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JGAP寄稿者短信:「大学院卒業後の進路~これからのキャリアを考える」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) 加藤さん11月.jpg


     
9月に2週間ほど帰国していました。
毎日ひたすら誰かと会って話す。
修士2年目を迎える前に、そんな時間を過ごせたのはとても贅沢なことでした。
人生の様々なステージにいる方々のお話は、まさに生きた教科書。
大学院について、修了後の進路について、何十回と同じ話をする中で、
考えを整理することができました。忘れないうちに書いておきます。


現在地
昨年の9月に大学院に進学し、1年が経ちました。
予定通りにいけば、2015年6月に卒業します。

6月以降の予定はずっと悩んできたわけですが、
帰国中に何度も言葉を紡ぐ中で、ある程度まとまってきました。

進路を決める際に、最初に選択すべきことは、
アメリカを出るか、出ないか、
出るなら、どこで、何をするか。
同じく残るなら、どこで、何をするか。

順に見ていきます。


選択肢1:①アメリカを出て、途上国へ。
昔から現場で開発の課題に携わりたいと思っていました
バングラデシュで過ごした時間や、その後の経験などから、
現場でどういった価値を発揮できるのかイメージできるようになってきました。
「もしかしたら、経験もスキルも十分ではないかもしれない」
少なからずそんな不安はありますが、
いつまでも準備をしているわけにはいきませんし、
問題意識のある環境に身を置くのが一番成長につながると思います。

またアメリカ、特にカリフォルニアの環境には慣れてきた、
悪く言えば、飽きてきたこともあり、
移動するなら、全く別の環境に行った方が良いような気がします。

では、どこの国へ行くのか?
第一候補はインドです。


選択肢1-A:タタ・グループのフェローシップ参加、そして、現地就職。
インド最大の財閥タタ・グループ(日本で言えば、三菱グループのような存在)が、
大学生・院生を対象に2ヶ月間のフェローシッププログラムを提供しています。
対象は、英のUniversity of Cambridge, London School of Economics、
そして、米の UC Berkeley, Davis, Santa Cruz。
タタ・グループには、タタ・コミュニケーションズ、スティールなど、
各カンパニーにCSR部門があります。
開発学の修士や博士、現場経験豊富なスタッフが集うCSR部門は、
それ自体が一つの開発系NGOと言えるほど充実しているそうです。

フェローは、希望するカンパニーのCSR部門で2ヶ月間、
本人の希望とスキルに応じたプロジェクトに取り組みます。
このプログラムの魅力はいくつもありますが、強いてあげるとすると、
インドという国、ソーシャル・ビジネス、NGOとのコネクション、の3つです。

インドは経済成長著しい一方で、貧困層の人口も多く、課題も山積しています。
そんな国で老舗大企業がいかに社会的課題に取り組んでいるのか経験できるのは貴重です。


これまでソーシャル・ビジネスなどの取り組みには、
少し懐疑的で、将来的にもパブリックセクターに進みたいと考えていました。
ただ、どのセクターに進むにしても「開発とビジネス」は無視できない存在ですし、
食わず嫌いな側面もあるので、この段階で経験を積んでおくのが良いと思っています。

インドでは貧困人口が多い分、大規模な国際NGOからローカルNGOまで、
大小様々な団体も活動しています。
そういった団体とコネクションを築いておけば、
将来何かのタイミングで繋がることもあるでしょう。

現時点では、フェローシップ後も、途上国に残りたいと思っています。
今の興味は専ら「若者を巻き込むミュニティデザイン」なので、
若者の人口が多い南アジア、特に具体的に課題をイメージできるバングラデシュが、
キャリアの最初の数年を過ごすのに適しているような気がしています。


選択肢1-B:フェローシップ参加後、日本へ帰国。コミュニティデザイナーへ。
可能性は低いですが、帰国してコミュニティデザイナーとして
キャリアを歩むという道もあります。
studio-Lのプロジェクトをはじめ、日本にも面白い活動や
未来を感じる取り組みがたくさんあり、一緒に働きたいと思う人達も居ます。
それがこの選択肢の一番の魅力でしょうか。

