JGAP寄稿者短信:「備えよ! 青年海外協力隊 コミュニティ開発〜技術面接編」(竹田憲弘、 青年海外協力隊ルワンダ派遣予定)
青年海外協力隊の、27年度春募集の選考が進んでいるようですね。
ぼくが受けた27年度秋募集の、2次試験(技術面接)における質問事項や回答を書いておきます。職種はコミュニティ開発です。
※人物面接については続編で。
■技術面接
面接官:50代男性、20代女性(2名)
前に面接を受けたことのある先輩から、「圧迫面接だから覚悟してね!」と言われており、身構えておりました。が、ふたりともにこやかに話を聞いてくれて、まったく圧迫感はありませんでした。
"女性:志望動機を簡単に教えて下さい。
タケダ:ソーシャルビジネスを仕事にしていきたいと考えています。その現場経験を得るために志望しました。
"女性:ご家族には青年海外協力隊を受けていることを伝えましたか?
タケダ:伝えました。
"女性:会社の上司には伝えましたか?
タケダ:伝えました。
"女性:希望している南アフリカやカンボジアでなくても、問題はありませんか?
タケダ:問題ありません。特に国にこだわりはなく、要請内容が興味深かったのでその二カ国を選びました。ただコミュニティ開発の場合は、要請内容にかかわらず自分で活動を柔軟に変えていけると伺ったので、派遣先はどこでも構いません。
"女性:二輪運転をすることになっても問題はありませんか?
タケダ:問題ありません。
女性からひと通り基本的な質問が終わると、次は男性の面接官から。
主に1次試験で提出した履歴書の、個人的なことがらについての質問でした。
"男性:NPOキッズナウジャパンでの活動を教えて下さい。
タケダ:宮城県の荒浜や閖上、石巻などにおいて震災復興支援活動を行いました。私は特に、県外の方々や企業研修で来た社員さんたちが被災地をまわるツアーのアテンドや、彼らと被災者の方が対話する際のモデレーション、アメリカから視察に来た教師団の通訳サポートなどを受け持ちました。
男性:ああ、荒浜は被害大きかったもんね...。閖上にも行ってたんだね!
タケダ:よくご存知ですね!
男性:名取にJICAでお世話になった方がいてね...
という感じで、面接官の方が被災地に詳しい方だったので、一気に面接の空気を掴むことができました。
"男性:ミラー財団での活動について教えて下さい。
タケダ:タイのチェンライ県というところに、山岳民族の地域があります。ミラー財団はそこで人身売買や麻薬売買の防止活動を行うNGOです。そこに1ヶ月ほど滞在し、現地の小中学校で日本語や国際交流の授業を行いました。
男性:子どもたちは勉強に興味を示してくれましたか?
タケダ:当初は興味のない子どもたちもいましたが、勉強が楽しくなるような工夫をしました。その地域には運動会にあたる行事がなかったため、手作り運動会を実施して、日本語の単語を言いながらバトンを渡すリレーなどを企画しました。通常の授業でも、魚釣りゲームをしながら数の数え方を覚えるなど、楽しみながら学んでもらいました。その結果、当初は乗り気でなかった子どもたちも、自発的に勉強するようになってくれました。
"男性:映像編集もやってるみたいだね。
タケダ:はい。仙台の異業種交流会で知り合った仲間がいるんですが、誰かが転勤するたびに送別ムービーを作ったりしていました。 それが評判になって、最近では友人の知人から結婚式のムービーを作ってくれと依頼されるようになりました。
男性:ほお、そうなんだ。 ああいうのって音楽に合わせたりとか、結構センスがいるから大したもんだね。
タケダ:そうですね(ドヤ)、音楽のリズムと画面の切り替わるタイミングなどはこだわってます。バンドをやっていたので、その経験が活きているのかもしれません。
このあたりまで来るとだいぶ余裕が出てきて、普通に会話を楽しんでいました。面接官が話を引き出すのが上手いか、または相性が良かったのかもしれません。
"男性:留学で学んだことを教えて下さい。
タケダ:国際コミュニケーション学科というところで、各国の文化の違いや、それについてのプレゼンテーションをひたすらやりました。
男性:なんでイギリスじゃなくて、アイルランドだったの?
