代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「私が休学した理由~自分の生き方と向き合って~」二瓶さん写真IMG_6804 1.jpeg


二瓶 明(Nihei Aki)
(立命館大学国際関係学部4回生、休学中=インドでインターン中)


迷いとはじまり
 去年の夏、兼ねてから関心を持っていたビルマ(ミャンマー)難民キャンプの支援を行っているNGOでインターンをしました。たった1ヶ月だけれど、世界から集まったNGOなどの国際機関が拠点を置くタイのメーソットという町に滞在し、難民キャンプにも実際に足を運び、本当に多くの人々と出会いました。そんな刺激的で、充実した毎日の中で一つの大きな気づきがありました。それは、私が第三者であるということ。

 ビルマ(ミャンマー)という国にはそれを取り巻く多くの見方があり、彼らの意見を聞くたびに、自分はどうしたらいいのか分からなくなりました。しかし、考えてみれば当たり前で、どんなに努力しても彼らにはなり得ないし、全く同じ経験は出来ない。悲観的な意味合いではなく、その事実をまず受け止めなくてはならないと思いました。その中でどれだけ、彼らに寄り添うことができるのか。また、第三者の私だからこそ出来ることは何なのか、それが一番大事なのだとわかりました。


きっかけをくれた一言
 「決断しなきゃ、始まらないよ。」
 インターンを終え、バンコクに戻った時に出会ったある人にこんな言葉をもらいました。というのも、本来就職活動を控えた時期の私でしたが、いまそれをすべきなのかという迷いがあったのです。中学の頃から、国際協力の舞台で仕事がしたいと思い続け今の学部も選びましたが、大学に入学して以来、周りの意識の高さや就職口の狭さを前にして、自分の夢に萎縮してしまっていました。私なんかが行けるようなところではない、と。それでも、関心分野の講演会などには通い続け、ビルマ(ミャンマー)難民キャンプの存在を知り支援を続けており、卒業後は就職して、支援はライフワークとして続けて行くつもりでした。

 しかし、中途半端に、まだ本当にやりたいことは選べると思っている自分がいたのです。そんな自分に、彼の言葉で気づかされました。私は本当にやりたいことから逃げていただけなのだと。決断するということは何かを捨てること。それが恐かったのです。自分で決めたならもじもじしている時間などなく、突っ走るしかありません。実はとってもシンプルでした。


休学という選択
 改めて自分のやりたいこと、夢に正直になり、そのためにどのようなステップが必要であるか考えた時、私は休学をいう手段を選びました。少し贅沢な時間の使い方かも知れない、そんなことも考えましたが、どうしても将来のためにいまこのステップが必要であると感じ、1年間のプランを練りました。それが、語学学校と東南アジア・インドの旅、インターンという盛りだくさんなプランだった訳です。


どう生きたいのか
 休学という選択をするにあたって、私は自分のキャリアというよりは、どんな生き方をしたいのかを考えていたように思います。尊敬する女優の岸恵子さんがこんなことを言っています。

 "平穏を壊してでも、不可解に思う非日常に惹かれる。芸一筋、継続は力なり、という生き方ではないけれど、自分で選んだ道は、持てる力のすべてを尽くしてきた"。

 私は、この彼女の言葉に大変共感しました。私自身も、知ってしまったこと、目の前にある不可解な非日常に惹かれるのです。しかし、私の場合、それに対して自信を持って全力で取り組んだかと言われるとそう言いきれない自分がいました。きっと、岸さんのような生き方もある。けれど、そうやって生きていくには、もっともっと必死に向き合わなくては。これが、私の休学中の大きなテーマにもなりました。


実際にギャップイヤーのただ中にいて
 語学学校へ通っていても旅をしていても、すぐに何らかの成果や変化が目に見えてくるものではありません。正直、何にも見えなくて、もがき続けていました。しかし、このエッセイを寄稿するにあたり、休学を決めてからここまでのギャップイヤーを改めて振り返った時、確かに進んでいるという実感がふと湧いてきました。休学を決めてから、途中で呼吸を整えながらも、ここまでずっと走ってきて、休学を決めたあの時の気持ちがちゃんと今の自分に繋がっていると、やっと感じることが出来たのです。あの時、よく決心してここまで連れてきてくれた、と過去の自分に感謝です。

 少し時間はかかったけれど、きっとこの感覚が掴めればあとは邁進するのみ。今後は、インターンののちに帰国、来年4月から復学予定です。先はなかなか見えないけれど、自分の思い描く生き方、夢に向かって、とにかく自分を信じて生きるのみです。


<プロフィール>
二瓶 明(Nihei Aki)
立命館大学国際関係学部4回生、休学中。
休学期間中は、フィリピンで3ヶ月語学学校に通った後、半年をかけて東南アジアとインドをバックパックで旅する途中、インドとカンボジアでそれぞれインターンを予定。現在は、インドでインターン中。出会いに感謝の幸せな日々。将来もアジアに生きたい。
Twitter: @meiii81

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