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井本かおりの最新"英国ギャップイヤー"情報:「これまでのMy記事を総括して考えた~社会体験(ボランティアや課外留学や旅)や就業体験を評価する文化がそこにある」の巻


「社会体験(ボランティアや課外留学や旅)や就業体験を評価する文化がそこにある~英国のギャップイヤーの目的とその成果」


 イギリスではギャップイヤーシステムが何十年も前から定着している。
毎年高校卒業生の約10%が一年間(厳密には9ヶ月から14ヶ月)のギャップイヤーを取り、その期間自己啓発、人間形成、そして異文化を経験するために費やされる。

 大学側や企業側としてもギャップイヤー経験者を評価する傾向にある。なぜならば一年間という長い休みを有意義に計画的に過ごすことにより、多くのメリットが学生生活や就労生活に反映されることが実証されているからである。そして何より、社会体験(ボランティアや課外留学や旅)や就業体験を社会が当然のように評価する文化がある。

 ただし大学の専攻が数学、物理、医学、建築学科への進学を予定する学生においてはギャップイヤーを取る事が比較的少ないと、インペリアル大学生物学教授のレロイ氏は言う。

 その理由としては集中力の散漫、公式や知識の低下、それに医学・薬学部や建築学科の経済的な負担がが挙げられる。

 そしてギャップイヤーを取る学生のメリットとしては、自己の自立や自信につながるとブリストル大学在学中のマホアジさん(20歳)は言う。

 彼女がギャップイヤーで経験したアフリカ・ガーナのHIV(エイズ)病棟でのインターンは、人生において大変得難い貴重な経験であったと語る。

 さて、それでは受け皿である企業側の評価はどうなのか、CLSA(クレディリヨネ;アジア系金融)で長年リクルートに関わるウォーリー氏に話を聞いてみた。

 ウォーリー氏によると、「ギャップイヤー経験者は、自信があり自己本位ではなく、グローバルで自立し、臨機応変で就労環境に馴染みやすく協調性がある」と言う。

 また、イギリス系財閥で香港を拠点とするスワイヤーグループのスワイヤー氏は、グローバル人材をリクルートする上で大変重要視される"異文化の理解力"やコミュニケーションが彼らの逸材であると強調する。

 例えば、毎年1000人以上の中から5~6人の経営陣を選考するに当たり、面接中に面接官とギャップイヤーの話で盛り上がり就職が内定した例もあったと言う。

 ただし、最近多くのギャップイヤーエージェントが主催するホリデーキャンプ的な企画では、大部分をお膳立てされてしまう事により折角のチャンスがいかされず、考える力を養うという本来の意図から逸脱されてしまうこともあると懸念する。

ギャップイヤーが普及するイギリス、受け皿でもある大学側の理解や企業側の期待もある中、この一年をいかに有意義に、そして自分の将来に結び付けるか、そしてギャップイヤーをいかに時間効率よく計画的に利用するかが学生の今後の課題であると思われる。

 最後にAAM(アバディーンアセットマネージメント、ペンションファンド部長)のデラフォース氏は、「ギャップイヤー制度利用の片鱗として学生には是非ともボランティアーやチャリティーを経験してもらいたい。そして行先のコミュニティーに何らかの寄与を施すことも忘れないでほしい。」と語っている。


※これまでの3記事
http://japangap.jp/info/cat46/

関連記事:海外ギャップイヤー事情(43記事)
http://japangap.jp/info/cat44/

井本さんご本人写真.JPGのサムネール画像

井本かおり
JGAPギャップイヤー総研客員研究員(ロンドン駐在)

香港、パリを経て、英国在住23年目。
Rugby校在学中の次男が2013年にギャップイヤー予定。

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