代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

小林正和さん:040(1).jpg「アフリカの空の下、世界の時代と成長を感じる日々」


小林 正和
法政大学法学部国際政治学科4年=休学中
(現在マケレレ大学ビジネススクールに留学)


半年前に日本を飛び出しアフリカのウガンダへ
 「とにかく行ってくる!ウガンダという国に1年間住んできます。」去年の夏、両親や友人にそう言って日本を飛び出しました。ウガンダに着いてからの1ヵ月は大学の入学手続きの関係で、大学や教育機関をたらい回しにされる日々でした。正直何度も心が折れましたが、入学許可を頂けた時は涙が出るほど嬉しかったです。

今はウガンダの大学で経営学を学んでいます。

なぜ、アフリカでしかもウガンダでビジネスなのか
 私は大学3年の時に漠然とではありますが「アフリカでビジネスがしたい」という想いを持ちました。それはアフリカの未来をよくするのは「援助」から生まれる甘えではなく、真っ当なビジネスから生まれるであろう「尊厳、競争心、喜び」だと思ったからです。

ウガンダという国は皆さんびっくりすると思いますが、飢えで亡くなる人はいません。なぜなら、土壌がよく、気候も温暖で、水が豊富なんです。"エジプトはナイルの賜物(たまもの)"のナイル川の源流はウガンダにあります。なので何か作物を植えておけば、勝手に育っちゃうんです。


農業は素人、だがサポートを受けながら着実に
 「何とかこの恵まれた自然環境を利用して、農業をビジネスとしてできないものか」それが私のウガンダでの挑戦です。私は農業をやったことがない素人なので、この5カ月間、必死にリサーチを行い、勉強をしました。現在はウガンダ人の農家の方と共に1つの農場を経営しています。もちろん労働力は僕と彼だけなので、壁に当たった時はJICAの専門家の方にアドバイスを頂きながら、何とか頑張っています。

ウガンダの人々と共に汗をかき、共に考え、共に話し合う、そんな日々です。
でも農業って本当に難しいんですよ(涙)


「日本は"眠っている"のか?」
 以前、ウガンダ人のビジネスパートナーにこう言われました。
「日本はいつまで寝てるんだ。お前らが寝てることを中国とインドは笑って喜んでいるよ。次の日本のためにお前がアフリカで何をすべきなのか、しっかり考えろ」と。


中国とインドの台頭
 地球上最後のフロンティアと呼ばれるアフリカは、まさに中国とインドの独壇場と化しています。私は日本人として"危機感"を感じています。なぜならビジネスの世界では"先行者"が大きなアドバンテージを得るからです。例えば、ウガンダのバイク市場は完全にインドのBajijという会社に9割のシェアを奪われていて、もうこうなると取り返すのは至難の業です。しかし、私はいくつかの分野では「今日本が動けば、まだ間に合う」と思っていて、そのために私ができることをしています。

 いくつかあるのですが、その一つにケニアのモンバサ港からウガンダの首都カンパラへの輸送の調査があります。現地のフォワーダーと運送会社をリスト化しており、「日本-ウガンダ」間の貿易を少しでもファシリテートできればと思っています。


人間は肌で感じて変わっていくもの
 私の大好きなドラマに『龍馬伝』があります。その中で幕末の政治家勝海舟は「人間は肌で感じて、変わっていくものだ」と言っています。日本は閉塞感に満ちていますが、アフリカのような途上国には確かな"成長"と"希望"があります。"国作り"の現場に立ちあい、世界の時代を感じることで、今、日本に必要なものが何か、そして日本の強みとは何かを実感できると思っています。

 私の夢は将来、日本に戻って自分の故郷を変えることです。
それまでは世界を舞台に頑張るつもりです。


プロフィール
小林 正和
Twitter:@ tabio1007
Facebook: http://www.facebook.com/masakazu1007
Blog: 『アフリカで生きる』 (http://ameblo.jp/tabio1007/)

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