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多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「私の青年海外協力隊"卒業論文"~かまど作りは何につながる!?」石川さん.jpg 

             

村落開発普及員 石川 洸(Ko Ishikawa)
平成25年度1次隊 セネガル リンゲール県森林局配属 


「かまど」作りが森林伐採削減につながる!
 2015年7月7日朝8:45分、成田空港に降り立ち青年海外協力隊としての2年間の任務を完了しました。

 今となっては夢のようなセネガルでの時間。日本から約14,000km離れた西アフリカの小さい町での2年間について振り返りたいと思います。もともと海外に興味を持ち、将来アフリカに学校を建てたいという夢があり、まずはアフリカに行って理解を深めようとチャレンジした協力隊。

 2013年7月8日より縁があってセネガルという国に派遣されることになりました。私の配属された町は首都ダカールから約300km離れたリンゲールという町。人口は約10,000人程度で乾季には50℃を超す「砂漠」に住んでいました。私の配属先はリンゲール県森林局で、森林保護や植林をメインとしている機関です。森林局の一員として雨季には植林、乾季には薪の節約効果をもたらす「かまど」作りを行っていました。かまどを使わない場合、1回の食事を作るために5-6本の薪を使いますが、かまどがあると薪の消費を2本程度に抑えることができます。消費量が減れば伐採も減らせるため、今ある木を減らさないで緑化を進めることを提案することに力を入れてきました。


"地元に溶け込む"ためのツールは現地語ウォロフ語習得!
 協力隊に来る前は営業として4年間企業に務めており、植林やかまどの知識もありませんでしたし、現地語であるウォロフ語も最初は全く話せませんでした。自分はここで必要とされているのかな?と何度も思うことがありましたが、腐らず毎日出来るだけ多くのセネガル人とウォロフ語で会話をし、人間関係を作っていくことで、少しずつ彼らに受け入れられ、私の活動に対して理解し、協力してくれました。

 沢山の人の力を借り、私は2年間でかまどを152基作製、他のボランティアやセネガル人向けにかまど作製講習会実施、またセネガル人のかまど職人を養成し、かまどを販売することに漕ぎ着けました。その他にもリンゲール市内の小学校で環境教育や植林ツアー、リンゲールの高校と地元新潟の高校との英語での学校交流、更にはこういった活動や日本文化の紹介を月に1回リンゲールのラジオ番組にて紹介するなど本当に幅広く活動を行うことができました。


"シンプルな習慣"が日常の人間関係の"潤滑油"になることを実感!
 海外で働くということは確かに簡単なことではありません。しかし、その国の言語を話し、自分のできること、やりたいことを明確にし、現地の人々と人間関係を育むことで確実に仕事は前に進みます。そしてこういった経験が実は日本で生きていくためにも必要なのだということを実感しました。日頃の何気ない挨拶、気遣い、仕事への姿勢などシンプルなことほど意外に見落としがちになります。しかし、このようなシンプルな当たり前が自然にできるようになると、対人関係の仕事がうまくいくようになるのは言うまでもなく、日常の人間関係においても"潤滑油"となってくれるでしょう。日本では気づかない当たり前を世界に出ると気づかせてくれます。こうやって気づいたシンプルな習慣を身に着けることができたのも思い切って環境を変えたことがキッカケになったのだと思います。


私の今後のキャリアパス!
 さて、私は今後このセネガルでの経験を存分に活かしアフリカと日本を繫ぐ仕事をしたいと考えております。帰国後間もないため、具体的なことはまだ決まっていませんが、私の強みである語学力、コミュニケーション力とアフリカを知っているという強みを活かし、今後増えてくるであろう日本企業のアフリカ進出に向けて、私の力を必要とされる場所で仕事をし、形は何であれアフリカと日本を繫げ、Win-Winな関係の構築に貢献していきたいと思っております。

 最後になりましたが、もし今協力隊への応募を迷っている方がいらっしゃるなら、私はすぐにでも応募することをお勧めします。多様な職種の経験者に出会い、仲間となり、言葉や文化を超えた人間関係を構築できる。こんな機会は協力隊以外には存在しないと言っても過言ではありません。是非自ら途上国の人々の中に飛び込み、様々な経験と気付きを得てきてほしいと思います。彼らは待っています、皆さんが飛び込んできてくれることを!
石川さん2.jpgのサムネール画像

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