代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

白井耕平さん写真.JPG『生き方』を変えていく旅~3月11日生まれの僕
 

白井耕平
(武蔵大学人文学部=2年次休学中、世界一周中)


・From 11,03,1993
 僕は普通の家庭で育ち、普通の公立中学と都立高校を卒業し
そして普通の大学に通っている、『普通の大学生』だと思っていた。
授業をサボりまくって、「大学つまんねー」と愚痴る毎日。
「高校が楽しすぎた」と言い訳をして『今』を楽しもうとしてない
そんな自分や、大学内の狭い世界に嫌気が差した
なんとなくみんなが同じ方向を向いて進んでいる気がして
また自分も同じなんじゃないかとも思った。
「社会の敷いたレールなんてクソくらえ」
そう心の中で呟いて、旅に出ることを決めて休学届を出した。
「このクソみたいな大学生活を変えたい」という思いだけ。
たったそれだけでとにかく日本を飛び出したかった。


・YouTube×MyAction
 そんな時に出会ったのが「マホト」というYoutubeに動画投稿をしていて最高再生数50万回を叩き出す、いわゆる"変な奴"だった。
彼から「紹介するから旅の中で動画投稿やってみない?」と言われた時、ちょっと迷った。
やったことの無いことをやる、ということに対して旅に続き二つ目の『イエス』を置いた。
理由はマホトの視聴者のほとんどが中高生だったということ。
ここ数年「グローバル化が・・・」や「世界の○○で・・」といった世界を意識させる言葉や映像を目や耳にするが、テレビの中の観光地か戦争地帯が多くの中高生の見る世界ではないだろうか。
だから僕は『世界のリアル』が撮りたい、人々の生活、世界の子供たち、貧困、そういうのを伝えたいと思った。
それらを撮って、感じたことを誰かが書いた原稿を読むのではなくて、自分言葉を動画に記録したいとも思った。

 それには現地の深い部分に入る必要がある。
そこですぐに「ボランティアだ」と思いついた。
僕の誕生日の3,11 東日本大震災の時、まだ混乱のさなかで高校を卒業してすぐ2週間程度だが宮城県の海岸沿いでボランティアをしていた。
 そこで得たモノが、『現場がリアルだ』ということ、現場でしか感じられない、見れないものがいっぱいある、ということ。
だからボランティアという手段で現地の深いところへ入っていこうと思った。
すでにベトナムの養護施設、カンボジアのフリースクール、タイのスラム街の保育園でボランティアをさせてもらった。
ヘドロの浸水したスラムの中に立ち並ぶ廃屋の一軒から1人の子供が出てきたところに出会った。
そこに住んでるようだった子供は、何にも代え難い笑顔をくれた。
でも僕は困ってしまった。わからなかったのだ。
この夢も希望も無い環境で生活していて、なぜ笑えるのか。
あとで聞いた話だが、ここの子供たちが将来に対して何か考えを持つということ自体がほとんどないのだという。それだけのことだという。
俺にはその笑いが後になって悲しいモノにすり替わってしまっていた。
将来に希望を抱ける可能性を持ってる自分について、それから深く考えるようになった。


・"レール"なんて最初から無かったんだ
 休学を決めた時は「社会の敷いたレールから降りるんだ」
なんて息を巻いていた自分だが、旅の中で気付かされたことがある。
一日2ドルの生活から一生抜け出すことのできない人たちがいる世界で
僕はたまたま裕福な日本に生まれ落ちた。
休学するという選択の自由さえ与えられた。
社会の敷いたレールなんてものはどこにも無くて
ただ大勢が歩いて行く道がそれっぽく見えてるだけだ。
僕の足元には『努力すれば報われる』という可能性が運よく広がっていて
どこで誰と何をして生きていくのかは自分次第、自分なりの幸福に従って生きていける。
そのための努力がちゃんと意味を成す日本に生まれた、僕には選択の自由がある。

 サルトルは「人間は自由の刑に処されてる」と言った。
これは日本の多くの若者に当てはまる言葉じゃないだろうか。
生き方を自らの意思で選択するということを忘れなければ
自分の人生は自分が主人公であり、それは一回こっきりなんだということを自覚してれば
その自由に対して苦しむこともあるが、それでも生きていて楽しいことが多くなるんじゃないか。
旅の途中で、そんなことを深く思い知った。


・Lights,Camera,Action!
 色々書いてみたものの未だ19歳、特に何があるわけでもないただの大学生。
色々なことに気づいて、自分が変わっていく中で
やっと始まった気がする。
サッカー一筋の小中高から、生き方を変えていく旅へ。
人生スパンでモノゴトを考え、必死に愚直に動く。
何かを成し遂げたい、今そう強く想う。

 Lights,Camera,Action! ここからでしょ。


プロフィール:
白井耕平
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