。そしてそのことが、ここを家族にとって安らげる場所にしているそうです。

"Nobody stares at them here. They feel like they belong for the first time."
(ここでは誰も、彼らのことをじろじろ見たりしない。彼らはここで初めて、belong(あるべきところにある・ふさわしい場所・「居場所」にいる)を感じることができる)

 長い闘病生活の中で、子どもは子どもらしく遊ぶことができず、家族も家族として過ごせるべき時間を過ごせずにいました。家族が共に過ごせる時間が残りわずかだとしても、残りわずかだからこそ、「家族が家族らしく」平穏に過ごせる時間が必要なのだと思います。

"The Village's goal is to give these children and their families one week of peace, of hope, of joy. A week where they can get away from doctors and bills and stress to just enjoy one another and remember what it's like to be a family again."
(ギブ・キッズ・ザ・ワールド・ビレッジのゴールは、ここに来た子どもと家族に、一週間の平和と、希望と、楽しみを提供すること。一週間の間、彼らは医者や請求書やストレスから解放されてただただ楽しみ、家族とは何であったかをもう一度思い出すことができる)

"Being here taught us we can still be a family. We were able to change our outlook of life."
(ここに来て、「私たちはまだ家族なんだ」ってことを教えられたの。私たちは、私たちの人生の見方を変えることができたわ) -小児がんの子どもと共に来園した母親-

 開園から20年以上。ギブ・キッズ・ザ・ワールド・ビレッジはこれまで、アメリカ全50州はもちろんのこと、世界70ヶ国以上から、計11万5000を超える家族を迎え入れてきました。そして今も組織は成長を続け、病気の子どもとその家族の夢を叶え続けています。

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 以上、簡単ですがご報告になります。

 ボランティア中の感想や、写真・動画については、当方のブログ上に掲載しておりますので、ご興味のある方はそちらもご覧いただければ幸いです。
(参考:http://ameblo.jp/mylifeasapig/entry-11374085379.html

 また、もし本記事をお読みになりご質問等ございましたら、わかる範囲で私もお答えいたしますので、気兼ねなくご連絡をいただければと思います。

連絡先: akihisa.tabi●gmail.com  ← ●を@に変更してください


プロフィール
 2007年北海道大学農学部卒。有機農業2年・大手銀行勤務5年(札幌・鹿児島・福岡)を経て、現在は大分大学医学部医学科に在籍。銀行員時代の 2008年、難病の子どもを対象とした子ども野外キャンプ(そらぷちキッズキャンプ)に参加しキャンプリーダーを務める。以降、同キャンプの参加を続ける 中で医学の道を志し、2011年10月に銀行を退職し大分大学医学部に編入学。2012年4月から1年間休学し、日本中・世界中にある病気の子ども向け野 外体験施設・医療施設・福祉施設等の視察・ボランティアの旅に出る。また旅に際して、BADO株式会社から「世界を旅するチェンジメーカー奨学生」として 支援を受ける。将来は小児科医として働くとともに、病気の子どもを対象とした野外キャンプの実施や、子どもたちの居場所づくりについて模索中。

「フロンティア・フォーラム」欄No.80:「子ども×自然×医療:銀行員は医師を目指して"旅人"になる」寄稿
http://japangap.jp/essay/2012/08/-2012-bado.html

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