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海外ギャップイヤー事情 米国編「自分自身の生き方をデザインできるからとギャップイヤー人気到来の巻!?」の巻udai.jpg

 アンドレア・ウィーンは、フリーランスのライターで起業家。彼女は'Gap to Great'(「偉大なるギャップ(イヤー)」)という新刊の宣伝のために、6,000マイルものロード・トリップをスタートさせている。

8年前、彼女は少しのためらいもなく、ピッツバーグ大学に入学願書を提出した。ピッツバーグ大へ通うことしか頭になくて、願書を提出したのも唯一そこだけであった。

今、彼女は自分の決めたことを後悔してはいない。だが大学に進む前に、もっと他の機会を垣間見るチャンスがあったら、と願うことは確かにある。
幸運なことに、今日の学生たちのために、アンドレア・ウィーンは新たなドアを開いている。

'Medium'という、誰もがストーリーやアイデアを公開することができる全く新しい情報公開プラットフォームに、彼女がギャップイヤーに関係するビジネスと立ち上げた。

「ギャップイヤー」とは、今、目の前のことをさておき、全く新しい環境に飛び込むために準備し、専念する時間のことである。

アンドレアの一連の著書で彼女は、学生(と学生の両親)が、高校卒業と大学入学までの間かまたは大学の在学中に、ギャップイヤーに備えられるようサポートすることを強調している。

多くの人は未だにギャップイヤーと聞くと、子供が家の地下室でビデオゲームをしたり、素晴らしい人生における決断を先送りするための言い訳だと想像する。

しかし近年、ギャップイヤーを取り巻くネガティブな汚名は、実用的な学びの経験をポジティブに強調する風潮にとって代わってきている。自分の孫が(そしておそらく我が子さえも)、今我々が当たり前と見なしている現在の教育の展望を鵜呑みにするじだいではないと、多くの人が確信している。

しかしながらこの大きな教育の変革が起こる前に、既に「高等教育」に年月を費やして働いているミレニアル世代の若者達には、何か新たな経験や旅のために多くの時間を費やす余裕はないだろう。

もし、ギャップイヤーという考え方を持った人生を送ることができたなら・・・!

それが驚いたことに、可能なのである!アンドレアは、誰でもギャップイヤーの概念を持ちながら生きていくことが可能としている。

「ギャップイヤー」の定義は何?
私が今まで聞いた中でベストな
定義は、正規の教育から離れて、しっかりとしたプログラムの中で、かつ国際的に時間を過ごすことだろう。

外せないのは、自分自身が成し遂げたいと思うことについて、これという青写真や地図を手にすること。それは全てを明確にしなければならないとうことではなく、自分のスタート地点を見極めることである。多くの人々は、ギャップイヤーをある一定の期間に分けて経験している。

だからまず3カ月間実践してみて、その間に学んだことと、次の期間を計画する前にどのように感じているかを自分で評価してみるとよいだろう。

他の要素は"国際的"ということである。その時機に価値があるのは、ギャップイヤーを取得しているからというだけではなく、志望校に入れなかったからかも知れない。それは道に迷った訳でも志をなくした訳でもなくて、本当に選択した道ということだ。

ギャップイヤーは、大学の背景から見ると大いに評判を増している。今日授業料は上がり、もはや大学入学も安全な賭けではなくなってきた。大学を卒業した学生が、非正規雇用だったり職につけなかったりすることも時折ある。「これは自分にとって一番いい選択なのか?自分の資質と時間の使い方はこれが最善の方法だろうか?今すぐに学校へ行くこと以外に、自分の目標を達成する道はないか?」

学生達が一度立ち止まり進学する真の目的を改めて考え始めたことで、ギャップイヤーはそういった議論の対象になってきたのだろう。

アンドリアはこう言う。
「私はこれからのサクセス・ストーリーは、ハーバード大学を卒業して会社の役職にかじりついていることではないと、深く信じている。本当に成功している人は、自分自身についてよく時間をかけて理解できる人、旅を通して異文化を学ぶことができる人、そしてただ盲目的に目の前の道に沿って進むより、自分自身の生き方をデザインできる人のことだと思っている。」

「このロード・トリップを通して、皆に自分が思い描いたような、夢に見ていたような人生が送れること、そして今の世界を飛び出して色々な人達に出逢うことが自分自身にとって一番価値ある経験の一つなのだと、知らせてあげたいの。」

道から道へと旅してこんな素晴らしい体験をすることは、とっても固定観念を覆す経験だ。
「偉大なるアメリカのロード・トリップ(the Great American Road Trip)」をもし望むなら、「ギャップイヤー」というレンズをかけて世間に見せるということは、どのように人々に生きる上でのやる気を見出させるかということにつながる。

現状に疑問を投げかけて、一生懸命がんばっていることが本当にベストなやり方か、と問うのにとてもいい機会だ。

ミレニアルズ(ミレニアル世代)は特にそういった推進力があって、立ち上がって
「いいえ、私はただただ小さな部屋で従順に過ごすつもりはありません」と声をあげられる最初の世代。そこを飛び出して如何にしてやっていったらいいか教えてくれる学校は多くはない。ロード・トリップで強調したいのは、自分の人生をデザインして、それを目指して進んでいくことだ。」


さて、フルタイムで働いている人間は、どうやってギャップイヤーの考え方を抱いたらいいのか?
一番大きな誤解のひとつは、ギャップイヤーは海外で、そして1年間を過ごさなければいけない、というもの。別に一年より短くても長くても構わない。

考え方を変える方法が幾つかある。新しい体験をもたらすものは何だって、始めるのにいいチャンスだ。

それは地方で大工仕事をするクラスでも、地域の小児科でボランティアをすることでも構わない。国際的である必要は全くなくて、活動は国内のものであるかもしれない。

あなたをそこに引き上げてくれたものを、そしてあなたが探してみたいと望んでいた何かを
よく見て、そこから始めるの。あなた自身が抱えるその庭に、いかに多くの機会が存在しているかにきっと気付くでしょう。

アンドレアのウェブサイト:andreawien.com 
または彼女のツイッターをフォローすることで、旅の様子を知ることができる。


文・JGAPギャップイヤー総研客員研究員 斉藤 美和


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