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JGAP寄稿者短信:「コミュニティ開発 水問題ワークショップ事例①〜Icebreaking, Story Telling, Identifying Problems〜」(竹田憲弘、 青年海外協力隊ルワンダ派遣予定‎)竹田さん.jpg


ワークショップの技法を学ぶ!
先日70日間の青年海外協力隊・派遣前訓練を終えました。

ぼくの訓練言語は英語だったので、英語の場合は午前にHome class、午後にTechnical classという授業がありました。

Homeが日常やビジネスで使う英語全般を習う一方、Technicalではそれぞれの要請内容に応じて英語で40分のワークショップを5回行います。

ぼくの任地では水問題の解決が求められているので、水や衛生関連のワークショップを行いました。

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社会問題の解決に携わっていきたい自分にとって、ワークショップ運営の手法は必ず役に立つはずなので、忘れないようにまとめておきます。

他の隊員や今後の候補生の方にも、参考にしてもらえれば幸いです。

①Story Tellers: Rwandan Water Problems(27/10/2015)

水問題のことなど何も知らなかったので、まずは概要を掴めるようにロールプレイング形式でルワンダにはどんな水の問題があるのかを学べるようにしました。

1. Icebreaking(Gesture game)

 はじめにアイスブレイクとしてジェスチャーゲーム。お題はすべて水や衛生関連のものにし、本題へのスムーズな導入を促しました。
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コミカルな動きをするしんご。やさしく見守る画伯とゆき。

大人でも意外と盛り上がります。

2. Telling Stories
charity:water」という団体のHPに、ルワンダの人々の水・衛生問題にまつわるエピソードが載っています。ここから抜粋して参加人数分ロールカードを事前に作り、それを使って全体に発表してもらいました。

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Role 1の場合は「ぼくは12歳のエマニュエルです。いままでは汚い水しかなかったけど、学校に水道が出来たから、学校にポリタンクを持って行って運んでいます。この水は料理やお風呂、飲み水として使っています。」っていう風に発表してもらいます。

その際にはイメージが伝わりやすいように、下のような画像も使ってもらいました。
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引用元:http://www.charitywater.org/projects/stories/this-one-s-for-the-kids/

3. Identifying Problems
最後に各自が行った発表のなかで、どんな問題があるのか、それは生活にどんな影響を及ぼすのか、またそれをどうやったら解決できるのかということをディスカッションしてもらいました。

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Role 1の場合は「水道が家になければ子どもが水を運ばなければならず、身体への負担や学業に支障が出る恐れがある」「水道が近所にあるだけで、料理や風呂、飲み水などの問題が解決される」といった意見が出ました。

実際に地域でワークショップを行う場合にも、住民が抱える問題は様々で互いの問題を知らないということが予想されます。そのため、お互いがどんなことに困っているのか、何から手を付ければ良さそうか、という共通認識を持たせることを意識しました。

■ワークショップ1回目の課題

先生からもらったフィードバックの課題部分。

"•Try to be more persuasive - "When they go home, what do you want them to do?"
Realising new information is a good start but you should it take it further.

•During the "Telling stories" activity, how could you make the audience talk to each other more?

•Ask audience to comment on each other's opinions. E.g. "Shingo, what do you think of Yuki's idea?"

最大の課題は"persuasive"な(説得力のある)話し方です。これは訓練修了まで言われ続けていました。

落ち着きがある分どうしても単調な話し方になりがちなので、変えていかないといけません。

それから極力参加者に話をさせること。「プレゼンの場合はプレゼンターがほとんど話すけど、ワークショップの場合ファシリテーターの話す割合は2割でいい。あとの8割は参加者にしゃべらせるんだ」と、先生から呪文のように言われていました。

この8:2の比率に近づくほど、議論が活発になり参加者の得られるものが増えるというのはワークショップを重ねるごとに実感できました。

最初はワークショップなんて何をやればいいのか分かりませんでしたが、1回やると次に繋がるテーマや問題も見えてきました。

正直、実際現地に行ったらワークショップなんてそう簡単には出来ないだろうし、住民が求めてないかもしれません。

ただ、ファシリテーション力はチームで問題解決に当たる場合間違いなく必要になるので、この5回のワークショップを通して経験を積めたのが70日間の訓練最大の収穫でした。


タケダノリヒロ(@NoReHero)


(関連記事)
2015年6月20日付
JGAP寄稿者短信:前編「備えよ! 青年海外協力隊 コミュニティ開発〜技術面接編」http://japangap.jp/info/2015/06/jgap14.html

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JGAP寄稿者短信:後編「人物面接編~青年海外協力隊 コミュニティ開発のケース」http://japangap.jp/info/2015/06/jgap-209.html

2015年9月21日付
JGAP寄稿者短信:「アラサーになった今こそミスチルの『花』を聴こう」
http://japangap.jp/info/2015/09/jgap-212.html


2015年5月27日付-エッセイ集 フロンティア・フォーラム
No.220:「『いつかは、おそらく』ではなく、『いま、確実に』できることを~ぼくが大手企業を辞めて、ルワンダへ行く理由」(竹田憲弘さん、 青年海外協力隊ルワンダ派遣予定)
http://japangap.jp/essay/2015/05/post-108.html

ブログ:「ルワンダノオト」http://blog.livedoor.jp/norehero/