代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「道がないところに道を作る。」檜垣賢一.jpgのサムネール画像


檜垣賢一
(学習院大学3年、米国NY州立大学オールバニ校留学中)


はじめまして。

政治学科の大学生です。現在、多様性の街ニューヨークの大学に留学しています。

今回、自身が大学院進学の前に、自分探しの期間として1年間ほど留学を決意したいきさつに焦点を当てて文章を書いてみようと思います。

自分の目指したい進路が見つからず悩んでいる方にぜひとも読んでいただければと思います。


僕は学習院大学政治学科特別選抜コースに所属しております。

その特別選抜コースでは、条件を満たせば、大学を3年卒業することが可能で、またもし望めば大学院への無試験進学も保証されています。

自身もそのコースに所属した当初はそうするつもりでいましたし、3年生の1学期の時点でその条件を十分クリアしていました。

しかし、僕は進路を決めかねていました。

というのも、自分が大学院で何を勉強したいのかが定かではなかったことが1点、また日本国内に進学したい学びの場を見つけ出すことができなかったからです。


学習院の政治学科は、英語名にすると"Political Studies"とあるように、実は"Political Science"ではないのです。つまり、ある特定の学問に専念する学部ではなく、政治に関わる遍く学問分野(政治学、行政学、社会学、国際政治学、公共哲学、地方政治など)を学ぶことが可能な、いわば社会科学部のような特徴を持っていました。


おかげさまで、一流の教授の下で政治にまつわる様々な知見を得て、政治を多角的に捉える視座を得ることができました。

その一方で、前述したように大学院進学を決意する際、自分がそこで何を学びたいのか、何を研究したいのか、やはり明確ではなかったのです。

残された選択肢として、①とりあえず無試験で大学院へ進学する、②大学院試験を受け、できるだけ名が通った大学院へ進学する、③3年卒業を諦めて、もう一年大学で過ごし自分探しをする、の3つがありました。

しかし、僕は最終的にはそのどれも選択せず、もう1つの新たな選択肢を選ぶことにしたのです。それが留学という選択肢です。

①の選択肢は、大学院という場所はたった2年間しかないのに、何を学びたいかハッキリしない中で同じ大学の院では、学部の延長(大学4年生、5年生...のように)となりかねないと考え、棄却しました。
②の選択肢は、あまりにモチベーションが低かったのです。自分が心から望んだ目標ではない限り、本気で努力することは難しいものです。
③の選択肢は、すでに卒業単位をほぼ取り終えている上に、履修したいと思っていた授業はほとんど取り終わっていたため、その環境下で同じ学費を払い時間を費やすのはもったいないと判断しました。

そこで僕が出した結論は、1年間「学部留学(注1)」をするという選択肢です。この留学は、正確な定義の上でのギャップイヤーではありませんが、自分探しとしての位置付けであることには間違いありません。1年間かけて、英語力を磨きつつ、海外の大学院も視野に、自分の進路を考えることが目的です。

留学をして3ヶ月が経ちましたが、早くも当初の目的は達成しつつあります。この留学を決意する際は、とても勇気が必要でしたが、今振り返るとこの選択は正しかったように思います。

道がないところに道を作る作業はとても大変です。気が遠くなるような作業です。

そして、その行き着く先に自分が目指している目的地に本当に到着できるのかも良く分かりません。

不安はいつもつきまとっています。これまでに作ってきた道が長くなればなるほど、その分不安も大きくなっているように思います。

僕ももう21歳です。世間からは まだ若いから羨ましいとよく言われますが、僕の中ではもうかつてほど若くはないし、焦りを感じるほどです。

そして、人生はとても短いのです。だからこそ、自分の進む道はできる限り自分にとって満足できる形で歩んでいきたいと感じるのは誰もが同じでしょう。

自分が進むべき道が分からなくなった際、むやみに前へ進もうとするのではなく、一度時間をかけて自分としっかり向き合うという作業は大事なように思います。

僕の場合は、幸運にも目指している先の目的地がハッキリしています。
それは、政治家として多様性が認められた社会を実現させることです。

これからもその目標を胸に、自分の進むべき道を定め、進んでいこうと思います。

(注1)「学部留学」とは、いわゆる認定留学。海外の大学で取得した単位を在籍大学である学習院大学の単位として編入する形の留学を指す。認定留学の場合、休学扱いにならないにもかかわらず、留学期間の学費は免除扱い。そのため、その免除となった学費を留学先の学費に充てられる。また学習院大学の留学奨学金も応募可能。交換留学ではないため、大学は自分で探すことになる。


プロフィール:
檜垣 賢一kenichi higaki
1993年山口県生まれ。
山口県で18年間暮らし、高校時代には生徒会長を経験。その後学習院大学に入学。政治学科特別選抜コースに在籍。現在、ニューヨーク州立大学オールバニ校(NY州都)に留学中(2015年5月まで)。多様性が認められた社会を実現させるために、政治家を志している。日本国内外に足を運び、さまざまな考え方や価値観さらにいろいろな生き方を含めて世界の多様性に触れている。

Website「多様性の中の共存を目指して。」:http://www.kenichihigaki.com/
Facebook: https://www.facebook.com/kenichihigaki0921
Twitter:@kenichihigaki
Email:gakkyi0921@gmail.com

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