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海外ギャップイヤー事情 豪州編「ギャップイヤー以降、大学を辞めて、プロブロガーになった私!?」の巻②.jpg

オーストラリア出身の26才の旅行写真家で、自身のブログ"ポルカドット パスポート"も立ち上げているブロガーで二コラさんがいる。彼女は一旦は大学に進学したが、自分の気持ちに正直に行動しギャップイヤーを取得し、現在は未知の世界ではあるが、理想的な人生(dream career)を歩んでいる。

通常豪州でも、高校を卒業してどの道に進もうかと決断することになると、多く(約8割)がまっすぐにベルトコンベヤー式の人生に飛び乗っていく。つまり、それは卒業して、すぐに大学へ進学し、そして正社員の仕事をみつけるということだ。ニコルさんも十代を通してずっと、これから先にある人生はこういうものだと思ってきた。
実際、この方向性しか人生にはないと思っていた。

しかし今や、自分の情熱をかけて、フルタイムの旅行写真家兼ブロガーとして、約40カ国も旅ができる仕事ができるようになった。

ニコルさんも22才やそこらで、旅をしながらお金がもらえる事なんて夢にも思えなかった。高校に入学した最初の頃から、自分の人生の計画は立てられていると感じていた。多くの生徒がそうであるように、両親や先生達から大学に進学し、何かを学ぶものだというプレッシャーを感じていた。高校の最後には、優秀な成績をおさめ、自分が選ぶどんなコースもほとんど入学できることが保証されるまでになっていた。

しかし、大学の案内パンフレットをいつめくっても、自分の目にとまる物はなかった。それどころか、これから先の何年間を壁に囲まれたクラスルームの中にとじこめられて過ごすことを考えると、胸が締め付けられるような気持ちになったと言う。

結局、写真学を専攻することにしたが、大学での最初の1年は自分が期待していたものと大きく違っていた。主観的な講義や退屈なグループプロジェクトがアートへの情熱を失わせたと語る。
そのかわりに、現実の社会にでた方がずっと学べることに気付いた。そこで自分で写真のビジネスを立ち上げ、すぐにスキルを磨き、経験を積んでいった。


1年後、ニコルさんは大学を休学し、ギャップイヤーを取得する決心をした。若い頃から旅をしたいと恋焦がれていたので、いつでもブリスベーンから出て世界をみてまわりたいと考えた。そこから半年、狂ったように働き、できるかぎりのお金を蓄えた。

ヨーロッパにむけて旅立つ日、まさに彼女の人生が永遠に変わった時だった。
これまでの学校で学ぶことよりも4カ月間の旅で、より沢山の歴史や文化、政治に関する知識を得たが、もっとも大事なことは自分自身についてよく知ることができたということだ。

まもなくして、インスタグラムに載せていた写真がTopdeck旅行社の目にとまり、彼らの会社のパンフレットに自分の旅の写真をいくつか使わせほしいとオファーされた。これがまさに彼女のキャリアの始まりだった。
旅の後、当初の計画では大学に戻るつもりだったがそうはしなかった。再びギャップイヤーを取得して、半年間のボランティアの旅に出た。そこで彼女は"ポルカドットパスポート"というブログを始めた。
また同時にTopdeck旅行社との関係も構築しはじめ、初めて給料をもらって写真を撮りに海外に行くという仕事を手にいれた。

そうこうしているうちに、彼女は決断をしなければならないところにきていた。
冒険をしないで、大学にもどり、皆と同じように落ち着くか、あるいは自分の心に従い、予測できない不安定な道ではあるが、自分の道を進むということだ。

彼女は後者を選んだ。それはもっとも恐ろしいが、でも最高の決断だと思う。
一旦決心をすると、成功すると考えられる大学卒業のガウンと学位をもって壇上にたつ必要がないという事実を受け入れた。つまり、退学をした。

彼女にとって成功とは、誰か他の人の道に続いて行こうとするかわりに、自分の情熱を追い求め、自分の道を作り上げていくことだった。
もちろん、これはすべての退学性や高校生に、高等教育をあきらめて世界中を旅しようと提案しているのではない。
ひとりひとりの成功への道は全部違うように見えるが、どんな道に進もうと、自分の心の声を聞いて道を歩んでいくことが大事ということだ。

大学を辞めて5年が経ち、学士でもなければ、高額の仕事や伴侶や家もないかもしれない。そのかわりに、自分のオフィスに座り、今日はそれがインドのゴアの浜辺のカフェで、コンピュータの画面の先にある海に沈んでいく夕陽をながめながら、空気を通して香るスパイスの匂いと、汐っぽいそよ風がニコルさんの顔をくすぐる。

なぜか今、自分の人生はこうある運命にあったんだと彼女は感じている。

文・JGAPギャップイヤー総研客員研究員 余田有子


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