海外ギャップイヤー事情 英国編:「海外ギャップイヤー体験をどう履歴書に盛り込めればよいか!」の巻![]()
「gap year cv」とググると、なんと530万件も!
英国を代表する高級紙「ガーディアン」に、「あなたの海外経験をどうに履歴書に盛り込むか(International experience on your CV)」という記事が出た。
この記事は当然ながら、本格的な社会体験や就業体験を意味するギャップイヤーを念頭に置いたものだ。グーグルで「gap year cv」と入れると、なんと530万件を超えるリストがアップされる。日本語で「就職 履歴書」と入れるとやはり500万件が出てくるが、それほど、「ギャップイヤーと履歴書」の関連性は高い。
海外での就労は個人の資質的にも職業的にも利点がある。様々な責任を負い、新しいスキルを身につけていくことによって幅広い経験を養い、自国に戻ってきた時には職業の選択が広がる。「ニュージーランドには小規模ビジネスがたくさんあり、英国に留まっているよりもニュージーランドでは幅広い就労経験を積むことになるでしょう」とImmigration NZ(ニュージーランド移民局)もコメントしている。
海外で生活し働くことの難しさ(例えば、役所での手続きや、異なる就労習慣を受け入れ、家族や友達等のサポートなしに暮らしていくこと等)を克服していくことで、臨機応変にそして柔軟に対応していく能力を養っていける。そして異文化を体験し、外国語を学ぶことは、就職する際に、ターゲット企業に対し、より市場価値のあるな存在になるだろう。
イギリス最大手のギャップイヤーの旅行会社"Real Gap"もコメントしている。
「これまでの経験で、企業はギャップイヤー、あるいはキャリア・ブレイク(次の就職まで社会体験で力を蓄えること)を取得する人物に対して好ましい印象を持つが、そう考える企業は増加中だ。旅や新しい方向性や文化を探求するために休暇をとることによって、自分のソフトスキルや、休暇から戻ってきた時に職場に移行しやすい技術(能力)を伸ばすことになるだろう。例えばリーダーシップ、チーム形成力、予算交渉力、交渉力、又、意志決定力や忍耐力もそうだろう。
また企業は、ぬるま湯的な国内から自ら脱出することにも好印象をもつ。特に旅行中に仕事やボランティアをやり、あるいは色々なことに挑戦しそれを乗り越えていたらその印象はさらによいだろう。」
「個人的見解だが、ギャップイヤーで得る体験によって、人はより"おとな"になり、適応能力が高くなる。海外で就労経験のある人は、新しい職場の状況やシステムにさらされても、職場でちゃんと対応し、将来入社する企業にとってとても魅力的な人物になる。」とTourism Australia(オーストラリア政府観光局)も付言する。
海外での体験を最大限に利用して
どのような仕事をしようと、海外体験を最大限に活用することが肝要だ。「将来働きたいと思う業界の仕事に重点をおいたギャップイヤーは、その業界の企業にとても魅力的に映る。だからどのようにギャップイヤーを過ごそうか決めている時には、このことを念頭におくとよい。ギャップイヤーのような体験は自分の雇用可能性に大きな効果を与えるだろうが、どのように時間を使ったかにもよる。働きたい業界でどのようなスキル(技術)を身につけていくことが重要であるかを考えることが大事だ。
そして一旦そのスキルを見極めたら(入社想定企業は、スキル開発を応援してくれる便利な資産ともいえる)、どのような機会があるのか色々調べるための時間を割くことだ。この機会を通してこれらのスキルを広げて、また伸ばしていくことができる。
もし仮に、就労体験が将来の職業と何の関係がない先としても、募集書類を強化できるよい機会を見つけられるだろう。海外での経験を仕事の足がかりとしてみなし、新しい仕事の環境を切り開いていき、会社に対して決定的な違いをみせる方法を探す。業績と成功を記録し、自分が求職している仕事にもっとも関連したものを選ぶために、日常の尺度を使うのだ。
そして伸ばしてきた全てのスキルや個人の特性(柔軟性や打たれ強さ)を見極めて、履歴書に書いたらよい。その際は具体的な例を出してそれらを説明し、カバーレターに書くか、面接の時に伝えることだ。例えば、英語圏外の国に行っていたとしたら、強調できることの一つに新しい言葉を流暢に話せることがあげられる。新しい言語を習得する過程で様々な努力をし、現地の文化に慣れ親しむようにし、ひいては言語的、また精神的な機敏さはもちろん、忍耐力、決断力を伸ばしてきたことを説明できる。
この記事で興味深いのは、海外で英語を教える場合に、必要な新しいスキル(能力)を3点挙げていることだ。