ただ正直に話すと、日本のために働きたいとは思いますが、
自分には外の環境の方が合っているような気もします。
どこでも寝れて、何でも食べれて、孤独と付き合う術を知っています。
身体的にも精神的にも体力がある方(だと思う)ので、
自分の価値を一番発揮できるのは外の環境だと思うのです。


選択肢2:アメリカに残る、もしくはフェローシップ参加後、アメリカに戻る
フェローシップ後に、アメリカに戻るという方法もあります。
(ビザ関係の手続きは若干面倒ですが)

アメリカのコミュニティ・カレッジ、大学、大学院を出ると、
1年間、専攻と関連する分野でスキルを磨いたり、
職探しをする期間としてOptional Practical Training (OPT)という制度を利用できます。
最長1年間滞在することができ、就職先が見つかれば、就労ビザに切り替えることも可能です。
就職するなら、コネクションもネットワークも最大限に活用できる、
修了直後のタイミングが一番だと思います。
AfHや、IDEO.orgProject-Hをはじめ、興味のあるNPOはたくさんあります。
ポートランドやデトロイトのように働いていみたいと思う場所もあります。
ただ、アメリカ人でも就職は楽ではないので、現地就職はイバラの道と言われています。

その他にこの選択肢の魅力は、北米ヨーロッパで開催される学会を回れるということ。
研究成果の発表とネットワーキングのために、1年の研究職を得て、
各地を回るというのも、修了直後だからこそできる貴重な経験だと思います。


選択肢3: 博士過程進学
大学院に来てからというもの、アカデミアに対する見方が変わりました。
「政策レベルから現場レベルまで、直接インパクトを与えられるのが研究者の魅力」
と語る先生や博士の学生に心を動かされることがありました。

進学するなら、修了してすぐの方が博士の環境にも適応しやすく、
一度社会に出て戻るより、短い期間で博士過程を終えることも可能でしょう。
この選択肢のアドバンテージはそんなところでしょうか。
しかし、やはり現場に居続けるのが、性に合っているような気もしますし、
進学するなら、すでに準備を始めていないといけないので、可能性は、ほぼ0に近いです。


まとめ
ここまで書いておいて、なんですが、
修了を迎えるタイミングにならないと「わからない」というのが正直なところです。
全く別の道に進む可能性も大いにあり得ます。
それでも、こうして書き留めておくのは大切なことだと思います。
ここに今現在の僕の価値観が反映されているからです。

ある建築家が「20代、30代は自分の価値観を育む時間だ」と言っています。
考えて、話して、書く。これを繰り返しながら、
僕は自分の価値観を築いてきたんだと思います。
これからも経験を積み重ねながら考えることで、
「一番大切にしたいもの」を見つけていくのでしょう。
リカルド・レゴレッタの言葉を借りれば、


"何が本当に必要なのかということを自分なりに真剣に掘り下げていけば、
答えは自ずと見えてくる"


節目の2年目は、去年以上にチャレンジの連続ですが、
目の前の課題ばかりに没頭せず、
長期的な視野を持ちながら、
将来について考え続けていきたいです。

加藤遥平
米国大学院UC Davis在学中


 
2012年7月8日付 フロンティア・フォーラム寄稿 No.75:「米国留学、国際NGOインターンを経て、バングラデシュ~国境なきコミュニティデザイナーを目指している私」 加藤遥平さん(当時、筑波大学5年) 
http://japangap.jp/essay/2012/07/ngo.html

2014年8月30日付JGAP寄稿者短信:「米国大学院生の懐事情 ― 留学費用についてのあれこれ」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) | 一般社団法人 日本ギャップイヤー推進機構協会(JGAP): http://japangap.jp/info/2014/08/jgap1-----uc-davis.html

2014年8月3日付 JGAP寄稿者短信:「大学院1年目を振り返って --- 米国大学院で学んだ個人戦と団体戦」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) http://japangap.jp/info/2014/08/jgapuc-davis-2.html

2013年12月16日付 JGAP寄稿者短信:「米国大学院の教壇で学んだこと」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) http://japangap.jp/info/2013/12/jgap1220-happiness-architect.html


ブログ:The Rad Visionary
http://yoheikato.weebly.com/1/post/2013/12/161.html

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