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日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

前田健太さん写真me.for.jpg「2週間の"サンフランシスコ語学留学"をきっかけに変わった自分」

前田健太(まえだけんた)
岡山大学経済学部経済学科4年生。岡山大学の交換留学派遣プログラムを利用し、2012年7月からNY州立ストーニーブルック大学に交換留学中。

今何をしてるか?!
 ニューヨーク(NY)のロングアイランドにあるNY州立ストーニーブルック大学に、大学の交換留学派遣プログラムを利用して、国費留学生として来ています。秋と春の2セメスターをここで過ごし、来年の5月に日本に帰国予定です。


昨年の春休みにサンフランシスコで過ごした2週間が"きっかけ"
 大学に入学して以降、バイトとサークル活動ばかりに生活の重点を置いていた僕は、絶えず何か"焦燥感"のようなものを持っていました。行動を起こすなら今しかないと直感的に思い、去年の大学2年の春休みに2週間サンフランシスコ(SF)に語学留学することにしたのです。そしてそこでの経験が現在の僕を形作る上で多大な影響を持つことになります。

 とにかく未知の経験の連続でした。「外国人が普通に街を歩いている」、普通に考えれば当たり前のことなのですが、当時の僕にはリアルな多様性を飲み込むのが容易ではなく、ベッドに入るやいなやその日の疲れから、毎日泥のように眠っていました。また3月13日に向こうに行ったのですが、とあるレストランが「3・21に支払われた金額はすべて日本に寄付します」と書かれた看板を掲げていたり、出会う外国人には「あなたの家族は大丈夫だった?」と聞かれないことのほうが少ないくらいでした。


年下のフランス人に出会い、"能力に年齢は関係ない"を知る
 日本は世界に支えられているということ、そして世界は互いに支え合って成り立っているんだなということを、身に染みて認識することができました。しかし悔しいこともありました。友人数人とカフェに行った時のこと。自分以外のみんなは語学学校の一番上のレベルの人たちで、僕は中レベル。明らかに英語力に差がありました。そのため、彼らが腹を抱え笑っている理由すら分からず、所謂「ジャパニーズスマイル」に頼るしか術はありませんでした。彼らの内の一人が19歳のフランス人で(当時の僕よりも一つ下)、国際弁護士を目指して日々勉強していると話してくれた時、「能力に年齢なんて関係ない」ということを、恥ずかしながら生まれて初めて知りました。「日本に帰ったら死ぬ程英語の勉強をして、とにかく来年アメリカに一年行こう」長期留学することをこの瞬間心に決めたのを今でもはっきりと覚えています。


今感じていること~能動的になるしかないオプション!
 ここはアメリカの東海岸ですが、アジア人が非常に多いです(実に40%の学生がアジアンだとネイティブの友達が言っていました)。実に多様な人種の学生が共に学んでいます。ファッションも、生活スタイルも、個性も、全然統一感なんてありません。正に個によって社会ができているという感覚。個人的には、個性が目立つ分日本にいる時よりも外を歩くのが面白いです。
あと、こっちの人はみんな能動的。日本にいた頃の自分は何となく流されてるというか、流れてきたものを素直に受け取り続けていて、所謂受身姿勢でした。しかしここでその状態でいることは不可能です。能動的になるしかオプションがないからこそ、自分の弱さを少しずつ克服している実感を日々得ています。授業中は皆積極的に自分の意見を言い、手を挙げていなくてもみんな答えをブツブツ呟き、ノートは完璧に取ろうとします。多くの学生がキャンパスの学生寮に住んでいるのですが、そういった環境も学生の主体性を伸ばす上で機能しているのでしょう。


今しようとしていること~英語力と出会い
 まずは英語力の向上です。帰国後にTOEFL110以上は欲しいですね。また、専攻に縛られず幅広い授業を取っているので、知識の幅ももっと拡げられればなと。

 また来年の5月に日本へ帰るまでに、今後の人生における何らかのビジョンを見つけようとしています。未だ明確に語れる夢は持っていませんが、今まで自分が良い意味で変わってこれたのは、素晴らしい人たちとの出会いがあったからだと知っているので、留学中は人にどんどん会いに行く予定です。世界の中心マンハッタンには、世界から何か目標を持った人たちが多く集まっています。そしてその数は世界の他の大都市と比べても群を抜くでしょう。この大きなアドバンテージを生かして、国籍は問わず様々な社会人や学生の方とお話をして、自分の中で色んな化学変化を起こすつもりです。


同世代に伝えたいことは・・・
 自分の直感に素直に従ってみることだと思います。何かを始める敷居はとにかく低く。よく「始めることは簡単だけど、続けることは難しい。だからとにかくそれを続けなさい」と言う人がいます。確かにその通りだと思います。自分も始めたは良いけれど、結局長続きせず途中で断念したことなんて数えきれない程あります。だけどすべては自分が始めないと始まりません。気になったものにはどんどん手を出して、その中から継続できるものを見つければいいんです。自分が1年前SFに行っていなかったら、また全然違う人生を歩んでいたかもしれません。ですが、日本にいた頃コロンビア大学教授のシーナ・アイエンガー氏の講義を見た時、彼女が説いていた「選択の力」は実に大きなものだと思いました。当時はその選択が正しかったのかは分からなかったですが、今では自信を持って間違っていなかったと言えます。直感を大切にし、自分の下した選択に自信を持てるよう努力することは、思い描く自分に一歩ずつ近づいていく一つの道だと信じています。


プロフィール:
前田健太(まえだけんた)
1990年生まれ、21歳。岡山大学経済学部経済学科4年生。岡山大学の交換留学派遣プログラムを利用し、2012年7月からNY州立ストーニーブルック大学に交換留学中。

Twitter : @kentyun
Facebook : Kenta Maeda
ブログ: http://thisissekai.wordpress.com/
Email : kenta.maeda.9@gmail.com

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