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海外ギャップイヤー事情 米国編「ギャップイヤー中のマリア・オバマさんはボリビアにいた!?」③.jpg

Remezclaは2008年創立のラテン文化を取り扱っているメディアだ。ラテンの音楽、文化、イベントを新しい角度で紹介し、守旧的なニュースメディアとは違い、新たなメインストリームを報道している。アメリカ国内外、ラテンアメリカ、そしてスペインに住む無数のラティーノ達へメッセージを届けている。

その媒体に、ハーバード大学入学前にギャップイヤーを取得するオバマ前大統領の長女であるマリアさんの様子が取材されていた。彼女はギャップイヤーを利用してボルビアに旅をしたマリア・オバマさんでコミュニティ活動をしているとのこと。

昨年(2016年)の5月、マリアさんがハーバード大に進学する前にギャップイヤーを取得することを決めたニュースは、究極の贅沢だという意見から彼女の選択に賛成するという意見まで、人々の意見は様々だった。大統領一家は18才のマリアさんがその1年を利用して何を計画しているのかあまり多くは語らなかったこともあり、昨年末にマリアさんが公共の場に姿を見せないことに米国民は当然気になったが、マリアさんが10月と11月にボリビアに行っていたことがわかった。

マリアさんがボリビアのティキパヤを訪問しているという情報が入り、マリアさんが14,000ドル(140万円)以上もする3カ月間のWhere There be DragonというNPOが主催する「アンデスとアマゾンのプログラム」に申し込んでいることがわかった。そのプログラムはスペイン語習得集中コースと環境問題を背景にした広い範囲のトレッキングをし、遠く離れた先住民の暮らしに触れ、ホームステイを体験するものだ。

これはスペイン語を話すマリアさんにとっては驚くべき選択ではない。昨年3月に当時のオバマ大統領一家がキューバを訪問した際に、マリアさんはハバナのレストランではオバマ大統領の通訳として活躍した。その翌日、ホワイトハウスの公式のカメラマンのピート・ソウザ氏が撮ったレストランのシェフと話をしている映像がすぐさま報道された時には、大統領はABCニュースのインタビューに次のようにコメントもしている。
「娘のスペイン語は私のよりもはるかに上手い。完璧に話せるようになることを期待しているよ!」


ニューヨークタイムズ誌によると、マリアさんのグループを案内してボルビアのコディッレラ・レアル山脈を歩いたガイド達は、その中にアメリカからのこの重要人物がいると分かっていたと言う。

「彼女を見た時、あまりに背が高かったので目がとまりました。私達は背が皆小さい人種なので、主人に『オバマ大統領のお嬢さんみたいだ』と言いましたが、主人は信じてくれませんでした。後で、マリアさんを含むそのグループは、皆で米国の大統領選を見ていました。」そして、夜中まで皆でピザを食べていたとのこと。

ボリビアのメディアによると、ボルビア大統領のエボ・モラレス氏がこの彼女の旅を表面化しないように気をつかっていたようだ。恐らく、オバマ大統領がモラレス大統領に頼んで、娘が無事にプライバシーを守り旅ができるように政府の協力を仰いだのだろう。モラレス大統領はこんなことを側近に語ったとされる。

「私はオバマ大統領とは上手くやれると思った。我々はこれまで共に中枢から弾き出され、辱めを受け、差別をうけ、そして主流から外れたたソーシャルセクター出身だ。言葉は悪いが、黒人とインディアンは境遇が似ていて、上手くやっていけると強く思っている。」

結果、モラレス大統領が恐らくオバマ大統領のリクエストを聞き入れたようだが、マリアさんの旅は、何らその他特別な恩恵にあずかってはいないと報道されている。料理や掃除、その他の雑用もこなし、他のプログラム参加者達と同様に、ケチュア民族のところでホームステイをし、先住民社会について多くを学んだようだ。

ギャップイヤー・プログラムが3か月で150万円とは通常なら高いと考えられるが、マリアさんの境遇を考慮すると、一概に高いとは言えないかもしれない。

私はそう感じた。


文・JGAPギャップイヤー総研客員研究員 余田有子


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