ギャップイヤー・ジャパンからのニュース・お知らせ

中国ギャップイヤー1.jpg海外ギャップイヤー事情 中国編:「作家・孫東純氏の"海外ボランティア体験記録" 『遅刻のギャップイヤー』がベストセラーで大ブレイクで、若者が興味津々!」の巻

  中国でも、若者を中心にギャップイヤーに関心が持たれ始めていることは、9月15日のこの欄でも「お堅い国営テレビ『中国中央電視台』が、英語討論番組『Crossover』でギャップイヤーをテーマに30分議論」として紹介していた。(参考: http://japangap.jp/info/2012/09/-crossover.html

 今度は、多言語で対外放送を行う中国・国家ラジオ局China Radio International(略称:CRI)の日本語放送でも、旬な話題として、「チャイナライフ」という番組で、ギャップイヤー(中国語:間隔年)が取り上げられた。

 今回の番組は、作家・孫東純氏が13ヶ月間、タイ・ラオス・インド等でNGO活動に参加した"海外ボランティア体験"を扱ったドキュメンタリー「遅刻のギャップイヤー」がベストセラーとなり、若者に人気となっていることが発端だ。書名の「遅刻」の意味は、当初2万元(約26万円)を携えて3ヶ月の予定だったものが、1年近く延長になったので、「遅刻の」と付け加えたようだ。

 現在、中国では、ボランティアやアルバイトで一緒に旅を続ける"ギャップイヤー仲間"を探すサイトまで登場したという。また、番組内では、今回も日本の動向としてJGAPが紹介されている。

 2010年の「中国都市部サラリーマン健康白書」によると、都市部で暮らしている76%は「亜健康状態」、つまり「病気と健康の間」と"不健康"であることや、北京や上海では、6割以上の若いサラリーマンは過労で、ストレス発散に9割以上が「自然豊かなところへ旅行」を選んでいることと、この「ギャップイヤー人気」が関係あるのではと考察している。

 また、 世界のギャップイヤー事情として、オーストラリアが、世界19の国・地域(ベルギー、カナダ、中国の香港と台湾、キプロス、日本、韓国、オランダ、イタリア、イギリス等)と"ギャップイヤー互恵協定"(仕事バケーションビザ、18-30歳)を結んで、貯金証明があれば、最長1年間の短期アルバイトが許可されていたり、オランダでは半年ギャップイヤーが多く奨学金が得られることや、デンマークでは09年から政府が"ギャップイヤー学生"数を制限していて、就職促進のため、学生が卒業してから早く就職することが推奨され、ギャップイヤーを諦めた学生に一定額の手当てを与える措置があることも紹介されている。

 「ギャップイヤーには新しい体験を積むというだけではなく、外から自分の国を見つめなおすと言う側面もある」「ギャップイヤーにチャレンジするには、勇気やチャレンジ精神のほか、体力や物質面の準備、困難への覚悟などが欠かせない」と結んでいる。

 韓国では大統領府のエリート官僚4人が今年2月に「ギャップイヤー社会起業」を立ち上げており、東大が来年4月から新1年生が30人規模で奨学金付のギャップイヤー制度を利用できることから、人材育成の視点で、"日韓中"のギャップイヤーの動きが加速していると観ることができる。(BLOGOS:社会的課題にチャレンジする若者養成をミッションとした"ギャップイヤー社会起業"が英国と韓国で誕生! http://blogos.com/article/48801/

参考:CRIの日本語ラジオ放送「ギャップイヤーが人気!」(音楽含め25分):http://japanese.cri.cn/918/2012/12/06/181s201891.htm