ギャップイヤー・ジャパンからのニュース・お知らせ

JGAP寄稿者短信:「移民、難民の生活をサポートするNYの無料英語教室 」(檜垣賢一、学習院大学3年=米国NY州立大学オールバニ校留学中)檜山さん5月1.jpg


やはり、移民の国「アメリカ」!
 移民や難民の方が多く参加しているNYの無料英語教室を訪問しました。この英語教室は、21歳以上で英語が母語ではない人であれば誰でも参加することが可能で、実質 移民や難民の方がメインとなっています。教室は行政支出により予算が賄われており、30人近くのノンネイティブスピーカーが2つのクラスで週4(月曜-木曜)に2時間半(9:15-11:40)のレッスンを受けています。

 アメリカといえば、移民の国というイメージを持っている方も多いかもしれません。事実、政府公式の統計によると右肩上がりに毎年移民が増えており(年間4000万人(2010年)) 、それに合わせ人口も絶え間なく増加しています。

 もちろんすべての移民が英語をしゃべることができるわけではありません。だからこその工夫も多くあり、今回の英語教室もその1例です。実際、僕も留学という形ではあるが、1年近くアメリカで暮らし、いわば移民の擬似体験をしたわけですが、新しい環境への戸惑い、文化の違い、そして何よりも語学の壁、つまり伝えたいことが頭の中でははっきりあるのに言葉にできないもどかしさに苦しみました。
檜山さん5月2.jpg
 年を重ねれば重ねるほど、新しい環境に溶け込むことが難しくなるということは想像するに難しくないかと思われます。この教室で学ばれている方にお話を伺ってみると、よりよい給料や平和な生活など夢を持って渡米してきたと方が多いものの、現実の生活では語学の壁にぶつかり苦労することもあるとの話をされていました。
檜山さん5月3.jpg
 また僕の感想ですが、アメリカは移民大国とはいえ、移民の人は普段の生活ではマイノリティーとなってしまいます。英語教室を通して、同じような境遇にいる人と関わりをもつことによって、「自分だけではないんだ!」と思ったり、生活上での悩みなどを相談できる仲間を作ることができ、心の支えになっているのではないかという印象を持ちました。
檜山さん5月5.jpg
 移民や難民をただ受け入れてしまえばいいというわけではない。日本が人口減少社会に突入し、地方が消滅の危機に直面しているなか、移民受け入れの話題も耳にする機会が増えてきているように感じますが、上記で述べたように受け入れるのであればそれなりのサポートの必要があるということを身を以て感じています。この点で、今回訪問した英語教室は行政支出により経費が賄われていることからもアメリカという国がどれほど移民の受け入れに積極的であるかということを暗に感じ取ることができました。
檜山さん5月4.jpg

( 日中両方で育ち日本語を第二外国語として学び、現在その経験を活かすためにこの教室でお手伝いをしている Fuminaさんに紹介して頂きました。)


(関連記事)
JGAPエッセイ集 フロンティア・フォーラム「道がないところに道を作る。」(檜垣賢一さん、学習院大学3年=米国NY州立大学オールバニ校留学中)
http://japangap.jp/essay/2014/11/3-5.html

Website「多様性の中の共存を目指して。」:http://www.kenichihigaki.com/

1月22日付JGAP寄稿者短信:「すべての人にとって住みやすい街を目指して~バリアフリー社会 北欧フィンランド・ヘルシンキ」 http://japangap.jp/info/2015/01/jgap3-4.html

ブログ「井の中の蛙、大海を知る。」
→[http://www.kenichihigaki.com/#!blog/c831]