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JGAP寄稿者短信:「米国大学院生の懐事情 ― 留学費用についてのあれこれ」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) 真夏のDavis.jpg  
     ※写真は、真夏のDavis

 大学院留学を考えている方から、よく費用について質問を受けます。
アメリカの大学院は「高い!」というイメージを持つ人も多いようなので、
「実際のところ、どれくらいかかるの?」
「院生はどうやって生計をたてているの?」
について、僕個人のケースを参考にしながら書いていきます。


授業料
カリフォルニア大学は州立(公立)とはいえ、
近年の授業料高騰により、日本の国公立と比べると高額で、
アメリカの私学と比べても、あまり変わらない授業料になっています。

大学発行の2014-2015の資料を見ると、
大学院のベースの授業料(MBAなどは除く)は年間、
$11,220.00

留学生も含めたカリフォルニア州外出身者の授業料は、
$28,210.60

こちらの資料にある生活費(家賃、食費、交通費など)と教材費を含めた、
年間費用の概算は、
$41,210.00

生活費はもう少し抑えられると思いますが、
大きな負担であることに変わりはありません。
博士課程には(特にDavisでは理系のプログラムに)、豊富な資金があるため、
合格時に、数年分の授業料免除やTA(ティーチング・アシスタント)、
RA(リサーチアシスタント)のポジションが保証されていることがあります。
「東洋経済」("胃が痛む「MITの競争生活」で学んだこと") でも書かれているように、これはカリフォルニア大学に限らず他の大学院でも共通しています。

合格時に上記のようなオファーが無かった場合、学生がとれる主な選択肢は、
1. 奨学金を獲得する
2. 入学後にTA, RAを獲得する
3. 自ら払う

3番目を選択している大学院生は、
留学生でも、アメリカ人の院生でさえも少ない印象です。
では、どのように奨学金やTA、RAを得ているのか、順番に見ていきます。


奨学金
大学院やアメリカ国内の企業・財団が出す奨学金もありますが
留学生は対象外のケースが多いので、
こちらから日本人を対象とした奨学金を探すのが良いと思います。

返還の義務の無い、フルブライトや伊藤国際教育交流財団などは、
応募締め切りが早いので、受験生は入試よりも先に準備する必要があります。

日本学生支援機構も給付の奨学金を出していて、締め切りは秋頃。
合わせて有利子の奨学金も提供しています。

奨学金の内容は、授業料と生活費をカバーしてくれるものから、一律支給のものまで様々。
条件として、毎月レポートの提出を課すものから、卒業後の進路を定めているものもあります。
選考は、エッセイや研究計画、学業成績などの書類選考と面接などを通じて行われます。
応募は、大学院の受験前や合格発表前に行われることが多いため、
複数の大学院を候補として挙げることが可能です。


TA(ティーチング・アシスタント)・RA(リサーチアシスタント)
仕事の内容は様々ですが、給料はほぼ同じで、
週10時間のポジションなら、月約$1,000、
週20時間なら、月約$2,000となっています。
*プログラムやポジションによって、違うこともあります。

TA、RAの違いの一つは、RAが全ての授業料をカバーしてくれる一方、
TAは、ベースの授業料しかカバーしないことです。
*これもプログラムによって異なる場合があります。

週20時間のTAだと、給料+授業料免除額 ≒ 授業料となるので、
生活費は別で賄わなければなりません。
RAなら週10時間でも月々$1,000を生活費に当てることができます。

もう一つの大きな違いは、仕事の繁忙期。
TAは時期によって、実際の時間以上に働くことも多く、
特にテストの前後は、生徒の質問に対応し、採点をする一方で
自らの試験やレポートの準備もしなければならず、両立は大変。
そのため、RAを望む学生も多く、競争率も高くなっています。


TA, RAの見つけ方
基本的にTAは前年度の夏休み中に1年分のポジションが埋まります。
それまでに各学部のコーディネーターにアプリケーションを提出しなければなりません。
ただ急な空きが出来ることも多く、授業を選ばなければ、
毎学期の1週目から2週目まで、何らかのTAが募集されています。

僕の場合、1年目は、TAやRAの機会にかけて渡米したので、
到着後すぐに各プログラムのコーディネーターに連絡をとったり、
教授と面談したりして、ネットワークを広げました。

9月ともなると、教授たちもキャンパスに戻っており、
オリエンテーションやその他のイベントなどで顔を合わせる機会があります。
この時に、自分の興味関心、バックグラウンドについて簡潔に説明できること、
率直にファンディングの状況(TAやRAを探していること)について話すことが大切です。
お金のことは、なかなか話しづらいものですが、
自分から話さなければ誰も聞いてくれませんし、知らなければ誰も助けようがありません。

カリフォルニア大学のような総合大学では、
様々な授業が開講されているため、TAの機会は豊富。
専攻と違う分野でも、可能な限り広くアンテナをはって、探り続けることが大切です。
最初の学期にTAになったのは、ランドスケープデザインの学部でしたが、
これは、インターンシップの経験とファシリテーションのスキルを買われてのことで、
大学時代の専攻とは全く違います(今の専攻とは関連しています)。

RAは急に募集がかかり、選考に至ることがあれば、
教授から直接オファーを受けることもあります。
前者の場合、キャンパス中に公募されることが多く、
競争率が高いため、いかに自分を売り込めるかが鍵になります。
後者は、教授から信頼を得ることが必要です。
僕の場合は、無給で手伝い始めた仕事が評価されこと、
授業を通じて、ある程度の信頼関係を築けたことが決め手になり、
夏休み中のRAを獲得することができました。


最後に
アメリカ大学院留学にかかる費用は、決して安くはありませんが、
その分だけ、奨学金やTA、RAなどの機会も豊富です。
これらの機会を上手く活用すれば、
一銭も払わずに学位を取得することも可能なのです。
しかし、だからといって楽観視していると、
途中で払えなくなり、「退学」ということにもなりかねません。
受験の段階から現実的な資金計画をたてておくことが大切です。

 
2012年7月8日付 フロンティア・フォーラム寄稿 No.75:「米国留学、国際NGOインターンを経て、バングラデシュ~国境なきコミュニティデザイナーを目指している私」 加藤遥平さん(当時、筑波大学5年) 
http://japangap.jp/essay/2012/07/ngo.html

2014年8月3日付 JGAP寄稿者短信:「大学院1年目を振り返って --- 米国大学院で学んだ個人戦と団体戦」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) http://japangap.jp/info/2014/08/jgapuc-davis-2.html

2013年12月16日付 JGAP寄稿者短信:「米国大学院の教壇で学んだこと」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) http://japangap.jp/info/2013/12/jgap1220-happiness-architect.html


ブログ:The Rad Visionary
http://yoheikato.weebly.com/1/post/2013/12/161.html

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