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JGAP寄稿者短信:「人生に誠実であること。」(小谷篤信、米国・ブラウン大学2年)小谷篤信さん写真.jpeg


「朝のリレー」

カムチャツカの若者が
きりんの夢をみているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝返りをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする

この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている


ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交代で地球を守る

寝る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルがなってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ


***


谷川俊太郎さんのこの詩が頭から離れない小谷です。

昔のNESCAFEのCMでこの詩が使われていました。
https://www.youtube.com/watch?v=zdamOuoDuDc

***


冬休み日本に帰ってきているのですが、今回の休みは幾分いつもに比べて有意義です。

なぜか、といわれると、
ちょっとずつ色んなことに気付き始めたからです。


まず最初に始めたこと。

毎日の自分にとって本当に無駄な時間をリストアップする。


移動の時間--バス・電車の中
携帯をいじっている時間
SNSを見ている時間
こたつでごろごろしている時間
一人でごはんを食べている時間
テレビで特に見たくもない番組をみている時間
人を待っている時間
マッサージを受けている時間
お風呂にはいっている時間
朝ふとんの中でゴロゴロしている時間
夜寝る前の数分間
その他諸々


全部合わせると一体何時間になるんでしょうか。


ちょっとゾッとしますね。


...しませんか?


寝る時間がない。
勉強する時間がない。
本を読む時間がない。
趣味に費やす時間がない。


...本当に?


...本当に?


...本当に?


僕にとってそんなのはただの言い訳でした。

時間はあります。
ちゃんと、ありました。

(全然仲良くない高校の同級生がいきなりこの写真だけ送ってきた。何も言わず、写真だけ。)


最近気付いたんですけど、
地球上にはたくさんの生き物がいてたくさんの人が毎日生活しています。
ある人は裕福に生まれ、ある人は貧困に苦しんでいます。

不平等ですね、生まれながら。

でも平等に与えられたものもあるんですね。

1秒の長さです。

1秒の長さは一緒です。

...多分。

1秒、は誰にとっても1秒です。


確かに1秒を短く感じるか、長く感じるか、それは人によって異なります。
同じ人でも瞬間瞬間で異なります。

記憶の中で1秒がスローモーションみたいに引き延ばされることもあります。


でも、1秒は、ちゃんと(きっと)1秒です。

時間を無駄にすることはなにも間違えていません。

時間を無駄にできるのならば、それに越したことはないのかもしれません。


でも、少なくとも僕にとって、

時間を無駄にすることは、自分の人生をフルに使わないことだな、って思います。


もしかしたら、あの大学に僕/私はいけるかもしれない。

もしかしたら、あの職場で僕/私は働けるかもしれない。

もしかしたら、オリンピックに僕/私は出られるかもしれない。


ってね。

オリンピックは無理だよ、って言う人もいるかもしれないけれど、そんなのわかんない。

「自分なら絶対にできる」

そう自分が信じてあげないで、一体誰に信じてもらうっていうんだ。

***


例えば、ブラウン大学に行きたい、という高校生がいるとします。

でも今自分は高2であと1年しか準備期間がありません。どうしたらいいでしょう。


1年やって合格するなんて保証はどこにもないけれど
それは1年間やれるだけのことを全てやってからでもいいんじゃないか、と思う。

毎日5時に起きて勉強を始めることだってできる。
睡眠時間を削ることだってできる。
通学時間、リスニングを聞きながら一人でブツブツ、シャドーウィングだってできる。
携帯もガラケーにすればいい。SNSなんておさらばだ。
英語の先生を文字通り捕まえて、毎日何時間でも英語教えてもらえることだって。

やってみたらできるかもしれないことを、やる前から諦めるな。

まぁ、最初は絶対上手くいかない。効率なんてすぐあがるもんじゃない。

でもそれに悔しいと思って。不甲斐ない自分に涙して、唇に血を滲ませて。


それで1年間努力すればいい。
自分ができる全てをかけて努力すればいい。

課外活動にも全力で取り組めばいい。
何を課外活動でやればいいかわからないんだったら、あがけばいい。
留学したいと思っている同じ境遇の高校生と一緒になにか課外活動やればいいじゃないか。
それこそブラ熊でも誰でも利用すればいい。
「他のブラ熊読者のみなさん!僕/私、こういうことやりたいんですけど、一緒にどうですか?」
おもしろかったら俺も手伝うし、手伝いたいと思う。

でもわからないから、教えてください、はまだちょっと早すぎる。
わからなくないって。考えて考えて、なにもわからない辛さの中に答えはある。


ちなみに僕はブラウンには合格しましたけれど、他の大学にはいくつも落ちました。
全部受けて全部合格ってわけじゃないです。

それは他の誰のせいでもなく、僕の責任です。

僕が甘かったから、もっと頑張れたのに怠惰に過ごしたから、受からなかった。

ブラウンに怠惰だったのに入れたわけじゃないです。
ある部分では妥協しなかった、そこをブラウンが評価してくれただけ。


でも、もっともっと努力できた。SATとかTOEFLとか満点とるくらい勉強すればよかった。
「これくらいでいいか」と甘えた。今となっては考えられないこと。甘い。


そんな甘さは、人生に失礼だった。


残りの人生を考えて、焦る、のはもうやめました。

なにかモノを生み出さないと、だとか。
もっと早く有名にならないと、だとか。

まわりの若い起業家とか、有名人をみて、今までそう思っていました。

でも、僕は彼らになりたいわけじゃない。

学生起業家の彼になりたいわけじゃない。

有名人の彼になりたいわけじゃない。


僕は「他の誰か」になんかになりたくなんかない。

自分の人生を全うする。
ただ、それだけだ。


ビルゲイツもスティーブジョブスもマークザッカーバーグも結構。

ホリエモンも三木谷さんも柳井さんも結構。

たっくさん有名人、だれでも結構。


彼らの本を読んで、実際に会ったりもして、話を聞いたり、色々して。

それでなんだっていうんだ?

彼らになりたいの?


逆に、彼らでいいの?
○○になりたい!っていう限界を自分に課していいの?

もっと馬鹿みたいに自分の、自分だけにしか
生きられない人生、生きればいいじゃん。

恐れることなんかない。胸はってやれ。
やれるだけのことを全てやる人生に恥じることなんて何一つないんだから。


自分の人生に誠実であること。

それが、今、小谷の全てです。

さて、oFやりますか。皆さんよいお年を。

エッセイ集 フロンティア・フォーラム寄稿 No.145 「 人生よ、ドラマチックであれ。」(小谷篤信さん、 米国・ブラウン大学2年)
http://japangap.jp/essay/2013/11/post-60.html

2014年1月15日(水)18時~ JGAPエッセイ"フロンティア・フォーラム欄"オフ会 「米国・ブラウン大学 小谷篤信さんを囲む会」
http://japangap.jp/info/2013/12/11518jgap.html

ブログ ブラウンのl熊たち:http://ameblo.jp/brownujapan/