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JGAP寄稿者短信:「ルワンダでの信頼関係の難しさ」(内藤俊輔、 青年海外協力隊/ルワンダ派遣)
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ルワンダの青年海外協力隊として派遣されている内藤俊輔です。

ルワンダは、20年前に起きた虐殺でも有名であり、近年ではアフリカで一番事業のし易い国としても注目を浴びました。

そんなルワンダでの自分の協力隊としての任期もあと5ヶ月を切っています。

実は自分がルワンダを去るという事で、色々と信頼関係に変化が出てきています。

悲しい面と嬉しい面、両方あります。

まずは悲しい面。


最近、比較的仲良くしていた近所の人達から
「◯◯が欲しいからお金が欲しい」やただ「お金をくれ!」
と言われる事が増えて来ています。

今日はしつこく言われたので、
「なんでおれがあげなきゃいけないの?」
と聞くと、

「もう来年帰ってしまうんだろ?ボランティアなのにおれらには何も買ってくれてないじゃないか。」
と言われました。

現地語から英語への訳なので、もしかしたらニュアンスが違うのかもしれませんが、
ちょっとショックでしたね。

毎日朝と夕方は挨拶をして、たまーに世間話もするような人達だったんですが、
自分が「お金をあげることは出来ないよ」

と断ると、みんな不満そうな顔をして、首を横に振って去っていってしまった。


お金が欲しいが為にみんなおれに挨拶とか愛想良くしていたのかなー?と思ってしまう反面、
確かに自分がまたルワンダに帰ってくる保証が100%ある訳ではないので、
それを彼らも分かった上で言ってるのかなとも思いました。


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その一方で、嬉しい面は
自分の一番のパートナーの支援先の組合長は、
「俊がいる間に,結婚をして結婚式に来て欲しい!」
と言ってくれています。

彼は、自分に金銭的な事を一度も相談してきたことがない。
自分が帰国して少なくとも2年はルワンダに戻れない事を告げると、
「その間に俊から色々考え方や技術を学びたい」
と言ってくれる。

そういう人には本気で幸せになって欲しいと思う反面、
では前者のような人達にはそう思えない自分がダメだなと思ってしまう。

結局この感情になるという事は,自分自身が見返りを求めてしまっているということです。
この国際協力という分野は,個人的な見返りを求めてはいけないと思ってます。
環境や文化等で、自分と合わない人なんて一杯います。

そういう人には協力をしないという姿勢をとっていると、いつまで経っても貧困の削減や人権の改善になりません。
かといってこうした個人的な感情が湧かないような位置での支援もまた、ズレたものになってしまうと思っています。

現場にいるとこういう個人的な悲しい事や嬉しい事が起こるので、
その気持ちを大切にしつつ、

第三者としての考えも保ちつつ、
行動していこうと最近思える様になれた事に感謝したいと思います。

(関連記事)
2014年7月16日付エッセイ集 フロンティア・フォーラム No.174:「 格好悪くてもいいじゃないか。それでも前に進み続けるたった1つのコツ」(内藤俊輔さん、 青年海外協力隊/ルワンダ派遣) http://japangap.jp/essay/2014/07/post-79.html

2014年9月13日付JGAP寄稿者短信:「世界一周するのと,海外に長期滞在する違いは何ですか?」http://japangap.jp/info/2014/09/jgap-166.html


プロフィール:
内藤俊輔
1986年青森生まれ。
中学時代に父を亡くし母子家庭で育つ。マーケティング会社に約5年勤めた後,平成24年度4次隊として青年海外協力隊でルワンダに派遣。

Blog:ルワンダから観た世界〜内藤俊輔BOOK〜(http://ameblo.jp/naikel0311/
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