代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「海外を旅し、世界を知り、日本を外から見ることの大切さ」小山修平.jpg


小山 修平(24歳)
eConnect Japan(株) 代表取締役


  私は20歳で高等専門学校を卒業後、海外に住んだり、日本に帰ってきて仕事をしたり、また海外に行ったり、という数年を過ごしました。2012年からは訪日観光客を対象とする通信分野のインバウンド事業で起業し、今に至ります。

 旅行というか"旅"は心底好きで、子供の頃から親に連れて行ってもらっていましたし、学生時代にもちょこちょこ一人旅を、卒業してからもほぼ毎年どこかへ行っており、24歳のいま現在訪れた国は全部で27カ国。海外での生活経験は、2008年オーストラリアに約1年、2011年スイスに半年です。


事業をはじめた背景
 高専を卒業してスイスでホスピタリティの専門学校に通っていたとき、訪日旅行者に対する日本の通信面での利便性が非常に悪いことにふと気づき、専門学校を途中で辞めて、帰国し事業を起こすことを決意しました。

昔からいつかは自分で事業を起こしたいと思っていたのですが、このチャンスを逃すと一生後悔するかもしれないとも思いましたし、何かを言い訳にこれを断念すると一生それを続けてしまうかもしれないとも思いました。


やはり、英語は大事
 事業の遂行に必須である英語力は、海外滞在時に勉強し、身につけました。完璧とはほど遠いですが、ビジネスする上で支障のない程度だと思っています(ケンブリッジ英語検定CAE、TOEIC975点)。

 ご存知の方も多いかと思いますが、単に英語圏に1年や1年半いただけでは英語がぐんとうまくはなりません。しかし、密度の濃い勉強&生活をすることで上達速度を上げることはできます。日本語をできるだけ使わない(日本人とつるまない)、ひたすら英語を聞く(リスニング)、単語をがむしゃらに覚える、ネイティブが使っている言い方をまねるなど、自分も四六時中英語に触れようと努力したことを覚えています。

 本気で英語を勉強するということは簡単なことではありません。特に日本では、それに人生や生活がかかっているという人は少ないと思いますから。でもある程度英語を理解できると見えてくる世界、知ることができること、というのは計り知れません。完璧にマスターする必要なんてないんです。ある程度のレベルになれば、それだけで十分有益だと感じることができます。 旅先でのコミュニケーションはもちろん、世の中には英語でしかリーチできないことがたくさんあります。英語を習得したいと思ってる人も、たぶんそのことには気づいているはず。ちょっとやる気をなくしたときや、目標がぼやけたときは、そんな"英語を習得すると見えてくる世界"を想像してみてはいかがでしょうか。

 ちなみに他の言語と比較すると、英語って、ちょっとは下積みがある分、たぶん一番習得簡単なんですよね(と、ドイツ語を勉強していて思います)。


今後の展望
 今年2013年からは、日本からの海外旅行者を対象とした通信のアウトバウンド事業にも着手する予定です。通信事業とは別に会社の軸となる事業も開始しようと思っています。

 インターネットやソフトウェアの力によって、事業形態や会社のあり方が急速に変化、シフトする昨今。世界の流れをしっかり追って、フレキシブルに考え、迅速に行動することが大切だと思っています。


世界を尺度とするモノの考え方を~今の事業は"海外体験"から創出
 さて、私がいま行っている事業を思いついたのも、海外にいて、日本を外から見て、比較することができたからだと思っています。別ににビジネスに結びつけなくても、海外を旅することによって自分の考え方が大きく変わることはまず間違いない。逆に日本しか知らないというのはある意味危険だと思います。我が子しかみず、他人の子と比較せず、その子を判断しているようなものではないでしょうか。

 海外を旅していると、毎日何回も「こんなん日本じゃありえんな」という"違い"を目の当たりにします。ときにはその違いがビジネスチャンスに繋がることもあるでしょうし、人生のレッスンになることもあるでしょう。そんな"違い"を感じること、体験することが、その人の世界を広げてくれ、新たな考え方を植え付けてくれます。またそれによって日本の誇れる点、改善すべき点の両方が見えてくることも事実です。

 とにかく若者は絶対日本の外に目を向けたほうがいい。それによって見えてくる世界、形成される価値観というのはきっと将来役に立ちます。 物事を考える上で、思考のバックグラウンドは広く、深いほうがいい。より相対的に、より多角的に、より柔軟に考えることができるから。ビジネス面だけでなく、そういう"考え方"という面でも自分の世界を広げることは非常に大切です。

 社会にでて、会社に入れば、年齢や経験がモノをいう。でも、世界を知るのに年齢なんて関係ない。逆に、若いときにしかできないことがたくさんある。20歳の若ぞうでも積極的に世界に出れば、50歳の部長が知らない世界を知っていることになります。そして立派な大人だったら、それをしっかり評価し、リスペクトしてくれることでしょう。
もちろん、ただ世界に出ただけでは不十分。しっかり見て、考え、判断し、自分の人生の糧とできる能力が必要です。

 ひとりでも多くの人が世界に目を向け、世界を知り、そしてそこから日本を考えるようになれば、日本の将来は明るいと信じています。そして私もそんな一人になれるよう、これからも頑張っていく所存です。

プロフィール:
小山 修平
1988年 2月 14日生まれ
eConnect Japan(株) 代表取締役
通信事業(eConnect Japan): http://www.econnectjapan.com/
翻訳事業(Lingualize): http://www.lingualize.com/

Twitter: @shuheikoyama
@honyakupress
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