代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「人と違うやりたいことをやる時の少し"しんどいこと"とその対策」(高木昭博さん、セームページリミテッド社長)高木さん.jpg


自分のやりたいことをやった時の失敗談やリスクを書く理由
 疲れで歯が2本ほど抜けそうなので、歯医者へ行ったら、アメリカ出張中に仮歯が取れるから、とりあえずキープしましょうということになった、高木昭博 33歳です。

バングラデシュと日本で2012年に法人設立して、IT企業の代表を務めさせて頂いてます。


さて、僕自身が書けるもの、そして大学生で進路を考えている人にとって役立つものは何かと考えました。


僕は、今までの人生でおおむね自分のやりたいことをしてきました。

今回は、その中で感じた"しんどいこと"を書くことで、読者の皆さんのお役に立てると思ったので、自分のやりたいことをやった時の失敗談やリスクを書くことに決めました。


そう決めた理由は、3点あります。

1. 僕の拙い人生経験から、人生に失敗は付き物だと思ってるからで、それを事前に認知することで、少しでも転んだ時の助けや転ばないようになればいいと思ってるからです。

2. 読者の中には、僕と同じような自分の軸が固まっていない方がいて、物事の背景に依存しないガイドラインのほうが有効だと考えています。そして、成功法則は、背景を含めて理解しないと活用できない事が多いですが、失敗は、そうでないケースが多いです。上記の考え方は、ドレイファスモデルでいう初級者に対する学習法です。興味がある方は、ぐぐってみてください。

3. 僕はなんとか会社を回している状態なので、成功しているとは全く言えないのですが、仮に(本当に仮に)僕のことを凄い事をしていると思っている人がいたとして、それが社会で言う成功(しつこいですが、つぶれない程度のスタートアップです)に当たるとしても、その成功法則を僕が書いた所で、手垢のついたものになるように思えたからです。僕の状況と皆さんの状況は、大きく違いますし、小さな違いも成功法則には影響すると思います。

上記の理由から、失敗をベースにエッセイを書こうと決めました。決めたと言っても、今もこれがベストの方法だと確信はないのですが・・・。


まずは、失敗を考える前に僕が何を成功と考えいているかですが、僕は、こころとそれの土台となる健康を大切にしていて、僕のこころをより良くしたい、より良いものを感じたいと思ってるので、優秀な人に機会が平等に与えれる世界にするというミッションを会社で掲げています。成功とは、そのミッションを達成することでもありますし、その過程でこころが心地よくなっていくのを感じることだと捉えてます。

それでは、本題の僕が経験した人生の辛かった失敗や、リスクを書いていきます。


20歳の頃、僕は広島県の小さなIT企業に務めていました。

入社して、3ヶ月ぐらいの時、飲み会の席で将来はアメリカへ行って勉強をしたいと上司に話したことがあります。

それが社長に回って次の日にクビになりました。

僕は広島県の地方都市に住んでいたので、東京の人とは少し感覚が違うと思いますが、周りの人が独立する事に、賛成でない人が多いです。また、自分の所属が変わることで、そういった人たちが離れて行くことが多かったです。僕の人格が未熟なのが大きく影響はしているとは、思いますが自分のやりたいことをする上で、別れてしまう人は、少ないながらいます。

1.今まで仲が良かった人に、自分のやりたいことが理解してもらえず、別れることになる。

次に、お笑い芸人の小藪さんもよく言ってますが、幸せな家族を作るために、芸人を辞めようと思ってた。サラリーマン以外の生き方を選ぶというのは、リターンが大きい分、短期の安定がないし、人と違うことやる上での不安は大きくなります。不安と合わせてしょいこむ責任も大きく感じます。

僕も義父に、嫁を大切にして欲しいと言われたことがあり、時に、事業のために家族を犠牲にしてしまうこともあります。


2. 家族に仕事、金銭、人と違う不安など諸々負担を掛けてしまう。

今も、疲れからか顔に帯状疱疹作りながら仕事してますが、経営者をしているときっちり休みというものがありません。人生に効率や時間のコストパフォーマンスを求めてたら、起業というのは、勝率が悪いと思います。

Paypalを作った、イーロン・マスクは、週100時間以上働けと言ってます。勝率を優先的に考えずそこまで没頭したいと思えるものかどうかが必要なんだと思います。


3. 時間を投資した分の成功する確率は、他の選択肢より低い。


そういった事に立ち向かうために、僕が使って役立ったチップスを以下紹介します。

合う人は一般に考えているより少ない!
1-a 今まで仲が良かった人に、自分のやりたいことが理解してもらえず、別れることになる。

僕の場合は、その人達の共通な価値観を探そうと試みたことも合ったんですが、上手く行きませんでした。

気質が合わない人には、合わなくても良いと割り切る事も必要かもしれません。そこにリソースを割くより、価値観の合う人を探すほうが効率的だと思います。

例えば、仕事やシェアハウスに住んでみるなどの環境を変える、新しいイベントに参加してみる、インターネットやSNSでいいと思う人にメッセージを送ってみるなどです。この文の最後に、僕が住んでいたシェアハウスのURL記載してますので、興味ある方は覗いて見て下さい。


