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JGAP寄稿者短信:「変化の季節を作る -- インドに来て1年。 」(加藤遥平さん、タタ財団勤務@インド)
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春が苦手だった。

もちろん季節の春で、正確には3月と4月のこと。
日本では、目まぐるしく環境が変わる時期。
人見知りには、好ましいシーズンでは無かった。
まだ肌寒いこの季節が、更に冷たく感じるのだ。

今思えば、自然とやってくるこの変化は、1年を振り返る最高のタイミングだった。
失敗と成功、何を学び、何を身につけたか。
歳を取るに連れて、数字やアルファベットで突きつけられてきた現実は、
少しずつ、内省的で曖昧な形に変化していったように思う。


数年おきに、春は大きな節目となる。
卒業、進学、就職。決断を迫ってくるのだ。
この時だけ春は、少し頼もしい。

高校、大学、大学院と、卒業の度に思い切り良く環境を変えられたのは、
「節目」を「後ろ盾」に、ともすれば「言い訳」に使うことが出来たからだ。
慣れ親しんだ環境、お世話になった方々に別れを告げるのは、簡単ではない。
それでも潔く、次の場所へ旅立てたのは、間違いなく「節目」のおかげ。

だからこそ、社会人になって、主体的に環境を変える難しさを痛感しているのである。

インドに来て、11ヶ月。
「好きにはなれないだろうが、長期的には大きな学びになる」
そう告げて、僕の就職先を予言した恩師は、今頃笑っていることだろう。

財団、しかもその国のローカルのドナーとして、国内外のNGO、大学、企業、
開発機関と連携し、国内の諸問題に取り組むさまは、目を見張るような経験である。

「どこへでも飛んでいきます」とは、半ば冗談のつもりだったが、
月の半分以上を出張に費やし、1回の移動距離が2000kmを超えることは珍しくなくなった。

様々な地域の、それぞれに違った人々の営みと向き合う中で、
この国の抱えている課題と、その複雑さが、より鮮明に見えてきた。

アマルティア・センは、
「インドにはシリコンバレーとサブサハラ・アフリカが同居している」
と言っていたが、この格差、課題に、
何者として関わりたいのか、明確になってきたように思う。

それゆえのジレンマなのだけれど、

1. 出来ること。
2. やりたいこと。
3. 求められていること。

最近は、この3つの円が乖離しつつある。特に2番。

幅広いプロジェクトを見る中で、
やはり自分は住民参加を促すプロセスに関わりたいと思うようになったのだ。

農村の総合計画作り、都市部のアフォーダブル住宅のデザインにおいて、
住民参加を求める声が上がっている。
​これまで培った経験やスキルを一番に発揮できる分野である。

背中を押すように、または焦燥感を煽るかのように、
大学院の同級生達は、それぞれが心血を注いだ研究分野で活躍し始めた。
比べるのは見当違いとわかっていても、気持ちは焦る。

そんなモヤモヤを抱えつつ、近頃は、
財団内での異動、NGOへの転職、博士課程への進学を模索している。
こちらで梅雨が明ける頃には、1つに絞れているだろう。

​変化の月には、インドの夏も肌寒く感じるのだろうか。


(関連記事)
2012年7月8日付 フロンティア・フォーラム寄稿
No.75:「米国留学、国際NGOインターンを経て、バングラデシュ~国境なきコミュニティデザイナーを目指している私」 加藤遥平さん(当時、筑波大学5年) 
http://japangap.jp/essay/2012/07/ngo.html

2015年12月23日付 JGAP寄稿者短信:「片道切符でインドに来た。」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis卒業) http://japangap.jp/info/2015/12/jgapuc-davis-4.html

2015年8月12日付
JGAP寄稿者短信:「されどクラクションは鳴り続く。インドの喧騒と静けさの中で~タタ財団でのフェローシップ」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis卒業) 
http://japangap.jp/info/2015/08/jgap2uc-davis.html

2015年7月10日付
JGAP寄稿者短信:ボクとアメリカとインドをつなぐ、大学院での2年間」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis卒業) http://japangap.jp/info/2015/07/jgap20142015uc-davis-1.html

2014年11月10日付
JGAP寄稿者短信:「大学院卒業後の進路~これからのキャリアを考える」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) http://japangap.jp/info/2014/11/jgap-uc-davis.html

2014年8月30日付JGAP寄稿者短信:「米国大学院生の懐事情 ― 留学費用についてのあれこれ」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) | 一般社団法人 日本ギャップイヤー推進機構協会(JGAP): http://japangap.jp/info/2014/08/jgap1-----uc-davis.html

2014年8月3日付 JGAP寄稿者短信:「大学院1年目を振り返って --- 米国大学院で学んだ個人戦と団体戦」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) http://japangap.jp/info/2014/08/jgapuc-davis-2.html

2013年12月16日付 JGAP寄稿者短信:「米国大学院の教壇で学んだこと」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) http://japangap.jp/info/2013/12/jgap1220-happiness-architect.html

2015年1月17日付JGAP寄稿者短信:「2014年から2015年へ~振り返りとこれからのテーマ」(加藤遥平さん、米国大学院UC Davis在学中) http://japangap.jp/info/2015/01/jgapuc-davis-3.html


ブログ:The Rad Visionary
http://yoheikato.weebly.com/1/post/2013/12/161.html

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