代表ブログ Jギャップは社会変革のイニシャル!

※このブログは、BLOGOSでもお読みいただけます→http://blogos.com/article/43257/


英国内ではエジンバラ公賞(The Duke of Edinburgh's Award、略称:DofE)、国外では国際ユース賞(The International Award for Young People)と呼ばれる若者(対象年齢:14-25歳未満)の「社会体験」「課外活動」を促進する認証制度がある。ギャップイヤーは本格的な社会体験(国内外の課外留学、ボランティア等)と就業体験(インターン・アルバイト等)の二軸があるが、前者の評価の"モノサシ"として、世界では既に認知されている。

 DofEはエジンバラ公の強い意志で1956年に誕生し、60年近い歴史がある。若年層は成長と豊かな人生を送るため多様な分野で、生きる術(すべ)となるような自主的に取り組むプログラムを体験して立派なおとなになってほしいという考え方が根底にある。これは、英国で60年代に生まれたとされるギャップイヤーのコンセプトの形成に影響を与えているのは明白だ。実際、英国のDofEのサイトには、「ギャップイヤー」のタグがあり、ギャップイヤー支援NPOの「ギャップイヤー・プログラム」も入っている。
参考サイト:http://www.dofe.org/en/content/cms/doing-your-dofe/opportunities/residential/gap-years/

 課外活動カテゴリーは「ボランティア活動(Community Service)」、 「科学・文化・芸術活動(Skill Development)」, 「運動・スポーツ(Physical Recreation)」、「自然体験活動(Adventurous Journey).の4つとなっている。青年の「持続と達成」がキーワードで、人生を変えるような社会体験やスリルあふれる冒険、価値あるスキル、そして成熟した人としての肉体的成長を目指している。

 このような体験活動の評価・認証機関は非営利・慈善団体として、インターナショナル アワード協会(IAA)がある。1970年代になってこの運動は世界を席巻し、米国も1980年に加わった。今現在、世界で85万人の青少年が各種活動にチャレンジしていて、これまで132カ国・地域で700万人が体験している。それはゴールド賞(16歳以上、18ヶ月以上)・シルバー賞(15歳以上、12ヶ月以上)・ブロンズ賞(14歳以上、6ヶ月以上)と呼ばれる3つの認定された参加レベルがあり、賞(アワード)は335万人に授与されていて、各国で一種の"社会的認証"になっている。

 組織としては、世界で欧州・アメリカ大陸・アジア・アフリカの4ブロックに統括事務局がある。アジア・オセアニア地区の事務局はシドニーにあり、その傘下の国内委員会は、インド・シンガポール・マレーシア・ニュージーランドなど13カ国を数える。残念ながら(というか信じられないが)、日本はIAAのメンバー国ではない。青少年の体験活動でも"ガラパゴス"状態といえないか。それゆえ、日本では16カ国に60ある独立したオペレーター(7つの教育機関)として、それぞれ直接英国の認可を受けてプログラムを運営している。

 日本でも、教育に携わる多くの方々にこのグローバル・スタンダードである国際ユース・アワードの素晴らしい課外活動プログラムを知っていただき、日本の多くの若者たちにもこのチャレンジを通じて自己を高める機会を楽しんでらいたいと私は考えていた。

 ところが、なんと文科省スポーツ・青少年局が、8月から来年2月の期間、首都圏の大学生30名に対し、トライアル(官庁用語で「試行事業」)としてこのチャレンジ・プログラム参加者を公募していることを知った。文科省は「青少年体験活動奨励制度を検討するための試行事業」という名称で、大学生という参加見込み者視点(マーケット・イン)とは対極の、思い切りプロダクトアウト的な報道発表をしている。それゆえ、その素晴らしさが伝わらないのが実に残念であるが、参加できるのは「抽選」というある意味恣意が入らないフェアなものなので、"我こそは"という該当大学生は軽い気持ちででも申し込んだらいかがだろうか(メールで7月17日締切)。近い将来、日本でもギャップイヤー活動の浸透と共に、この認証・評価制度は、一つの"スタンダード"に認知される可能性はあろう。詳細は、以下の文科省のサイトにある。

参考:文科省「たたきつけろ、自分への挑戦状」http://www.challengeaward.jp 

 .

記事一覧

代表ブログトップページへ戻る