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海外ギャップイヤー事情 米国編「ギャップイヤーをしたいと子どもが言い出したら、親はどう考えるべきか!?」の巻udai.jpg


ギャップイヤー取得すれば、大学入学がしやすくなる!

米国の雑誌「Fortune誌」の姉妹紙の"Money"に投稿されていた記事。大学進学にはお金がかかるが、自分の志望校と自分の資産を計算しながら、いかにして希望の大学を選び進学できるか、様々なアドバイスをしている。

教育プランナーのプロが、子どもがギャップイヤーを取得することによって、大学進学への機会をつぶしてしまうのではないかという不安を持っている親に、専門家の立場から正しい方法を指南している。

 まず、「大学に進学する前に子弟がギャップイヤーを取得したいと希望しているが、それは大学進学の機会に、あるいは学資援助を受け取ることにも悪影響はあるか?」の質問に、「学校外で自分の学びの場を広げたいと思う勇敢な子どものことを誇りすべき」と回答している。

 ギャップイヤー期間中に何をしたいのか具体的にわかってくると、大学入学申請の時期をギャップイヤー中か、あるいはギャップイヤー後なのか自ずと決める必要がある。あるいは、高校在学中に入学申請をし、1年間の延期を願い出て、それから大学に進学するという方法もある。

 もし子弟がギャップイヤー後に大学に入学申請をするのであれば、願書に与える影響はかなりポジティブでよいでしょう。大学側は、「自分はこういう人物です」あるいは「将来はこうありたいです」や「自分が大学に行く理由はこれです」のようにしっかりと応えられる学生を探している。

 学生は試験や宿題や授業の課題から時に開放する必要な時もある。思慮に富んだギャップイヤーを取得することによってリフレッシュをし、新しい活力を蓄え大学の課題に取り組んでいけるようになる。ギャップイヤーは、必ずしもリゾート地など"誘惑に満ちた"地域に行く必要はない。学生のなかには自分の住むコミュニティーでインターンシップやボランティア活動をやる体験をした学生もいる。

 1年間を利用してインターンシップや、外国の事を学んだり、社会貢献サービスをし、言語能力を磨き、旅をしたり、将来の仕事を試しにやってみたり、またぬるま湯(comfort zone)から出てみることによって学生達は先ほどの質問に応えられるようになり、最初の入学申請の強みになる。

  とは言いながら、高校3年中に願書を完成させて必要な書類を送るには簡単なので、一般的には、高校の最終学年時に大学入学の願書を出す方がより賢明で現実的だ。一方、大学側はギャップイヤー体験を喜んで奨励しているが( colleges are delighted to encourage gap year experiences)、最初の願書にはギャップイヤーを取得する意思があることを書かないほうが賢明だ。なぜなら大学側も新入生のクラス登録を編成中だからだ。

 入学が決まった後、子弟は自分の計画、その理由、そして将来の目標を説明して大学側に1年間の入学延期願いを書くことができる。 ギャップイヤーを取得した学生は大学に人的強みをもたらし、そして熱意と目的意識をもって大学生活を始められる学生はちゃんと大学を卒業する可能性が高いことを知っているので、ほとんどの大学では延期願いを前向きに受け入れてくれる(gap students bring strengths to the campus and are more likely to graduate if they start college with enthusiasm and a sense of purpose)。

 もし志望大学が延期願いを受け入れてくれない場合は、その理由を聞くべきだ。そしてもしギャップイヤー計画を修正したなら受け入れてもらえるかもしれない。もしくは違う大学に行くことを検討するか、あるいは今はどこに行くこともせずに翌年、再度入学申請をするかのいずれかとなる。

 ギャップイヤーを取得したからといって学生が、学資援助を受けることに不利な立場にはならない。他の学生と同様に学資援助を申し込めるが、ひとつ大きな注意点がある。それは、大学からの学資援助はギャップイヤー後には適用できないだろうということだ。いずれにしても各々の経済的理由により必要額に応じて援助される学資融資は、全学生対象に毎年再算定されるものなので、翌年、再度申し込む必要がある。

 米国では、多くの場合、成績優秀者に与えられる学資援助は適用されないから、入学延期願いが受け入れられる前に、色々調べておく必要がある。もし子弟が大学入学してきた暁には、どれだけ自分が価値のある学生であるかを主張できるなら、成績優秀者用の学資支援を提供できるように大学側を納得させることができるかもしれない。


文・JGAPギャップイヤー総研客員研究員 余田有子


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