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海外ギャップイヤー事情 米国編「大学入学前ギャップイヤー・プログラム運営NPO代表がマリア・オバマさんを絶賛する理由とは!?」の巻②.jpg


『BRIGHT』はビル&メリンダ・ゲイツ財団が出資している教育的イノベーションに重要性をおいたメディアだ。大学入学前ギャップイヤー・プログラム運営のNPOであるGlobal Citzen Yearの創設者で代表のアビー・ファリックさんが、ハーバード大学入学前に1年ギャップイヤーを取得しているオバマ前大統領の長女であるマリアさんに向けたメッセージを寄稿していて、注目を集めている。

 なんとタイトルが、「マリアさん、ギャプイヤーを取得してくれたありがとう!」だった。

 マリアさんが去年春に、ハーバード大に進学する前にギャップイヤーを取得することを発表した時、アビーさんは、感動して興奮したとのこと。一般的な規範に抗う選択をすることは米国でも容易なことではないが、それを見事やりとげたマリアさんへの賛辞だ。子供達を高校から大学へストレートに進学させるというK16(幼稚園から大学教育段階まで含めた学校枠を超えた教育の一貫性)のベルトコンベヤー式の「直線人生」は、日本同様米国でも強く、その道を外れること、そしてそれを公表することさえも大変勇気のいることだ。

 アビーさんは「貴女がギャップイヤーを取得する具体的な理由は知りませんが、本人も気付いているかいないかは別にして、貴女の決心は、この大切な考え方に関係のある親御さん、先生方、そして子供達に影響を与えています。それは、大学にいかなかった者達の代替案としてあったギャップイヤーを、熱望するようなことへと立場を替えてしまうほどのインパクトです。いかにして大学生活を良いものにするかという問題提議が高まる中、リーダーシップの出発点としてギャップイヤーを再考するための先例なき機会があり、それは貴女のおかげであり、そのような変化の始まりに今、私達はいます」と書いている、

 アビーさんは、「ギャップイヤーという言葉は、実際その可能性を鑑みて、そろそろ"ブリッジイヤー"と呼び始めるのが良いのではないでしょうか?」と問いかける。

 去年の秋、ギャップイヤーの始めに、ボルビアに旅したマリアさんの決心にとても心が動いたと言う。つまり、2016年の大統領選挙の大騒ぎの最中に、静かにメディアに騒がれることなく、勇気ある選択をして海外に行った決断を指している。

 "市民外交(Citizen Diplomacy, )"という言葉が冷戦時代に造り出されたが、今や、これまでにないぐらい重大な局面にあるとアビーさんは語る。

「トランプ氏は就任演説の際、"アメリカ第一主義"を基に大統領としての地位の土台をつくりました。しかし今、人類が直面しているもっとも深刻な問題(気候変動、貧困、病、移民)は、地球全体の問題。これらの問題はひとつとして1つの国だけでは解決できるものではありませんし、そのことを理解できるリーダーが必要です。要するに、私達の運命はからみあっていますが、私達の経験は現在そうなっていません。」

「自分達が知らないことを嫌悪したり、恐れたりすることはあまりにも安易。異文化や異なる宗教の人々を受け入れ、愛することを学んだ時、恐れが遠ざかり、尊敬や理解、そして協力が溝を埋めていくのです。」


 マリアさんがボリビアで体験したグローバルな経験や、多くの学生にGlobal Citizen Yearを通して提供しているプログラムはもはや贅沢な物とは見なされず、重要なものとして認識されている。若い時に中南米の地域社会に住み、共に働いたおかげで、より良い米国、より良いリーダー、そしてより良い人間に成長していく。だから、マリアさんが海外で過ごしている時間が、同様に人間形成することを実証してくれることを願っているわけだ。

 今日、世界におけるアメリカの役割があまりにも不確かになっているので、若い人達がもっとマリアさんの選んだ道を歩み、国境を越えて旅をしてほしいとアビーさんは願っている。

 アビーさんはどっぷりと外国語や異文化につかり、居心地のいい場所からかけ離れた世界に身をおくことによって、アメリカの理想主義や楽観主義、多様性を受け入れる価値観や精神を共有するだけでなく、他者の価値観や見解を自国に持ちかえる準備ができる。そういう意味で、海外に旅をすることは私達ができる最も愛国心の強いことではないかと思うようになったのだ。

 最後にアビーさんはまとめる。「マリアさん、どうか旅を続けてくださいね。そしてもっと重要なことは、アメリカ国民としてだけではなく、世界市民として、私達全員がどうやったら関われるのか手本を示すために貴女らしさを通し続けてくださいね」

 本来の米国らしい、スケールの大きなストーリーである。

文/JGAPギャップイヤー総研客員研究員 余田有子


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