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海外ギャップイヤー事情 英国編「英国人学生の37%がギャップイヤーを取得したい!?」の巻1gapyear.jpeg


ギャップイヤーは青春の通過儀礼!
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英国人学生の37%がギャップイヤーを取得したいが、金銭的余裕がなくて行動に至っていない!
 多くの高校生にとってギャップイヤーは、ストレスが多くて高額な大学に対して、その入学前の"通過儀礼"と考えている。オンラインの貯金ウェッブサイトによると、37%の学生がギャップイヤーを取得したいと考えているが、余裕がないと思っているという。大学の高額な経費と合わせて、ギャップイヤーには平均約3,000~4,000ポンド(1ポンド=136円として、40~54万円)の経費がかかるので、20%の若者がもう少し年齢がいってからギャップイヤーを取得しよう(つまり大学入学後や大学卒業後)と考えているという。

 大学入学前か後にやるかは学生の選択だとして、ギャップイヤーを利用して旅行や新しいことを学び、異文化を体験することは多くの若者にとって一生のうちにやりたいことのリストの中に入っている。調査によると少なくとも78%の若者がギャップイヤーに興味があるか、あるいはすでに取得している。ただ、残念なことに大部分はその余裕がないのが現状だ。


調査で明らかになった根強いギャップイヤー人気!
 高等教育の選択と将来のキャリアへのアプローチを考える時、学生の多くが考えるあることは、ギャップイヤーを取得して旅をして世界を見て、新しいことを経験してみたいということだ。そのことを念頭におき、貯金・資金獲得のためのウェッブサイト(https://www.myvouchercodes.co.uk/ ) が18~24歳を対象にどれだけの若者がギャップイヤーを取得した、あるいは計画したかを調査した。質問は、「ギャップイヤーを取得して旅をしたいですか?」という問いだ。

結果は以下の通りだ。
6%の若者が大学前に取得することを計画している。
12%が大学卒業後に取得することを計画している。
37%が取得したいと思っているがその余裕がない。
20%が取得したいと思っているが、もう少し年齢を重ねてから。
22%が興味なし。
3%がすでにギャップイヤーを取得した。

 調査に応えた大半の若者がギャップイヤーを取得して旅をしたいと思っているが、その多くが金銭的に余裕がないとのことだ。将来にむけて大きく考えるべきことだとの認識だが、大学入学前に行くよりもむしろ、卒業してから行きたいと計画している現状のようだ。ギャップイヤーをすでに取得したと回答した人は、大学卒業から大学院に進むまでの間、あるいは就活前に取得していた。


ギャップイヤーの費用
調査の対象の18~24歳によると、ギャップイヤーの経費は平均3,000~4,000£(40~50万円)かかり、1/5の親御さんが子供一人当たりに対して平均763£(約10万円)を支援していてギャップイヤーの資金の手助けをしてやっているようだ。その他の学生達は旅の費用を支払うために資金集めのサイトを利用しており、社会貢献機関で働きながらギャップイヤーを取得するという選択もあるが、それでもなお高額なものである。



大学入学後以降のギャップイヤー取得は!?

 年齢がいくまでギャップイヤーを取得するのを控えたいと思っている人は費用のことがひとつの要因となっていて、つまり年齢がいけばいくほど、金銭的にも余裕ができてやりやすい立場になるというのだ。イギリスでは、従業員は旅や学びを奨励する"キャリアブレイク"(辞めた仕事と次の仕事の間のギャップイヤー)をとることができるのだが、各々の企業によってどれだけ従業員に休暇を提供するかはまちまちだ。加えて、自分自身も会社でどのような責任があるのかも考慮する必要がある。

 先述の貯金のためのウェッブサイトMy Voucher Codesのゼネラルマネージャーのクリス・レリー氏が言うには、若者の多くは旅や、視野を広げるために、そして異文化を知り、新しい人との出会いをもとめてギャップイヤーを取得したいと思っているという。なかにはただの休暇の延長と考えている者もいるが、ギャップイヤーの旅は将来のための就業力(雇用価値)を高め、教室の中では学べないような経験をする貴重なものになりえるのだ。だから多くの若者がギャップイヤーを取得したがることは驚くべきことではないのだが、残念なことに高いコストが足枷になり、選択の幅を狭める結果なっている。

 加えて、金銭的に余裕ができてからギャップイヤーを取得しようという考えは分別があるように思えるかもしれないが、年齢を重ねることによって仕事の責任も増え、キャリアブレイクをとることも難しくなってくる現状もある。また、十分な日数の休暇を許してくれるのか、あるいはその職場に復職できるかということも、日本ほど閉鎖的ではないが、働いている企業次第だ。あるいは、住宅ローンやその他の支払いや、あるいは家族への義務を果たす時間が奪われてしまうという。

 「ギャップイヤーは金がかかる」。しかし、実際には、有給インターンシップやボランティアをやりながらのアルバイトやワーホリなど、稼ぎながらのギャップイヤーは存在し、その形態は多様であることを忘れてはならない。ギャップイヤーを取得したいというニーズは世界的に強い。廉価でのギャップイヤー、稼ぎながらのギャップイヤーの情報提供が今、待望されているように思う。


文・JGAPギャップイヤー総研客員研究員 余田有子


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