代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「僕がこれから自転車でアメリカ単独縦断する理由~日本縦断4250km、カンボジア横断700km制覇の先にあるもの」松下哲夫さん.jpg


松下哲夫
(国際基督教大学教養学部3年)
日本アドベンチャー・サイクリストクラブ(JACC)会員


学生生活最大の挑戦へ
 今夏、自転車でアメリカ西海岸縦断に挑戦する。その目的は2つ。一つ目は東日本大震災の復興支援活動、二つ目は自転車旅の魅力を知ってもらうことだ。


これまでのチャレンジは日本縦断など
 大学生の間にしかできない、バカなことをやろう!そう思って、これまでいろんなことにチャレンジしてきた。自転車で4250km日本縦断、名古屋--東京400km徒歩旅、自転車でカンボジア700km横断などなど。


旅の途中で感じた心の葛藤
 日本縦断を始めたのが昨年3月。僕の旅のそばにはいつも東日本大震災があった。自分のやりたいことに取り組む充実感の片隅に、何か引っかかるものがあった。「震災で苦しんでいる人がいるのに、俺は旅なんてしてていいのか?」


「だったら、両方やろう!」
 自転車旅がしたい、でも被災地のために何かできることはないか。だったら、復興支援と自転車旅、一気に挑戦してしまおう!大事なのは、心の声に従うこと。自分の"直感"を信じよう。そうやって、ここまでやってきた。


復興支援って?
 僕が行う復興支援活動の柱は主に3つある。一つ目は募金活動。旅先で出会った人や、日本で私の活動に賛同してくれる方から寄付を募る。二つ目は応援メッセージ集め。日本を応援する世界の声を被災地の方に届ける。三つ目は被災地の現状を伝えること。これまで自転車で被災地を周り、見聞きして感じたことを多くの人に伝え、まだ震災は終わっていないということを米国人やそこで出会う世界の人々に知ってもらいたい。


自転車旅の魅力
 僕がここまで自転車旅にこだわるには理由がある。日本縦断の最後に出会ったおじさんがその答えを教えてくれた。そのおじさんも自転車で旅していた。いろいろ話しているうちにこんな話になった。「なぜ自転車で旅をするのか?」。彼の答えはこうだった。「俺にとって、自転車の性能なんてどうでもいい。変速機がついていなくても一向に構わない。荷物をたくさん積めなくてもいいし、早く走れなくてもいい。ママチャリでもなんでも、そんなことは問題じゃない」。僕は動揺した。快適に風を切って走るところがいい、みたいな回答を予想していたからだ。


「漕いでれば、進むだろ?」
 「どんな自転車だって、漕いでれば進むだろ、だったらそれでいいじゃないか」。シンプルだった。「自分の力で前に進む、そうやって汗水垂らしながら見た風景は、車や電車ですっ飛ばしながら眺める景色とは全然違う。同じ風景だが、見える世界は全く違うんだ」。彼は私には難解に思えた方程式を鮮やかに解いてみせた。最初は理解できなかった彼の言葉が、今では分かる。風の噂に聞いた、ママチャリで日本を何周もしているというおじさんの気持ちも、今なら分かる。自分は真似できないけれども。


突き詰めると"徒歩"になる
 「自転車だって、厳密にいうと自力じゃないだろ。上り坂は大変だが、下りは勝手に進んでく。そしたら、突き詰めると、徒歩になるんだよ。完全に自分の力だけで進んでく。お前も一度、やってみろ」。そんなこと言われたらやるしかない。やってみなきゃ気が済まなかった。だから、実家のある名古屋から大学のある東京まで歩いた。自分の体を動かし、全身で感じ、納得したかった。体への負担と、進める距離の制約という点で私には自転車旅が合っているという結論に至ったが、それでも一度は経験しておいてよかったと思っている。やれる時にやらなければきっと後悔していたはずだ。


迷ったらこう考える
 一人でアメリカを自転車で縦断しながら、その土地土地で募金活動(下記Justgivingの寄付サイトとは別)をすることに不安がないわけではない。むしろ心配なことばかりだ。でも、僕は迷ったらこう考えることにしている。将来息子に語るのだ。「お父さんは自転車でアメリカを走ろうと思ったんだけど、恐かったからやめたんだ」。いーや、そうじゃない!「お父さんはやりたいことをやりきった。青春に悔いはない」と。


とにかく、「やりたいことを、やってみよう!」
これが僕のモットーだ。好きだから全力で取り組める。やってみて初めて分かることがある。人間やれば、なんとかなる。やらなくて後悔するくらいなら、やって後悔する方が100倍マシ。これまでも、これからも、人生アツく生きていく。

プロフィール
松下哲夫
ブログ:http://charibaka35.blog.fc2.com/
facebook:Tetsuo Matushita
twitter:@tetsuopoteto
Justgiving寄付サイト【復興支援】大学生が自転車でアメリカ単独縦断します!!:
○今回のチャレンジ
【概要】自転車アメリカ西海岸単独縦断
【日程】2012年7月2日〜8月3日(1ヶ月間)
【スタート地点】ロサンゼルス
【ゴール地点】シアトル
【予定走行距離】約2000km
【活動】・被災地に実際に行く
・(もちろん)自転車で走る。テント泊を基本とする
・東北応援メッセージを書いてもらい、写真を撮る
・現地で募金を呼びかける
・チャレンジに至るまでの活動、現地からの報告、チャレンジ後の活動をブログに載せる

http://justgiving.jp/c/8169

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