ギャップイヤー・ジャパンからのニュース・お知らせ

「日本もギャップイヤー推進へ~学生の社会経験の支援を!」 文科省有識者会議が報告書提出
文科省ギャップイヤー図.jpg

日本は米国型の「大学プログラム型ギャップイヤー」の推進へ!
 大学の秋入学とギャップイヤーなどの課題を議論していた文科省の「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議]は29日、報告書をまとめ、下村博文文科相に提出した。「主体的な学びには異なる価値観とぶつかる社会体験が重要」と指摘し、学外活動のプログラムの充実を大学側に求めた。

 文科省は報告書を受け、「学外プログラム」を導入する大学に対し、経費補助など支援策を検討していく。

 報告書は、「学外プログラム」として海外に限らず国内でも課外留学やボランティア、民間団体でのインターンシップ、小中学校の教員補助などを想定している。主体的に学ぶ姿勢に欠ける受け身の学生が多いとされる状況を改善するため、入学後の早い段階で少なくとも1カ月間以上の活動を経験するのが望ましいとしている。

 学外活動の現状の課題としては、受け皿不足や留年への懸念があり、「大学は単位認定も視野に入れた多様なプログラムを自主的に導入すべきだ」と指摘している。

 産業界は、検討会議の中でも「学外活動を経験した学生を採用の際に積極的に評価する」と表明しており、個別企業がそれぞれ、今後どう対応するか問われる。

 いずれにせよ、産官学民の4セクターが、「失敗を恐れ、実体験が少ない」とされる若者の育成に注力する方向性を示したものとして注目される。


(関連記事)
4/21実施 文科省第5回「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議(最終まとめ)」の配布資料が公開された


日本のギャップイヤーの推進は、発祥の国で文化・慣習として定着している英国の「自主性重視型」より、現在キャッチアップしている米国型の学生の自主性を尊重しつつも大学が活動プログラムの提供等を行う「大学支援型」へ

 検討会議第5回(最終回)とされる今回も、下村博文文科相、上野通子政務官が出席して、まとめの議論となった。
この会議は、「教育再生実行会議第三次提言(平成25 年5月)」や「日本再興戦略-Japan is BACK-(平成25 年6月閣議決定)」において、秋入学など学事暦の柔軟化に伴うギャップイヤー等を活用した、留学等の体験活動への支援を抜本的に強化する方針が示されたことを踏まえ、学事暦の多様化とギャップイヤー期間中の活動を推進するために、海外のギャップイヤーの状況や国内の先行事例の情報を収集し、日本に相応しい環境整備の在り方について審議を重ねてきた。今後このまとめの議論を踏まえ、最終案を提示することとなる。(各委員名は後述)

まとめの議論のポイントは以下の3点。
○ ギャップイヤー発祥の国イギリスでは、学生が自分で資金を稼ぎ、自ら企画して、留学やインターンシップ等を経験する。本検討会議は、このような伝統的な「自主性重視型」のギャップイヤーももちろん推奨する立場であるが、我が国では「自主性重視型」の普及には様々なハードルが存在していることを踏まえ、「大学支援型」を中心に意見をまとめた。
(参考資料)1月31日 第3回検討会議 砂田 薫委員(JGAP代表)のプレゼン資料6ページ参照http://japangap.jp/info/20140131%E7%A0%82%E7%94%B0%E5%A7%94%E5%93%A1%E8%B3%87%E6%96%99.pdf

○ ギャップイヤー・プログラムを導入する各大学においては、本検討会議のこの「意見のまとめ」が示す方向性や「資料編」で紹介している国内の取組事例等も参考にしながら、それぞれの大学の教育方針等を踏まえて自主的に取組を進めていくことを期待したい。

○国においては、希望する学生がギャップイヤー・プログラムを経験できる環境を整備するため、学生や大学の取組に対して積極的な支援を行うことを求めたい。

(文科省のサイト)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/57/siryo/1347174.htm 


(参考資料)
「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議」審議経過
○ 第1回
日 時:平成25年10月4日(金)14:30~16:30
[ヒアリング]
◇東京大学における秋入学・学事暦に関する検討、FLYプログラムなどの取組について(濱田委員)
○ 第2回
日 時:平成25年12月2日(月) 9:00~11:00
[ヒアリング]
◇国際教養大学のギャップイヤー入試への取組み(鈴木座長)
◇諸外国におけるギャップイヤーの状況(砂田委員)
砂田委員発表資料http://japangap.jp/info/2013%E5%B9%B412%E6%9C%882%E6%97%A5%E3%80%90%E8%B3%87%E6%96%99%EF%BC%94%E3%80%91%E7%A0%82%E7%94%B0%E5%A7%94%E5%93%A1%E7%99%BA%E8%A1%A8%E8%B3%87%E6%96%99.pdf
○ 第3回
日 時:平成26年1月31日(金) 13:00~15:00
[ヒアリング]
◇英国、米国、豪州、南アフリカ等の大学におけるギャップイヤー事例(砂田委員)
◇国際教養大学・ギャップイヤー体験談(国際教養大学学生2 名)
○ 第4回
日 時:平成26年3月24日(月) 16:30~18:30
[ヒアリング]
◇早稲田大学における4 学期制(Quarter 制)導入の狙いと今後の展望(早稲田大学 田中愛治理事)
◇学事暦の多様化と長期実践型インターンシップ推進へ向けての提案(宮城委員)
[審 議]
◆審議まとめ(骨子案)
○ 第5回
日時:平成26年4月21日(月) 10:00~12:00
[審 議]
◆意見のまとめ(案)


