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JGAP寄稿者短信:「視野が広いことは、悪いことではない。」藪内さん顔.jpg


私の友人が、ニュージーランドをロードバイクで駆け巡っているんですが、

旅の記録をnoteにまとめているので、時々読んでいます。

で、気になったのが今回の投稿。

「ユーゴーさん、24歳にもなってまだ"自分探し"してるんですか?」(note

この中で、「視野が広いことって、そんなにイイコトですか?」と、自問自答が起こっているわけだけど、個人的な意見を述べると、視野が広いことがマイナス、裏目に出るってことはまずないと思います。

私も彼に似て好奇心旺盛な人間です(彼とは方向性が違っていたり、エネルギーの総量で劣っているとは認めます)が、これで損したことは今までありません。(まあ、そもそも損得勘定を持ち込むのは間違っているんですが、分かりやすくするため。)

視野が広い=いろんなことに興味を持つ、経験する、ということだとここでは意味付けしておきますが(というか、私はそう思っています)、いろんなことに興味を持っていると、様々な事象のなかにある共通点を見いだせたり、過去になぞったことがあるものに、その後の人生でフックがかかって更に新しい気づきを得たり、ということが多くあります。

視野を広げることは、一見回り道のように思えますし、無駄なことにように見えます。

ただ、短期的に見るとこれは事実ですが、時間がある程度経つと、つまり長い時間軸で見ると、必ずしも回り道になるとは言えません。幅広く興味を持っていたことによって、何かの要素がトリガーとなって、別の要素と繋がったり、新しい発見が起こったり、「乗算的に」世界が広がる、又は加速することが多々あるのです。

ただ、そのようなフックがかかるには時間がかかります。これは年を重ねないと分からない、気づきにくいことではないでしょうか。

現在25歳の私も、これまでの経験が繋がることが度々あり、そのような事実を通して「フックがかかる」ことを身をもって知りました。しかし、これが人生30年、35年、40年...と長くなるにつれて、更にフックがかかることが多くなるのだと思います(こればかりは、現時点で自分では何とも言えないことです)。

年を重ねる、とはすなわち過去の蓄積が多くなることです。そして、人間は、多くの体験や出来事を忘れてしまいがちですが、一方で潜在意識として、自分の中に眠っていることもまた事実。それが、何かのきっかけで呼び戻されることもあります。

視野が広い、というのは山に登る感覚に近いです。それも富士山。

麓からだと、周りがよく分からないんですよ。どこに何があるか。

でも、高く登れば登るほど、視界は開けます。それは、文字通り(比喩ではなく)見える世界が広がる、ということです。

いろんな思考や体験があれば、自然と自分の立ち位置は高くなります。
(厳密にいうと、単にそれらの量が多いだけでは駄目で、それらの深層が、どの辺りで何と繋がっているかが漠然と分からないと、視野は広くならないので、この表現は正しくはないのですが、その辺りは難しいので今回は書かないことにします。例えて言うなら、都道府県名と場所が分からない状態で地図を見るのと、分かる状態で地図を見るのとでは、入ってくる情報やそこから考えることが違ってくる、ということです。)

一時的に、がむしゃらに何か(できれば多くのこと)を経験する、考え抜く機会は重要です。

そして同じように、それらを整理(棚卸し)する時期も必要。

引き出しは多い方がいいのですが、多いだけじゃ駄目。多い上で、どんな時にどの引き出しを使えばいいのか、どれとどれを組み合わせればいいのか、ということを知っていれば尚良し、ですね。

というわけで、いろんな比喩を使って様々な切り口から今回の文章は書いてみたつもりですが、いかがでしたでしょうか。

藪内達也
英日翻訳家


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2014年11月1日付JGAP寄稿者短信:「25歳になりました。」 (藪内達也さん、英日翻訳家) http://japangap.jp/info/2014/11/jgap-175.html

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プロフィール:
藪内達也/英日翻訳家(観光翻訳)/翻訳×デザイン×Webのフリーランスネットワークを構築して、仕事製作中/現在は奈良を拠点に複数の仕事作り/「自分の人生の舵は自分で取る!」がモットー
詳しくはブログで(自分の考え方や哲学等について書き連ねています)

No17:「海外での出会いと発見が、僕を変えた」藪内達也さん(当時、神戸大学国際文化学部4年) -エッセイ集 フロンティア・フォーラム欄寄稿(2011年12月9日) http://japangap.jp/essay/2011/12/4.html

ブログ:Live my OWN life
http://tatsuyayabuuchi.blogspot.jp/