桑原 淳(Jun Kuwabara)
旅人美容師
こんにちは。旅人で美容師のJUNと申します。
僕は世界各地で1000人の髪をカットするという目標を掲げ、旅をしています。
今回チャンスをいただきJGAPにエッセイを書かせていただくことになりました。
僕は今まで東京で美容師として働いていたのですが、1年前に小さめのバックパックに少しの荷物とハサミとカットクロスを詰め込み日本を飛び出しました。
何年も前からずっと夢見ていた「日本の外の世界」をこの目で、そして肌で感じるために。
その時に決めた1つの目標が「旅をしながら世界中で1000人の髪を切る」というものでした。
旅に出るまでは海外で誰かの髪を切ってる自分を想像することも難しかったし、なんとなく楽しくなるかな?とか、100人くらいカットしたらそれで十分すごいだろう(笑)くらいの軽い気持ちでした。
ですが、大きな病気やケガをすることもなく無事に旅をすることができ、今現在28ヶ国で850人以上の人々の髪をカットしました。
そんな中で1番思い出深い話を・・・。
カンボジアのシェムリアップという街を訪れた時、ひょんなことから孤児院にボランティアヘアカットに行くことになりました。
僕は子供たちへカットをしながら、中学生くらいの子には「将来何になりたいの?夢はある?」と聞いていました。
単純に子供たちがどう考えてるのか興味があったのです。
ほとんどの子が「観光ガイドになりたい」という中、ある男の子だけは「将来は医者になりたい!いろんな人を助けたいから。だから学校でも勉強を頑張っているんだ」と言っていました。
彼は孤児院にいる子供たちの中でずば抜けて英語が上手で、他にもフランス語も少し話せると言っていました。
実は彼は幼い頃に地雷で片足を失い、家もとても貧しいということもあり孤児院で生活しています。
片足を失うというハンデを背負い、さらに医者になるために必要なお金の工面など様々な障害がこれから先きっとあると思います。
そのことを理解しつつも夢に向かって勉強を頑張っている姿勢に、そして目を輝かせて夢を語る彼にとても刺激され、力をもらいました。
旅をしていなければ、髪を切っていなければ会うことがなかったこの少年のように、世界各地で素敵な出会いがありました。
それまでの人生では関わることなどなかったようないろんな人との出会いは、僕にいろんなことを感じさせてくれました。
もちろんいろんな絶景、美しい街並み、美味しいご飯を食べて感動することもありますが、こうして世界の様々な人々と関わることで感動したり、また新しい価値観やアイデアも生まれてきたりしました。
僕は将来的にこの経験をいかして、東京に外国人も来れる美容室をオープンさせたいと思っています。
日本語が話せなくても髪が切れる場所。
日本人と違う髪質の人でも安心してきてもらえる場所。
そして、いろんな日本人も髪を切らなくとも遊びにこれる場所。
そんな一風変わった美容室を作るのが今の僕の夢です。
その夢を叶えるためにも、いろんなスキルや知識が必要なので、今こうして旅をしながら世界のトレンドや人々の好み、髪質などを知れることはそういう意味ではすごくいい経験になっています。
最後に「僕が旅を続ける理由」
それはたくさんの"未知"を求めて。
世界各地で1000人の髪を切る旅はもうすぐ終わります。
ですが、それがゴールだとは思っていません。
いろんな価値観が存在する現代で、旅をすることに対しても、
遊びだという人もいれば人生勉強だという人もいます。
ですが僕はこの世に意味ないもの、無駄なものなんて一つもないと思っています。
旅をしたことで見つけることができたもの、出会うことができた人、今まで考えもしなかった事を考えること。
僕は旅をすることによって新たに得たものばかりでした。
この旅が終わっても、そして日本に帰ったとしても自分の知らない何かを求めてまた旅に出ると思いますし、どこにいたとしても自分の人生が旅そのものだと思っています。
プロフィール:
桑原 淳(Jun Kuwabara)、旅人美容師、26歳
ブログ「旅人美容師の1000人カット世界一周の旅」:http://junkuwabara0614.blog.fc2.com/
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【JGAPメモ】
以下のJunさんのブログ記事が話題となりました。まだ、お読みになっていない方はどうぞ!
「これに気づいていない日本人は永遠に英語を話せるようにはならない」
http://junkuwabara0614.blog.fc2.com/blog-entry-436.html