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海外ギャップイヤー事情 米国編:「費用かからず、手頃にできるギャップイヤーもあるよ!」の巻Desert.jpg

 「My College Planning Team」(http://mycollegeplanningteam.com/about/)は、米国で、大学生活のプランニングと進学における資金調達に関する相談を受ける非営利のプロフェッショナルチーム。シカゴを中心とした学術界とビジネス界のプロが集結し、低コストと高レベルの高等教育の両立をさせる道を提示している。そのサイトで、"手軽にできるギャップイヤー"というテーマで特集がされている。

 ギャップイヤーは、個人的な興味の追究や国内・海外への旅、自分の安全地帯を押し広げ、自分を新たな体験にさらけ出すこともできる。だが、そんなギャップイヤーの絶対条件とならないことがある。それは「高価」であるということだ。

 多くの人は、ギャップイヤーは手の届かないものだと思い込んでいる。だが、そうではない。低価格のものや、中には無料のものなど、様々な機会がギャッパーに提示されているのだ。さらに、予算を抑え、資金調達をする方法を知っていれば、旅行やプログラムにかかる費用を減額することもできる。

国内でのギャップイヤーの機会
 アメリカ国内は広大で、多様な機会に恵まれているため、まったく新しい文化を体験するために、わざわざ海外に出なければならないことはない。ここにいくつかのユニークで低コストな、または有給の機会を提示する。

・Dude Ranches:アメリカ西部の観光農場では、トレイルライドのガイドや、ロッジの手伝いなどをシーズン毎に必要としている。馬に興味がある人は、スキルを身につけるための絶好のチャンスとなるだろう。多くの場合、対象年齢を18歳以上に設定している。

・National Park (国立公園):
国内の国立公園の多くでは、トレイルブレイザー(未開の地を拓いていく仕事)や公園の運営をスムーズにするための仕事に興味を持っている人々を常に募集している。

・身体障害者アスリートのスキー講習:
州が運営する大きめのスキーリゾートでは、ハンデを負った子供や大人に向けたスキーの適応プログラムを用意している。人々に新しいスポーツを教える手伝いをする充足感と、毎日スロープを滑り降りる権利を得ることができるだろう!中級・上級のスキースキルが必須となる。

・City Year:
Americorpによって運営されているCity Yearは2年間の国際ボランティアであるPeace Corps(平和部隊)の国内支部だ。ボランティア応募者はアメリカ国内の主要都市にて11ヶ月間、教育や環境保全、国土安全などの分野に従事する。City Yearボランティアには生活費の支給の他、任務を終えた後に子女教育手当が与えられ、高等教育の学費や奨学金の返済に使うことができる。

インターンシップ:
興味のあるフィールドで経験を得るための手段として、インターンシップは最善のものの一つだ。新しい場所での生活を体験する以外にも、「現実世界」を経験する良い機会になるだろう。

・Idealist (非営利)やMonster
データベースでまずは検索する。

・オーガニックファームでの仕事:
Worldwide Opportunities on Organic Farms (WWOOF)は、パーマーカルチャーの知識を広め、責任ある農場実習をおこなっている有機農家をつなぐ世界的なネットワークである。特定の国にメンバーとして参加することで、あなたを受け入れ、専門分野を教えてくれる農家のデータベースにアクセスすることができる。1日4−5時間の労働が発生する代わりに、まかないと宿が提供される。これならアメリカ国内のみならず、30ヶ国以上の国々を旅することができるだろう!

国際的なギャップイヤーの機会:
・Au Pair(オペア):オペア とは、「外国の家庭で滞在させてもらう代わりに手伝いをしながら語学を学ぶ人」のこと。子供たちと一緒に海外で生活したいのなら、オペア(家政婦)として働くのが良い選択肢の一つとなるだろう。面接とバックグランドチェックを終えたら、代理店がプレスクリーニングを住ませた様々な国の家族に紹介してくれるので、新しい言語を学ぶためのこれとない機会になる。代理店を決めるときは、International Au Pair Associationが認定した代理店を選ぶといいだろう。

・オーガニックファームで働く:
上記を参照。

・英語教師:
ボランティアプログラムの中には、英語を教えることをメインとしたものもある。より長い期間の貢献と業務経験によっては、会社が渡航費用や宿泊費、そして教育にかかる費用を払ってくれることもある。またこうしたものは会社の概要を確認してから申し込むようにしよう。

・平和ボランティア:
国際ボランティアサービスネットワークの一部として、ボランティア参加者を世界中のワークキャンプ(例えば、短期間の建設プロジェクトや教育プログラムなど)に配置するボランティア活動。手軽に参加でき、世界中から集まってくるボランティアと出会うこともできる。

・Help Exchange:
WWOOFと似たサービスだが、オーガニックファーミングに限らず、様々な内容で従事者を募っている。ホステルワークやオペアの仕事など、たくさんの面白い体験が用意されている。

 自分のギャップイヤーをデザインする前に、まずは自分が何に興味があるのかについてよく考え、どの国に一番惹かれるかを検討してみることだ。興味の対象(例えばスペイン語を学ぶこと)を低コストの機会(例えばスペイン語のオペアリングなど)と組み合わせることによって、コストパフォーマンスが高く、さらに意味のあるギャップイヤーにすることができるだろう。

 そして、下調べは忘れずにやるように!英語教育プログラムやオペアリングのすべての代理店が合法的に運営されているとは限らない。就職手数料や隠れたコスト、上辺だけの取引に騙されないようにしよう。ファームやホストファミリーのところに行く場合は、実際に現地に行く前に、自分の現在の生活環境を伝えておくといい。あとは概要をよく読み(WWOOFとHelp Exchangeはメンバープロフィールにレビューが記載されている)、自分の直感を信じることだ。もし怪しいと感じたら、絶対にやらないように!細部まで要項をよく読み、ビザや申請手順については信頼できる大人に頼むのがいいだろう。

 もしギャップイヤーで、ユニークな体験を得る機会を調べる時間があるのなら、すぐ手の届くところに手頃なギャップイヤー体験が待っているに違いない。つまり、ギャップイヤーは必ずしも、費用がかかるものではない。

文・塩飽 泰啓(国際基督教大学大学院院生)

サイト紹介:
My College Planning Team(http://mycollegeplanningteam.com/about/


(関連記事)
2014年9月4日付
海外ギャップイヤー事情 米国編:「The Northland Experience(ノースランド大学の新1年生ギャップイヤー体験プログラム)が素敵!」の巻| 日本ギャップイヤー推進機構協会(JGAP): http://japangap.jp/info/2014/09/post-153.html

2013年1月9日付
 なんと、大学院が「ギャップイヤー・プログラム」を創った?!~ "起業家精神と経営管理の"ギャップイヤー修了書"が授与される南ア・有力大学院1年専修コースが出現-JGAP代表ブログ
http://japangap.jp/blog/2013/01/-httpkodamayusukewordpresscom20121207efbc91efbc99e6adb3e381aee88ba5e3818de8b5b7e6a5ade5aeb6e38081e4b.html

※「海外ギャップイヤー事情」100超記事の一覧リスト(右ナビ)→http://japangap.jp/info/cat44/