タケダ:ちょっと変わったところに行きたかったからです。 イギリスやアメリカなどは普通だな、と思って人とは違う経験ができるところを選びました。それから、アイルランドはヨーロッパでも数少ない英語圏の国で、英語を学びにいろんな国から学生が集まって来ているというのも魅力でした。実際に私の学科では、ヨーロッパだけでなく、アフガニスタンやバングラデシュ、コートジボワールなど様々な国の学生と交流することができました。
"男性:希望要請はコミュニティ開発の03、01、06番だね。これを選んだ理由を教えて下さい。
タケダ:03(南アフリカ共和国 農家のICTを活用力向上)は小規模黒人農家に対して、ICT技術を活用するという点に興味を持ちました。学生時代に企業から依頼されて、発売前のスマートペンの モニターをやっていた経験も活かせると思いました。01(南アフリカ共和国 稼げる農家の育成)も同様ですが、「稼げる農家」という点に惹かれました。06(カンボジア 初等前教育関連プロジェクト)は、教育に興味があるので選びました。
"男性:長所に「企画力」と「交渉力」とありますが、これについて詳しく教えて下さい。
タケダ:企画力に関しては、メーカーの営業として、ただモノを売るだけではなく、社会貢献の要素を含めた提案を心がけていました。いまベルマークの集票点数が7年連続で伸びていて、得意先もベルマークのついたPBを販売し始めるという情報を得ました。しかし、世間には学校に通う子どもがおらず、ベルマークを渡す場所がなくて困っている方がいるということがお客様の声から分かりました。そこで、弊社にもベルマーク関連の商品が多数あるので、ベルマークフェアを実施して、そこで集まったベルマークを利用して被災地の学校に学用品を寄付しましょうという提案をしたところ、見事採用していただきました。
交渉力については、どうしても特売を打とうとすると費用がかかってしまうのですが、あらゆるデータや企画提案によって、価格から価値に得意先の目線を変えることができました。その際、先方の担当者だけでなく、その上長にも自分の上司と一緒にアプローチするなど根回しすることによって、交渉を優位に進めることができました。
大体こんな感じでした。もちろんここまで理路整然とはしゃべれていませんが。就活の面接とほとんど同じような感じです。
■2次面接前に必ずやっておくこと
やっておくべきなのは、1次で提出した内容を、自分のことばで説明できるようにしておくことですね。ぼくは「希望要請は03と01と06でしたが...」という聞かれ方をして、自分がどの国のどういう内容の要請を希望したのか一瞬思い出せなくて焦りました。
でも試験会場に1次で提出した書類を持って行って、待ち時間に改めて読み直していたので、落ち着いて答えることができました。1次書類は郵送する前に、必ずコピーを取っておきましょう。
あとは特別やることもないです。もし自分が面接官だったら、話の上手さよりも「こいつは途上国で1人でやっていけるのか?」というメンタル部分を見るはずです。
だから変に硬くなるよりも、芯の強さや柔軟性が見えるようなしゃべり方をすればいいんじゃないかなと思います。たぶん本気で行きたいと思ってるのであれば、自然と表情や言動にその気持ちが現れるはずです。気負いせずに、リラックスして臨みましょう。
面接前に他の志望者と話してみるのも面白いし、緊張がほぐれるのでおすすめです。
人物面接についてはまたこんど。
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2015年5月27日付-エッセイ集 フロンティア・フォーラム
No.220:「『いつかは、おそらく』ではなく、『いま、確実に』できることを~ぼくが大手企業を辞めて、ルワンダへ行く理由」(竹田憲弘さん、 青年海外協力隊ルワンダ派遣予定)
http://japangap.jp/essay/2015/05/post-108.html
ブログ:「ちょうじょうなこつで。」http://blog.livedoor.jp/norehero/