代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「私はなぜSTUDY FOR TWOを立ち上げたのか」STUDY FOR TWO 石橋幸太郎さん__031176yyy.jpg


石橋孝太郎
学生社会起業団体 StudyForTwo代表

 はじめまして、私がSTUDY FOR TWOを立ち上げることになったキッカケをお話しさせて頂きたいと思います。

きっかけは、なにげなラオスのボランティア参加
 それは大学1年生のときでした。以前登録していたメーリングリストから流れてきたメールに、私は目が留まりました。
 その頃私は、国際協力やボランティアなどには関心はない、一般的な学生でした。
 普段の学生生活に刺激を求めていた私は、東南アジアでのボランティア活動というそのメールの内容を見て、なんとなく参加することに決めました。
 そうして、2010年の3月から約1カ月間、ラオスを中心とした東南アジアにて、初めてのボランティア活動をしてきました。


日本の暮らしとの違いにショック
 初めての東南アジアは刺激に溢れていました。
 異なる生活文化にも驚きましたが、なによりその生活環境に強い衝撃を受けました。自分の暮らしている日本がいかに恵まれているのか。もちろん知識としては、日本は恵まれていて、そうでない国が存在することは知っていました。けれど、私は東南アジアに初めて自分の足で行き、初めてそのことが理解できたと思っています。

勉強したいのに、貧困が理由で勉強できないことは看過できない
 初めて東南アジアやほかの貧困地域に行くと、他の恵まれた人々でも感じ考えるようなことは私自身も感じられたと思います。そんな中でも、特に私に強く響いたのは、勉強がしたいのにお金がないという理由から勉強できない子どもたちがいるということでした。

 個人的なことを言うと、私は大学へ奨学金を100%借り入れて通っています。それは、お金がない家に生まれたからです。でも、たとえお金がない家に生まれようとも、機会に恵まれた日本という国では、私は十分に勉強できる環境にいることができます。
 なぜ同じ"お金のない"家に生まれついたのに、私は勉強することができて、彼らは勉強することができないのか。それは結局、単純に運がよい、悪いで片付けていいことなのか。東南アジアにいた1カ月では、私にはわかりませんでした。

ひらめきは、教科書購入タイミングの4月に生まれた
 釈然としないまま2010年4月、日本へ帰国しました。そんなとき奨学金を借りている私が直面したのは、学生ならみなわかる、教科書の購入時期です。教科書をまとめて購入すると、結構まとまった金額になってしまうので、私は結局先輩から譲り受けられることになりました。

 その後、母とその話をしていたとき、思ったんです。なんでもっと安い教科書はないんだろう。もっと安い教科書が簡単に手に入る環境ならいいのにと。

 だったら自分も欲しいし、きっとみんなも欲しいはずだし、自分がもっと簡単に安い教科書を手に入れられる仕組みを創り出せばいい。だから使い終わった教科書を寄付してもらい、必要としている下級生に「中古」として安く売る。そして、そこから得た収益で、学習機会の不均衡を勉強したいと思っているのに、勉強することができないラオスの子どもを、1人でも、1ミリでも支えられたらいいんじゃないかと思ったのです。

 そうした"内なる声"を形にしたのが2010年4月、STUDY FOR TWOの始まりです。
1人でも多くの勉強したいのに勉強できない子どもたちのため、1人でも多くの学生に安価な教科書を提供するため、STUDY FOR TWOは存在します。

 現在は6大学で活動を展開し、11の新しい大学で支部立ち上げの準備中です。
さらに多くの大学、社会を巻き込んだ活動をSTUDY FOR TWOは目指しています。
是非あなたの大学でも一緒に活動しませんか?


プロフィール
石橋孝太郎
学生社会起業団体@StudyForTwo を創案、立ち上げ、代表を努める。
その仕組みは①大学構内で使い終わった教科書の寄付を募る。②集まった教科書を新学期に大学構内やネットで販売。③集まったお金はラオスの勉強したくてもできない子どもたちの奨学金の一部となる。千円の中古教科書をSTUDY FOR TWOを介して購入した場合、
ラオスに住む小学生の約28日間分の奨学金になり、彼らは勉強することができる。
 
Website: http://www.studyfortwo.org/
Twitter: @kbridgestone

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