「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議」の設置について
平成25年9月4日
文部科学大臣 決定
平成26年3月27日 改正

1.趣旨
 教育再生実行会議第三次提言「これからの大学教育等の在り方について」(平成25年5月28日)を踏まえて,産学官を始めとする関係者が,学事暦の多様化とギャップタームの推進に向けた環境整備の在り方について検討し,実施に向けた着実な取組を行うため,学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議(以下「検討会議」という。)を設ける。

2.検討事項
 検討会議は,学事暦の多様化とギャップタームに関し,次の事項について検討を行う。
(1)学事暦の多様化とギャップターム推進の理念
(2)ギャップターム期間中の活動
(3)学事暦の多様化とギャップタームの推進のための制度設計と支援内容
(4)その他学事暦の多様化とギャップタームに関し必要な事項

3.実施方法
(1)検討会議は,別紙に掲げる委員により構成する。なお,やむを得ない事情のある場合は,代理者が出席することができる。
(2)必要に応じ,別紙の委員に加えて,他の有識者を参画させることができる。

4.委嘱期間
 委員の委嘱期間は,設置の日から平成27年3月31日までとする。

5.その他
(1)検討会議に関する庶務は,高等教育局大学振興課が処理する。
(2)この決定に定めるもののほか,検討会議の運営に関する事項は,必要に応じ会議に諮って定める。

学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議」委員

(五十音順・敬称略)
◎座長、○座長代理
 浅原 利正   広島大学長
○市村 泰男   一般社団法人日本貿易会常務理事
 川村 隆    株式会社日立製作所取締役会長、一般社団法人日本経済団体連合会副会長・教育問題委員長
 齊藤 斗志二  公益社団法人全国スポーツ推進委員連合会長、元臨時教育審議会委員
 島村 元紹   株式会社島村楽器代表取締役会長、日本商工会議所教育委員会共同委員長
◎鈴木 典比古  国際教養大学理事長・学長
 砂田 薫    一般社団法人日本ギャップイヤー推進機構協会代表理事、お茶の水女子大学特任講師
 清家 篤    慶應義塾長
 萩原 なつ子  立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授
 秦  由美子  広島大学高等教育研究開発センター教授
 濱田 純一   東京大学総長
 藤沢 久美   シンクタンク・ソフィアバンク代表、文部科学省参与
 船橋 力    株式会社ウィル・シード取締役会長、学校法人河合塾顧問
 宮城 治男   NPO法人ETIC.代表理事、文部科学省参与
 山内 進    一橋大学長
(オブザーバー)
 小林 洋司   全国高等学校長協会 大学入試対策委員長、東京都立桜修館中等教育学校長


(文科省のサイト)
3/24 検討会議
議事録:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/57/gijiroku/1347494.htm 
配布資料:
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/57/siryo/1346418.htm 

(関連記事)
1/31実施 第3回「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議」(大学秋入学と半年ギャップイヤーの議論)の資料公開

 昨年12月2日の第2回に引き続き、第3回「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議」が、本年1月31日13時から金融庁(中央合同庁舎第7号館・西館)で開催された。

 議題は、「学事暦の多様化とギャップターム(大学秋入学とそれに伴う半年ギャップイヤー)推進方策」についてであり、 砂田委員(JGAP代表/お茶大特任講師)が議論を深めるため、「英国、米豪州南アフリカ等の大学におけるギャップイヤー事例」を発表した。世界の名門大学で、ギャップイヤー制度が浸透してきている現状を明示した。この資料にあるタフツ大学は、今月3月に、"推奨"のステージから、"制度"自体を設けることもわかった。
※砂田委員の発表プレゼン資料→20140131砂田委員資料.pdf

2014年3月10日付 名門タフツ大学が来年から50人規模のギャップイヤー制度導入、そしてブラウン大学も検討中!-JGAP代表ブログ→ http://japangap.jp/blog/2014/03/50.html

 次に、国際教養大学生2名が、ギャップイヤー体験談(今年9月に、半年のギャップイヤー活動を経て入学、現在大学1年生)をプレゼンした。
 玉城 慶人さんは地元沖縄で国際協力イベントを開催した成果を話した。一方、宇田川美沙さんは、貧困問題に関心があるため、カトリックの修道会(東京)と病気や障害を持った人のための農場(北海道)でのボランティア経験を語った。
※詳細は、以下のリンク「ギャップイヤー活動報告書」から→
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/57/attach/1343978.htm


※参考:1/31第3回会議の「配布資料」のリンクは→
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/57/siryo/1343955.htm

※参考:12/2 第2回会議の「配布資料」のリンクは→
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/57/siryo/1342409.htm

※12/2 第2回会議での砂田JGAP代表の発表スライド
2013年12月2日【資料4】砂田委員発表資料.pdf


10/4 第1回議事録(文科省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/57/gijiroku/1342831.htm

(参考記事)10月4日付 半年ギャップイヤーが今後議論! 10/4 第1回「学事暦の多様化とギャップタームに関する検討会議」が文科省で開催された。-ニュース
http://japangap.jp/info/2013/10/104-1.html