①計画を練ったり、組織化するスキルを伸ばす(どこで教えるかにもよるが、何もないステージから授業を計画したり、グループやクラスルームを組織したり・・・)
②コミュニケーション能力を伸ばす(英語が母語であに人との会話は、言葉を言い換えたり、明確にしたり、もっとも重要な点をフォーカスし、あいまいな表現を除き、単純で明瞭なことから複雑な思考を学ぶ必要がある)
③障害を乗り越え、想定外のことに対処することを学び、すなわち課題解決するにあたって柔軟性と創造力を大いに養うだろう。(教える教材が手に入らないかもしれないし、突然機械が壊れることもある。そのような時は自分で決断する必要がある)
また、履歴書記載について、具体的なアドバイスも3点挙げている。
①他の仕事の経験と同じように、海外での否定的な側面、例えば仕事を頻繁に転職していたようなことについては控えめに扱うようにしたほうがよい。履歴書に全ての職歴を事細かに書く必要はない。今、自分が志願している仕事に適した職歴や、顕著な貢献をしたことだけを選んで書けばよい。あるいは"海外経験"と題して日付と共に、もっとも興味を引きそうな会社名と役職を明記すればいい。もしかなりの数の職場を経験しているなら、これはとてもいい考えだろう。決して職場を転々と替わった印象(job-hopper)や、仕事がどれも短期のものであった印象を与えることがないようにしなさい。
②どの職業に向けて履歴書を使用するつもりでいるか把握する。総務部で働き、関連する職務を果たせることはその他の部門でも役に立てるかもしれない。総務職は規則的であり、コミュニケーション能力に長け、チームワークができ、正確で細部への配慮ができる等、他の仕事でも役に立つ能力を要することを見落とさないように。
③志願している仕事によって履歴書の構成も考える。そして、希望している中で一番関連性のある仕事を強調すること。れまでの主な業績をあげて(3年間の海外での就労経験や旅も書き入れたり)、しかもそれが採用企業にどのような利益をもたらせたのか、また自分個人としてどう成長したのかを記述すること(Careerscoach採用情報コーチ談)。
要約すると、「履歴書、カバーレター、また面接でこの体験を表現するに一番良い方法は、置かれていた立場のなかで、担っていた責任を強調することがよいだろう、またこの期間に成し遂げた業績(例として、フィードバックから受けた評価、受け持った責任のレベル、履行したトレーニング等)も、もちろん明記することがよいだろう。
採用企業や採用担当者は、典型的にはギャップイヤー経験者の能力を高いか低いか特定し評価するが、その関心のある企業にとって大事なスキルかどうか振り返る。そして、将来関わりそうなプロジェクトを上手に選択し、未来の応募書類のために、ギャップイヤー時期に、それらのスキルを伸ばし、その経験を記録することだ。
また、推薦状をもらっておき、必要なら翻訳しておくこと。あなたの身元照会先が具体的なスキル(能力)とあなたが企業にもたらした利益に焦点を宛てて書いてくれれば、なおよし。
もし対象にしている業界と離れていて、有効にネットワークを築くことが難しい場合には、現在の活動状況や進展を知らせ続けること。つねに新聞や業界誌を通じて英国(自国)で何が起こっているのか連絡を取り合うことも大事。
最後に、新しい文化を体験することを通じて職業的にも個人的にも成長してきた間に、友達や家族や同僚が日々の生活に忙しくて、仮に自分の海外での経験に対して無関心になってしまったように感じても、そのことによって自分の達成してきたことがちっぽけなものに感じてしまわないようにしすることだ。1年以上も自国から離れていたとしたら、むしろ本国に戻って元の生活に適応できるような期間を準備し、逆カルチャー・ショックに備えたほうがよい。
文・JGAPギャップイヤー総研客員研究員 余田有子
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2013年1月9日付 なんと、大学院が「ギャップイヤー・プログラム」を創った?!~ "起業家精神と経営管理の"ギャップイヤー修了書"が授与される南ア・有力大学院1年専修コースが出現-JGAP代表ブログ
http://japangap.jp/blog/2013/01/-httpkodamayusukewordpresscom20121207efbc91efbc99e6adb3e381aee88ba5e3818de8b5b7e6a5ade5aeb6e38081e4b.html
※「海外ギャップイヤー事情」100超記事の一覧リスト(右ナビ)→http://japangap.jp/info/cat44/

