海外ギャップイヤー事情 米国編:「ギャップイヤーは今後、"Applied Discovery Year(実用的自己発見イヤー)"と呼ぼう!」の巻![]()
デブ・ミルズ・スコフィールド(Deb Mills-Scofield)という姓名の米国の女性戦略コンサルのブログ(ツイッターのフォロワーは2万2千人超)は、人気が高い。そのブログで、ギャップイヤーについて彼女が言及している。
「生涯学習とギャップイヤー」という言葉は矛盾をはらんでいる。もし、本当に生涯学習を信じているならば、ギャップイヤーは決して「ギャップ(空白、隙間)」ではない、むしろ他の言葉を用いるべきだと言う。
ギャップイヤーという言葉は「生涯学習」という概念と少し矛盾しないだろうか? 特に私達の人生における学習のほとんどは経験に基づくもので、学校の授業に基づくものではない。今後、「ギャップイヤー」と呼称せずに、「Applied Discovery Year(実用的な発見イヤー)」と呼んではどうだろうかというのが彼女の主張だ。
正直に言って、高校卒業と同時にそのまま大学に進学する学生のほとんどは自分で自分の責任がもてないし、指示されたもの以外に興味があることを探索する機会もない。
ハイティーンの世代が感情・精神・知性を形成していく中で、生まれ育った家庭にあるセーフティ・ネットから世界への活動は、大きな転換点になる。仲間や教授から多くのことを学ぶ時期であり、親の価値観やモラルから徐々に発展し自分自身のものを持つようになる。感情を自分でコントロールすることを学び、より深いシステム思考を発展させる時期である。もしかしたら、初めて様々な物と出会う時期で(違うタイプの人、考え方、経験、文化など)、自分達が育ったなじみ深い世界へ後戻りできない。
今、「Applied Discovery Year(実用的な自己発見イヤー)」の概念が勢いをつけている。NPOで良質のギャップイヤー・プログラムを提供している「Thinking Beyond Boarders(直訳:境界超え思考)」のサイトでは、世界各地のしっかりとしたカリキュラム・プログラムを通して学生達が学び、一生懸命働き、そして他の人の暮らしを良くする機会を提供している。
一方、「The Experience Institute(直訳:経験機関)」という団体は、ビジネスやテクノロジー、デザインや社会起業家などの革新的な事業体と組んで、実習生制度をベースにした学びの環境を提供する組織だ(1年で約130万円の費用がかかる)。
「Applied Discovery Year」の概念は大学での体験学習の一部になってきていて、学生達はどのように学ぶか、またなぜ学ぶか、そして授業で教えられたことが実際の世界で通用するのかどうかを学ぶようになる。
「Applied Discovery Year」は学生達に本当に必要な休息と大局観を与え、大学入学まで続いたストレスの多い、かごの中をぐるぐる走り続けるネズミのような単調な生活から離れて充電をし、そして自分自身への関心以外の何かに集中することができるようになる。また人生の中で初めて、誰かに指示されるのではなく、自分のプランを立てる時でもある。人生は、幼稚園から高校卒業までの13年間と違って、詳細な指示をしてくれる明瞭な道ではないのだから。
「Applied Discovery Year」は、指示・命令されることから自分で発見するように促してくれる。きっとこれらの学生達は、大学生活から次のキャリアへの移行期に誰よりもうまく乗り切れるだろう。
米国の教育システムに変化が求められているように、K-16+(幼稚園から高校卒業、そして高等教育を含む一貫した教育システム)は、その形態、タイプ、カリキュラムも同じように変わることが必要とされている。
それは、「ギャップイヤー」ではなく、「Applied Discovery Year(実用的な自己発見イヤー)」であり、ほとんど生涯学習と言ってよい。簡潔でシンプルな教育、行動と生きることによって得られる教育なのだ。
彼女は声高に言う。「ギャップイヤーと呼ぶのをやめようではありませんか!」
文・JGAPギャップイヤー総研客員研究員 余田有子
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http://japangap.jp/blog/2013/01/-httpkodamayusukewordpresscom20121207efbc91efbc99e6adb3e381aee88ba5e3818de8b5b7e6a5ade5aeb6e38081e4b.html
※「海外ギャップイヤー事情」100超記事の一覧リスト(右ナビ)→http://japangap.jp/info/cat44/

