代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

水野真吾さん写真pic.JPG「やりたいことを思い切りやる~留学で考えたこと」


水野真吾
青山学院大学 国際政治経済学部 4年 
※米国カリフォルニア州サンディエゴに私費学部留学
(09年4月〜11年4月)


留学に至るきっかけ~それは"不安"から
 私が留学を決意したきっかけは、将来に対するとてつもない不安がきっかけでした。ぼんやりと大学卒業後に自分は何をしていたいか考えたとき、恥ずかしながら何一つイメージできませんでした。当時の自分は、趣味はありましたがこれといってやりたいこともなく、なんとなく授業に出てなんとなく遊んでいるような、主体性のない平凡以下の学生だったと、今振り返ると思います。そんな自分でも、このままいったら人生おもしろくないな、ということだけは容易にイメージ出来ました。もっと言うと、自分でお金を稼ぐ術(すべ)も知らず、かといってこんな自分を雇ってくれる場所などないだろうと考えていたので、おもしろい、おもしろくない以前に生きていけないだろうと感じていました。このような状況から抜け出そうと自分なりに考えた結果がアメリカ留学でした。元々英語は好きで勉強していて、どうせやるなら徹底的にやろうと考え、思い切って留学という決断を下しました。

 留学後に分かったことですが、英語の勉強なら日本にいる状態でも十分に出来ます。インターネットで新聞も読めるし、ラジオなども聞けるので、本場の英語に触れようと思えばいくらでも可能です。ただ、自分にとっては現地で実際に生活してみて感じたこと、考えたことが財産になっていると感じています。


留学中の生活
 よく留学案内のパンフレットに、外国人とビーチなどで楽しそうにしているレジャーの旅行写真と見まがうようなものを掲載されて、留学を目指す方の中には、留学先の生活を安易に捉えている方もいると思います。ただ、現地の授業にキャッチアップしていくのはなかなかきついものです。現地の友人も、日曜日はだいたい次の週の予習をしていました。日本にいる時、土日はきまってのんびりしていたので、いかに自分がだらけていたのかを思い知らされました。なので、留学をして楽しい思い出をたくさん作りたいなどと気楽に考えている方は、もしかしたら行かない方がいいかもしれません。楽しいこともたくさんありましたが、留学を総括するとやはりタフだったなという印象です。


留学してみて感じたこと、考えたこと
 留学を通じて、主体的に考え行動すること、常識にとらわれないことの重要性を痛感しました。
 日本には、人と違うことをするとバッシングを受けたり、悪い意味で注目されてしまうことがよくあると思います。「右に倣え」精神や、「出る杭はうたれる」、といったものです。しかし、海外に出て、みんながみんな同じ方向を向いていることのほうがむしろ"気味の悪い"ことであると考えるようになりました。
 
 自分のケースで言うと、留学という選択は、ある意味マジョリティから外れる選択であったと思っています。友人が普通に進級する中、私はある意味空気を一切読まずに休学しました。就職活動などのしがらみから全力で逃げ出したと言われれば否定はしません。ただ、マジョリティから外れたことによるデメリットなど一つもなかったです。海外で自分のやりたいことを思い切りやり、自分を見つめ直す時間が今思うととても貴重なものだったと感じています。

 MBAを取ったりなど、目に見える実績を残したわけではありませんが、留学を通じて精神的、人間的にタフになったかなと思います。あのとき留学という決断を下さず、マジョリティに流れてしまった場合の自分の末路を考える方が恐ろしくてしかたありません。月並みな言葉ですが、やらない後悔よりやって後悔した方が絶対にいいです。ギャップイヤーを取ることに怖じ気づき、もやもやしながら残りの人生を歩むのか、1、2年思い切ってやりたいことに打ち込み、残りの人生を充実させるのか。どちらがいいかは個人の判断によりますが、自分なら迷わず後者を取ります。


ギャップイヤーに対する考え
 ギャップイヤーという言葉自体、日本ではまだまだ普及していない感がありますが、あまりそこは気にかけなくてもいいと思います。個人的な意見で恐縮ですが、大学は四年制と決めたのは国です。もしその期間を超えて勉強する必要があればすればいいと思います。周りがこうだから自分も、ではなく、きちんと自分の頭で考え、出した答えに素直に従った方が後悔しません。もし自分のやりたいことをするためにギャップイヤーを取る必要があるならば、迷わず取るべきです。そこでたとえ満足いく結果が得られなかったとしても、一歩踏み出してチャレンジしたという実績が自分の中に残ります。それは次に何か事を為す際の糧になると思います。

 個人的には、日本でもギャップイヤーが広く普及し、人々がためらわずにギャップイヤーを取れるような社会になることを望んでいます。そのために、まずは自分のできることを精一杯やっていきたいと考えています。近々友人とギャップイヤーに関する企画も考えているので、まずはこれを成功させてファーストステップにしていきたいと考えています。


プロフィール
Twitter: @shingo612
Facebook: Shingo Mizuno

記事一覧

フロンティア・フォーラムトップページへ戻る

アーカイブ