代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「新卒でアフリカ、ルワンダへ。全ての人にチャンスがある舞台を創る。」yabe.jpg


矢部寿明
慶應義塾大学商学部4年


 2016年4月27日。大学生5年目、卒業まで10か月。私は内定をもらっていた企業に断りの電話を入れた。別にどこか他会社から声が掛かったからでもなく、かといって自暴自棄に陥ったわけでもない。ただ夢を追うのに、それが最善ではないと判断しただけだった。


<国際開発の舞台へ>
 大学1年生の時、ユニセフの講演を聴いて途上国開発を知った。どうすればいいかわからず、悩み悩んで「この舞台で活躍するには最低限英語が必要」という真っ当な結論に辿り着いた。英語はできなかった。親戚家族に海外に関わりのある人間などもいなかったので、死に物狂いで1日10時間、1年勉強を続けてニューヨークの大学に編入合格した。学費が払えないと言われ交換留学に落ち着いたのだが、、

 アメリカでは国際開発の第一線にいる様々な人に話をきき、自分の進むべき道を見定めていった。特に、ユニセフの畠山さん。23歳から世界銀行、ユニセフでキャリアを積んできたこの人の話を聞いたときに、素直にかっこいいと思った。"国際開発に携わる上での夢は仕事がなくなること"。この時、どのアクターかわからないが国際開発の舞台で一生踊り狂っていきたいと強く感じたのだった。


〈アフリカでの決意 ~若年層の失業問題解決~〉
 留学から帰り、就活や欧米の大学院受験準備を進めつつ、アフリカでの金融包摂プロジェクトを実施しているアライアンスフォーラム財団でインターンを始めた。

 今年の2月から3月にかけて、そのプロジェクトで初めてアフリカを訪れ、兼ねてから強い関心のあったルワンダに赴いた。キガリを散策中、ある若い女性が偶然にも私に声をかけた。

「I WANT JOB、 NOT MONEY」

 衝撃的だった。お金じゃない。仕事がほしい。色々な国や場所で物乞われたことはあるが、仕事を乞われたのは生まれて初めての経験だった。調べてみるとアフリカやルワンダにおける若年層の雇用問題は根深く大きな障害だと理解できた。

 4月に入り、私は決心した。就職するのでもなく、欧米の大学院で学ぶわけでもない。二者択一に凝り固まっていた思考を少し自由にして、新たな選択をすることを。働く意欲があるにも関わらず仕事がない、大学までの教育を受けたにも関わらずまともな職につけない、そんな状況を変え彼/彼女らが輝くためのステージを創る。起業だ。


〈目指すべき世界〉
 高校から慶應で8年間過ごす中で、世界に対するある理想が芽生えていた。

誰にでも選択の機会が等しくある世界

 周りの友人に比べて我が家はなぜ、と狂言を吐くことも多々あったが、世の中的にみれば私はとても恵まれているのだ。翻ってアフリカ、途上国を見れば、選択の機会を得ていない人は五万といる。私よりも国際開発の舞台を目指すに相応しい人もたくさんいるだろう。ルワンダで物乞いをしてきた女性もその一人だ。ならば、そのような人々を支え、舞台へ飛び上がる手助けをできないだろうか。これからルワンダで創めるのは、そんなとてつもなく大きな理想への第一歩である。

 私にできるのか。そんなことを問うこと自体に意味はないように思う。大事なのは誰がではなく、何が成されるのかである。それが真に必要であるなら、私ではなく、これに流れができる。そのため私ができることはいくらでもあるはずだ。友人には見切り発車と言われ、親には呆れられてしまったが、決して独りでできるなどと自惚れてはいない。声が小さいだけで、同じ問題意識を持っている同志はたくさんいる。彼/彼女らと力を合わせていけばいい。私なんかよりも輝く人は星の数ほどいる。そういった人たちのために、私は舞台を創っていきたい。


 詳細な計画やルワンダ、アフリカに関心があるひと、一緒に考えてくれるひと、ご連絡いただければ嬉しい。

プロフィール:
矢部寿明
慶應義塾大学商学部4年。1993年生まれ、慶應義塾高等学校出身、大学3年時にアメリカのThe University of North Carolina at Chapel Hilへ交換留学。2017年3月の大学卒業後、ルワンダで起業するために準備をしている。

Twitter: @yabeeeee1207
Facebook; Toshiaki Yabe (https://www.facebook.com/toshiaki.yabe.77)
Blog: http://yabe.hatenablog.com/
CAMPFIRE: https://camp-fire.jp/projects/view/6519

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