ここで、躓きやすいのは短期間で思うように成果が出ない事があります。


僕自身が今までの人生で自分に合う人より合わない人のほうが多かったように、合う人というのは、一般的に考えられているより少ないかもしれません。


気長に、時には大量に行動して、見つかれば縁があったという気持ちで取り組むのが良いかと思います。

2-a. 家族に仕事、金銭、人と違う不安など諸々負担を掛けてしまう。

僕が使ってよかったのは、TQ(Time Quest)という本に書かれていた人生の価値観の優先順位を決めるミッションステートメントを作ったことでした。


自分にとって何が最も辛いのか、何が最も嬉しいのかを認識していることで、求めるものと犠牲とのバランスを取ることが少し優しくなります。


弊社のインターンで、中堅大学から、世界BIG4のコンサルファームに入る人がいるのですが、その人も自分の目標にコミットして、時には体調や友達、彼女を犠牲にしても目標を優先させていました。目標をシェアする機会を社内で設けていたので、それが有効だったと感じてます。


自分の価値観を明文化、発表することで、自分の本当にしたいことと2番目以降にしたいことのバランスが取りやすくなります。

3-a.時間を投資した分の成功する確率は、他の選択肢より低い。

これは、勿論しんどい時もありますが、裏を返せば好きなことをしてるので毎日が夏休みとも言えます。

ただ、健康を崩すと、物事がネガティブに見えるので、健康には意識的に注意する必要があります。

僕の場合は、空手をしていた時から、週1日は、神経を休める上で出来るだけ休日を設ける様に心がけてます。

前提として、僕の場合は、アトピーで脱薬をした時から、体質が変わって弱くなったこともありますので、みなさんの状況とは少し違うかもしれません。僕も健康だったら週7日働きたいと思ってたかもしれませんね。

失敗とリスクを減らすことに関して書きましたが、長期で見ると失敗が成功の元になっていることも本当に沢山あって、その場では分からないことも多いです。

大切なのは、失敗をした時は、物事を違う側面から立体的に見たり、反省だけに押しとどめておいて、後悔はしない方が良いということです。僕は小さい頃から物事を疑って見てきたので、それは良い意味でいえば、真実を人の意見に頼らず、物事を違う側面から見ようとしていたんだと思います。

読者の皆さんが、 未開拓の道を歩む時ほど、人とは違う失敗をする可能性が高くなります。

しかし、吉田松陰が言っていたように、「苦しみ悩み、全身で考え、体を潜らせたものでなければ役に立たない」と僕も思います。

今凄く苦しくても、その経験はもしかしたら30年後にも強烈な体験として残っていて、昨日のことの様に思い出せる大切なものになるかもしれません。


最後に、話はそれますが、インターンに応募してくる子でも社会のために何かしたいという人がいるので、そういう人が読んでいてくれるかもしれないので、僕にとって変えたい「世界」について感じたことを書きます。


僕自身が27歳ぐらいまでは、ずっと広島県福山市という地方都市に住んでいて、漠然と人のために何かをしたいと思って、バングラデシュやL.Aに行ったりして、今度シリコンバレーへ行くのですが、やるべきことは、以前とそんなに変わってないように感じてます。

それは、自分が見えるもの、感じれるもので、こころが喜んだり、傷んだりしてそれに対処して動いていて、その中で課題があって、解決したり、成長の喜びがあったりするのは昔と変わってないように思います。

昔は漠然と人の役に立ちたいと思っていましたが、僕は、優秀な人に機会が平等に与えれる世界にするというミッションも自分の為に行動しています。


もし、今進路を迷っている方が読んでたら、あなたが関わりたいと思っている世界は、どこなのかを考えてみるといいかもしれません。

安心を求めて、大企業へ行くのか、ビジネスで起業してみるのか、外国で異文化に触れながら生活するのかなどです。

例えば、大企業での世界とは、会社のブランドとかではなくて、どんな上司や同僚、友達とどんな事をするのかということです。給料は良いけど、ミッションがないかも知れない。自分以外でも出来る仕事かもしれない。人の役に立っていると感じれないかもしれない。勿論、僕も日本の大企業の仕組みは、誰が入っても上手く回るように出来てて、属人的ではないので良いシステムだと思ってます。ただ、違う側面で見ると属人的でなくても儲かるシステムは、人の成長を求めない側面もあります。


