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海外ギャップイヤー事情 英国編:「地域の教育福祉財団が奨学金を提供するギャップイヤー文化!?」の巻ヨーク1.jpg 

英国のハートフォードシャー州 は東イングランドの地域。大ロンドンの北に隣接し、エセックス州、ベッドフォードシャー州、バッキンガムシャー州、ケンブリッジシャー州などと接し、高級住宅街で知られている。デビッド・ベッカムをはじめ各界の著名人が邸宅を構える土地でも有名だが、そこに州民のための様々な福祉サービスを提供するハートフォードシャー教育財団(Hertfordshire Educational Foundation、HEF)がある。この教育財団はハートフォードシャー州在住の若年層を支援するための小規模な慈善団体といえる。

 どんな機能があるかは以下の通り。三つめの旅行奨学金が「ギャップイヤー支援」と呼べるだろう。

◎学校訪問の助成金
小学生児童が教育目的による学校訪問に参加する際に、経済的理由以外の例外的環境のため両親が費用を支払えない場合に支援する制度。援助金は宿泊を伴う場合では、一人の児童に対して75ポンドまで、学校施設訪問の8週間前までに申請が必要である。

◎ジョージ・バーンズ卿基金
身体に障害のある、あるいは恵まれない若者(16~21歳)に対する援助。
*特別な道具備品を購入する費用
*リクリエーションや教育的活動参加費用
*イギリス国内、あるいはイギリス国外への修学旅行や、短期コース、あるいは会議の参加費用
(例外措置として規定の年齢外の学生には考慮もあり)
基金は、団体ではなく個人あてに支給されるもので、その金額の範囲は50~500ポンド(9,000円~90,000円)。


◎旅行奨学金(Travel Scholarships)
 17~21歳の学生で、教育的活動や知的に面白いコースに参加する場合で、なおかつ訪問先の地域社会に利益をもたらし、少なくとも1ヶ月は国外に暮らす予定である場合に奨学金を給付する。規定の年齢外の学生には考慮もあり。奨学金は団体ではなく個人に支給され、その金額は100~500ポンド(18,000円~90,000円)の間で、行き先と滞在期間によって考慮される。奨学金を受けた者は後日、簡単なレポートを提出すること。


 英国では、地域の小規模な慈善団体クラスでも、ギャップイヤー支援があることが興味深い。50年かけてできた"若者の人材育成"の文化であろう。

文・JGAPギャップイヤー総研客員研究員 余田有子


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