「僕のギャップイヤー～何も見えなかったからこそ、見つけられたことがある」
高橋 健輔（青山学院大学）
「母さん、休学してみたいんだけど！」
「いいんじゃない？やっちゃいなよ！」
こうして僕のギャップイヤー（僕の場合は、休学の形態）が始まった。
僕の生活は、それまで何の不自由もなく満ち足りていた。
しかし、安定しきった生活の中で、「このままじゃダメだ。何がかは分からないけど、何かがダメなんだ」と考えていた。「じゃあ、どうする？」に対して答えが見つからなかった。
そんな日々の中で友だちがインドに一人旅に行ったという話を聞いた。今思えばこれが僕がギャップイヤーを取るきっかけだったと思う。その時は、「なんでそんなことするんだ？」って感じだった。けれど、色々調べてくうちに、長期休みを使って、海外に出てる学生が多いことを知った。ましてや、学生なのに休学をして、世界一周なんてクレイジーなことをしてる奴までいることを知った。僕は不覚にも「カッッッケェェーーー」と思ってしまった。
同世代で、知りたいことを知って、凄いものを見て、やりたいことをして、色んなことにチャレンジしている奴らがいる。休学した後はどうなるとかそんなことはもうどうでもよくて、とりあえずやってみる！今はなにがダメか見つからないけど、今何もしないよりはマシ！そう思って親の快諾もあり（笑）、休学届を学務グループに出してしまった。まずこれが一つ目の"とりあえずやってみる"になった。
そうだ！旅に出よう！
僕のプランは貯金０スタートだったので、バイトをしてお金を貯めながら日本にいる間はやりたいことをやり、貯まったら一か月ほど旅に行く、を繰り返すことにした。
なので、実質１年のうちの１/３ほどしか旅はしていないのだが、実に色々なことがあり（ここには書けないことばかり汗）、たくさんのことを知った。日本とは衣食住、言語、文化、ほとんどのことが違う。僕がコーラ１本買う額を必死に稼ぐ子どもたち、騙すことを微塵も悪いと思ってない大人たち、なにが常識で非常識かわからなくなる中で、自分でモノを考えさせてくれる。そして旅は人との出会いを与えてくれる。各地で出会った旅人や現地の人、旅に出なければ会うことはなかった人たちかもしれないけれど、その人たちのおかげで、僕の視野は確実に広がり、成長することができたと思う。
そうだ！"親"を探そう！
突然こんな話で訳がわからないと思うのですが、これはこの期間中に絶対しようと決めていたことなので少し話させてください。
それは、僕には"生き別れ"になった親がいるということだ。ある縁で中学３年の時にその事実を知り、僕はそれまで今の両親を本当の親だと思って生きてきたのでショックだった。しかし、両親から本当の親のことを聞いたわけではないので聞くこともできず、１５歳だった僕は調べる術（すべ）も知らず、なるべく考えないようにして、今までの４年間を生きてきた。
けれど、休学して時間ができたので、２０歳になるまでに探して直接会って話して、人生第１部を完にしようとした。チープなドラマみたいですよね。調べた経緯は長くなるので省くが、アメリカにいることが分かり、なんとか連絡を取って会う約束をすることができた。
会うまでは、母親と僕を捨ててと思い憎かった時期もあった。会って漫画のように殴ってやろうかとも思った。けれど、実際会ってみたらその人はやっぱり親だった。
同情して欲しいなんて思ってなく、こういう家庭に生まれた人はいくらでもいると思う。会うことが良い結果に行くかは分からないが、僕は自分の過去に向き合って勇気を出して会いに行って、前に進めたと思う。次はまだ会っていない兄弟が会いたいと言ってくれたら会うという目標もできた気がする。
何も見えなかったからこそ、見つけられたこと
最初から"これがしたいから休学する"というものが僕にはなかったけれど、その時にやりたいと思ったことを"とりあえずやってみる"うちに、今はこれから本気でやりたいと思えることが見えてきた。
もし、今人生につまらなさを感じている人、家にいないで外に出てみるとか、ちっちゃいことでもなんでもいいと思う。いまいる環境を少し変えてみることが大切かなと思う。
最後に、最近出会った人に聞いた言葉で締めさせてください（笑）。
"自ら機会を与え、自ら自分を変えよ"
まだまだ僕にはやりたいことがある。
最後まで読んでくれて、どうもありがとうございました。
プロフィール
高橋 健輔
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