出来れば、決断する前にそれを1つ、もしくは複数あれば全部一度体験してみるのがおすすめです。


体験は色んな物を与えてくれます。先ほどのインターンの人も、社会貢献に関わりたいというのが応募動機でしたが、実際にバングラデシュのストリートチルドレンとゴミ拾いして、自分が求めているのとは違うことに気づきました。


結局の所、あなたの感じたい世界は、友達や先輩や両親ではなく、あなたが見ている世界にしかないのだから、惜しみなく体験することにトライすることが、より一層あなたを掘り下げる事に繋がると思います。


【追記】
SamePageでは、3ヶ月以上の日本、バングラデシュ長期インターンを募集しています。もし、御興味ある方いれば、下記の経歴を 読んでみて、一緒に働きたいと思えばご連絡下さい。


何で、僕がこころを大切にしているのか、今までの経験が大きく影響してると思いますので、下記に僕の人生の略歴をまとめました。

私が生まれたのが今から33年前の1982年8月20日でした。赤ん坊の頃から、アトピーと喘息で体は弱く、お母さんがアトピーで耳が千切れそうになってたと話していたのを覚えています。

幼少期の頃は、父親が年商40億程度の家電の卸会社をしており、母方の祖母も複数事業をしていたため裕福な家庭で育てられました。お手伝いさんもいて、よく広島市のデパートの福屋に連れて行ってもらったのを覚えています。


そんな中小学校へ入った辺りから、父の事業の状態が悪くなり、小学校5年生で、会社が倒産、自己破産をして、その後も人に返す借金などもあり、水道や電気が止められたりする環境になりました。


今でも覚えているのが、中学校のテニス部に入った時に父も喜んで、スーパーでラケットを買ってもらったんですが、それがたしか2,000円ぐらいで他の人が、部で共同で買う高いラケットを買う中、みんなと一人違うものを持って、少し恥ずかしかったのを覚えてます。


振り返ってお金がある時と無い時を経験して、父親の良い所だなと今になって思うのは、人間性は、お金のあるなしに左右されず変わらず荒んだりしなかったことです。

それが、今の僕の価値観、こころを大事にする、つまりお金を求めず、自分がしたいことをする価値観に影響していると感じてます。


そんな中、勉強が嫌いで小学校5年生で勉強を止めたのもあり、地区内で名前を書けば入れる一番悪い高校に入りました。


高校生活はとても楽しく、高校2年になって、一緒にいて面白い友達と出会うことが出来ました。毎日7時ぐらいまで、映画や漫画、お笑い芸人の話、授業中もずっと喋ってたので、出てるのに欠席にされるぐらい、楽しかったです。


高校までは、面白いと思える友達に合わなかったのもあって、世の中合わない人のほうが多くて当たり前と開き直ってます。


余談ですが、空手もしてて、この高校生活が永遠に続けばいいなーと考えてたり、友達に言ったりしてました。その友達は、高校の時の記憶があまり無く、一刻も早く卒業して働きたかったそうなので、人の感じ方はひとそれぞれですね。

空手の選手をした後に、総合格闘技を少しして、首を怪我したのをきっかけに、アトピーの薬を止めたら、6ヶ月ほどずっと微熱、睡眠時間は2−3時間、仕事から帰ったら、1−2時間かきっぱなしという薬のリバウンドに襲われました。体質も変わってしまって、健康でないと幸せは感じれないというのを強く感じました。その時の彼女が本当に良く看病してくれて、彼女がいなかったらまた薬を使ってたかもしれません。その時の彼女が、今の妻になり、一緒の仕事をしてます。

その後、3年前の2012年経産省主催の国際即戦力インターンプログラムに受かって、バングラデシュへ6ヶ月行った際に、機会に恵まれない元気で姿勢もよくハキハキ喋る物乞いの子供を見て、優秀な人達にチャンスを与えることをミッションにして会社を立ち上げました。

こうして書くと素晴らしいとか勘違いされることがあるんですが、私自身が一般的に見ると恵まれない環境にいて、同じ環境にいる人にシンパシーを感じるので、僕の心の痛みを減らしたり、心地よさを増やしたいというのが根本にあって経営者として動いています。


まとめると、高校時代の友達と面白い時期を過ごしたり、父親の影響で、お金では自分はそんなに幸せにならないことに気づいて、こころとそれを支える健康を大切にするようになりました。

広島の片田舎で小学校5年生から全く勉強しなくて、hadの意味もわからなかった僕が、バングラデシュで会社を作って、今度はシリコンバレーに行くんだから、人の人生てわからないなーと思います。わからないからこそ、今をより面白く、熱中できるものに時間を費やしたほうが良いのかなという結論になりました。


僕が住んでたシェアハウスのWebサイト
http://www.x-garden.jp/

SamePageの求人ページ。インターンご希望の方はご覧ください。
http://samepagenet.com/recruit/

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