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ガザ空爆中のイスラエルに滞在中の私が感じること、伝えたいこと~テルアビブ滞在中ヨッシーさん写真.jpg


9月10日にイスラエルに入国してから2ヶ月が過ぎました。現在は、テルアビブにある友人宅に滞在しています。すでに日本でも、今回のイスラエル軍によるガザ空爆がかなり話題になってきました。日本だと、イスラエルやパレスチナに対する情報が少ないので、こういう事態が起こると「戦争勃発」「子供が犠牲に」「パレスチナ虐殺」などの言葉とともに、目も当てられないような写真がニュースやフェイスブック、ツイッターなどで流れてきて、余計に「これは危険だ!ひどい!」という感情をあおります。

たかが2ヶ月間イスラエルに滞在しただけで、歴史なんて把握できないし、「これはこういうことです。あれはこうです」みたいなことを言える立場でもないですが、やっぱり現地で感じる空気と、日本にいる人が感じている空気は違うだろうなと思います。イスラエル軍は「弱いものいじめ」をしている もちろん、現在イスラエル軍がパレスチナ(ガザ地区)に対して行っていることは酷いことです。まさに「弱いものいじめ」状態です。でも、じゃあイスラエル側が全面的に悪いのか?と言われると、私はわかりません。

 パレスチナとの間に"分離壁"ができる前は、アラブ系テロリストによる自爆テロで、たくさんのイスラエル人が犠牲になった時期もありました。当時を思うと、ほんとに生きた心地がしなかったろうなと思います。この状況がいま、ガザ地区で起こってるんだろうと思います。 個人的な視点でみると、今のイスラエルとパレスチナとの争いには「妥協点」が見つかりません。お互いの政府が「そっちがその気ならこっちも」と喧嘩を売りあっています。ただ、軍事力でみるとイスラエルが圧倒的に強いので、パレスチナは他国(エジプト、レバノンなど)の力を借りるしかありません。

 被害に遭った子供や住民の写真をニュースやソーシャルメディアで流して、世界に同情してもらうしかありません。ソーシャルメディアで流れてくる写真は、一部シリアでの内戦のものを使っているとの情報もあるので、全てを鵜呑みにするのはどうかと個人的に思っています。そういった写真はインパクトが絶大な分、「うわ、ひどい...」という感情以降は思考停止してしまうこともあります。

 イスラエル側からしたら、「これはシリアの写真を悪用している!」という情報を信じたいでしょうし、パレスチナ側からしたら猛反論したいだろうと思います。お互いのサイドで「信じたいもの」が異なっているので、どちらかが「お互い平和条約を結びましょう」とでも言わない限り終わりが見えないです。そして、これはイスラエルが言うべき言葉だろうと思います。

 現地での生活 最後に、自分の安全の身についてですが、時々ミサイル警報が鳴るのを除いて、別状変わりない日常です。カフェに行ったら、みんな笑って会話してるし、バーに行けばバンドが演奏してます。そもそも、イスラエルの建物はこういった状況を前提に建てられているらしいので丈夫だし、核シェルターもあります。

 ガザ地区から飛んでくるミサイルは、「アイアンドーム」と呼ばれる最先端の機械が撃ち落としています。これは、すごい守られている感があります。

 パリ行きのチケットを今月の24日に予約しているので、状況が悪化しなければそれまで滞在するつもりです。基本的には、「こうなったらあそこに行きなさい」「こうなったらこう避難しなさい」みたいなマニュアルがあるので、どうすればわかる分冷静でいられます。

 もし、核シェルターやアイアンドームがなかったら、被害はもっと広がっていただろうし、おそらく即効でパリに飛んでいただろうと思います。家族や友人が「気をつけてな」と心配するのは当然だろうし、もし自分が逆の立場だったら「すぐ出国したほうがいいよ!」とか言ってるかもしれません。そういう意味ではすごく感謝しています。

 ただ、自分は現地でイスラエル人から話を聞いて、ミサイル警報で避難も経験した上で、「即パリ行き」までする必要はないと思っています。こればっかりは「信じて」としか言いようがないです。もし、いまイスラエルにいる日本人が自分一人だったら考え方も変わりますが、寿司レストランに行ったら日本人の職人さんが働いてるし、他にもたくさんの日本人が暮らしています。

  パレスチナ問題は、世界中の様々な問題に繋がっているので、これが解決すれば、世界が一歩「平和」に近づくはずです。でも、イスラエルは相手を制圧することしか考えていない印象なので、「現状維持」か「悪化」のどちらかしか見えません。様々なパレスチナ問題が積もり積もっていつか爆発する日が来るんだろうかと。鍋の中でものすごく沸騰しているのはわかっているのに蓋を開けたくない、そんな状態です。今回のガザ空爆が「爆発する日」でないことを祈ります。

江里 祥和 @イスラエル=世界一周中
フロンティアフォーラム欄寄稿No.90:「日本ではリスクが高い"ギャップイヤー"について思うこと」
http://japangap.jp/essay/2012/10/post-33.html
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